乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『妖怪』  明治大学公開文化講座 VI  風間書房

2008-07-04 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真はイランのテヘランにあるガラス博物館の皿。絵が興味深い。カメラはOK。フラッシュ無し。)

 

記録だけ  

 

2008年度 74冊目  

 

 明治大学公開文化講座 VI

  『妖怪』

 

 発行 明治大学人文科学研究所   

 風間書房

 昭和62年9月5日 第1版発行

 680円+税

 

 近隣図書館には無かったため、大阪府立図書館に借りていただき、明治大学公開文化講座 VI 『妖怪』 を読了。

 明治大学公開文化講座シリーズは『悪』等、四冊目。

 

 この 『妖怪は、かなりおもしかった。

 この本も四部構成。内容は以下のような具合。

 

①「泉鏡花の幽玄美」   村松定孝

②「怪異の出現 歌舞伎の場合」  原道生

③「妖怪の図像学 西洋に見る奇跡」  森洋子

④「中国の妖怪」  駒田信二

 

 泉鏡花あり、歌舞伎あり、西洋絵画や図柄などの妖怪あり、中国妖怪あり・・・とあらば、これは読まない手は無い。

 心ははやり立つ。

 楽しくて楽しくて、家族やこども二人に内容を伝えるが、話内容総てをまともに聞いてくれたのは家族一人なり。

 それでも家族の一人は、③の挿絵に興味を持ち、一人は歌舞伎に興味を持っていた。

 

 ところで③の挿絵は楽しかった。

 一部だが記録しておこう・・・。

 

 「巨耳人間」 『世界の不思議』より

 「異人たち」 『宇宙世界』より

 「インドの怪物」 『世界年代記』より

 「グロリス」(古代ギリシャの彫刻 『幻想中世』より

 「頭脚人間」(メッス天井画) 『幻想中世』より

 「人喰い龍」

  (ジョビニー聖ピエール聖堂内陣の柱頭 12C前半)

  『幻想中世』より

 「悪女フリー」(1956)「地獄の入り口」「怪物人間」

  ピーテル・ブリューゲル 画

 

 面白くて、公開講座よっつでは、我慢できない。

 もっと読みたいよ~~。

          (吠える乱鳥)

 

 

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『「生と死」の東西文化論』  明治大学公開文化講座 風間書房

2008-07-01 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

 

記録だけ  

 

2008年度 73冊目  

 

 明治大学公開文化講座 XXV 

  『「生と死」の東西文化論』

 

 発行 明治大学人文科学研究所   

 風間書房

 平成18年3月20日 第1版発行

 253ページ 762円+税

 

 近隣図書館には無かったため、同都道府県内の図書館に借りていただき、明治大学公開文化講座 XXV 『「生と死」の東西文化論』 を読了。

 明治大学公開文化講座シリーズは『悪』等に続いて、三冊目。

 

 『イスラーム思想における生と死』 飯塚正人氏や、『ギリシャ古代の「墓の文化」』小山夕城氏は興味深い内容だった。

 又、『万葉集・挽歌から仏教儀礼へ』永藤靖氏記述の、持統天皇は天皇等の中で、最も速い火葬であったことや、二上山の話は面白かった。

 

 短いですが、今回はここまで似て、失礼いたします。

 

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明治大学公開文化講座 Ⅲ 『文化・空間』  風間書房

2008-06-26 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真はテヘランの南のバザール。2007年9月)

 

記録だけ  

 

2008年度 70冊目  

 

 明治大学公開文化講座 Ⅲ 『文化・空間』

 

 発行 明治大学人文科学研究所   

 風間書房

 昭和10年10月5日 第1版発行

 310ページ 700円+税

 

 図書館には無かったため、こどもに、明治大学公開文化講座 Ⅲ 『文化・空間』を頼む。

 明治大学公開文化講座シリーズは『悪』に続いて二冊目。

 今回も興味深い話が多き、一気に読了。

 この本は、文化・空間に関する 八人の公開講座をまとめ上げたもの。

 印象的な内容だけ、記録しておこう。

 

 

 三、三味線音楽の受容と学問

               大久間 喜一郎

 「六法」「六法者」「六法伊達男」

 「六法」の六は「ム」→「無法者」

 助六→京都『河東節(かとう)』「万屋助六」

               →江戸「花川戸助六」

 

 

 五、現代文明になかでの演劇の位置

                  鈴木 忠志

 ギリシャ劇①(伝統演劇)

  「ああ、神も照覧あれ」

  「頼りにならない神々とお恨み申してはみるものの不幸にあえば、やはり神々を呼ばずにはおれぬもの」

 能② 松をたてる(現在、能舞台の課上板に松を映す)

 歌舞伎③ 櫓

       ①②③ →クラッシックな演技

       ②③の地団駄→(宮田登のいう地鎮祭)

 リアリズム時代

       イプセン、チェーホフ

 

 

 六、負の空間のボディー・イメージ

    ー主として都市としてー

                 栗本 慎一郎

 川を境にした文化、境界

 正倉院 

  若狭につながる井戸→若狭井→お水取り

 東大寺

  若狭→ペルシャ

 

  神社 ==  大道芸    == 村

    (川)いかがわしい見せ物も含む(川)

         (神中・墓)

 

 

 七、文学における建築空間

                      原 広司

  この項目には学生の記した鉛筆の後が多かった。

  ・・・能の間をとる。そういうときに「冷える。」つまり「体温が下がる」という象徴性・・・という部分にもラインや囲みがある。

  この印を付けた学生も、本当はタブーとはいえ、かわいらしいくて、好感が持てるな。

 

 

 とにかく興味深く、読んで楽しい書物の一つ。

 再度読みた苦なり、手元に置きたくなる秀作。

 

 

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『宮田登 日本を語る 13  妖怪と伝説』  宮田登 著

2008-06-22 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真は奈良の三輪神社 『春の大神祭後祭能』で行われた 能楽『天鼓』です。当日は雨のため、室内でした。カメラOKでした。規制はありませんでしたが、ノーフラッシュで撮影しています。)

 

記録だけ  

 

2008年度 69冊目  

 

 『宮田登 日本を語る 13  妖怪と伝説』

 

  

 宮田登

 発行所 吉川弘文館

 2007年2月10日

 228ページ 2730円

 

 本日二冊目は、『宮田登 日本を語る 13  妖怪と伝説』を楽しむ。

 私の好きな宮田登氏だけあり、非常に興味深い。

 あまりの面白さに、一気に読了。

 箸や楊枝の話から竹に発展する記述は、以前読んだ他の研究者の箸の話に加え、かなりの発展を持ち、面白い。

 若干歌舞伎や神楽、謡曲にまで話はふくらみ、今回も楽しんで読むことができた。

 

 この『宮田登 日本を語る 』シリーズはおそらく全16巻と思われる。

 なかなか入手しにくいので、今回はこどもに頼んで、大学で借りてもらった。

「お母さん、宮田登シリーズは随分あったよ。4冊ずつくらい、借りてこようか?」

 親孝行である。

 

 

13妖怪と伝説
定価2730円(税込) 244頁 978-4-642-07145-1
世間や世相の不安感・終末観とともに今もなお語り継がれ、新たに生まれる妖怪。その妖怪に仮託された日本人の心性と、そこに垣間見られる社会の実相とはどのようなものか。また、狐火・雪女・河童・鯰男・人面魚・戦争と英雄などの伝説や民話が語る物語をモチーフに、背景に存在する信仰・禁忌や社会変動と、それに対応する人びとの葛藤を追求する。(解説=徳丸亜木)

〔主な目次〕Ⅰ=妖怪と怪異(江戸・東京の妖怪イメージ―民衆の生んだグロテスク―〈自然と妖怪/都市と妖怪〉/女と妖怪〈女の妖怪/異類婚姻譚と女性〉以下細目略/妖怪の諸相/妖怪ブーム/家の怪異/池袋の女/雪女伝説と日本人の心/モノノケと少女霊の夏/徒然草と民俗学)/Ⅱ=説話と伝説(民衆意識との関連から見た説話/日本の歴史と神話・伝説/伝説と民俗/再開発以前の集落/親鸞伝説の「杖」/長者の家筋/人間と自然の調和を伝える河童伝説)/Ⅲ=民話と民俗(近世民衆宗教の説話/民常における神秘と呪力―力と信仰―/民話ブーム/狐火/雷神の申し子―元興寺と道場法師―/猿の話/民話のなかの防災)/Ⅳ=世間と世相(民話と世間/現代社会の中の伝統文化/世相の変化/酒飲みの民俗)/解説=徳丸亜木

 

 http://www.yoshikawa-k.co.jp/miyata1.htm  ↑

 宮田登シリーズ 全16巻 案内HPより

 

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『日本の神話・伝承を読む』ー声から文字へ  佐々木隆 著 

2008-05-27 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真は奈良・松尾寺。今、ばら園が美しい。色とりどりのばらが庭一面に覆い尽くし、満開。よろしければ、楽しんでみて下さい。)

 

 記録だけ  2008年度 50冊目   

 

  『日本の神話・伝承を読む』ー声から文字へ

 

 

 佐々木隆 著         

 岩波新書 新赤本 1078     

 2007年6月20日 第1版発行

 237ページ 780円+税

 

  5月26日、二冊は『日本の神話・伝承を読む  ー声から文字へ』を読む。

 この本は面白かった。

 最近大阪の松竹座で観た『ヤマトタケル』にも話がかぶっていたので、余計に楽しい。

 舞台を観ているだけではわからなかった神々の特徴やパターンが示されていて、関連場面を思い浮かべながら読むと、よくわかる。

 

 神話の特徴や神の特徴、口頭伝承など、わかりやすく書かれた秀作。

 須佐之男命や三輪の神が美女を見初めた話なども面白い。

 

 芝居では八俣のおろちを倒した剣という内容になっていたが、草薙の剣は八俣のおろちのしっぽから出てきたとか。

 一体、八本のうちの、どのしっぽから出てきたというのだろう・・・。選ばれたしっぽと言うところか・・・。どなたかご存じの方は、お教えいただけないでしょうか。宜しくお願いいたします。

 

 芝居では草をなぎ倒したから、草薙の剣草という名前に変えた。

 本書では、初めから草薙の剣草と言う名前だったとも言う解釈の方も書かれていた。

 臭い蛇を切ったから臭蛇の剣が転じて草薙の剣草となったのも面白い説だ。

 

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『下流社会』 新たな階層集団の出現  三浦展 著 光文社新書

2008-05-15 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真は 中国の山西省でみた版画。)

 

 記録だけ  2008年度 45冊目   

 

   『下流社会』 新たな階層集団の出現

   

                   

 三浦 展 著

 光文社新書 221

 株 光文社

 2005年9月20日 第1版発行

 2006年1月25日 第12版発行

 284ページ 780円+税

 

 本日 二冊目は、『下流社会』 新たな階層集団の出現を読む。

 いちいち記述に納得したり、反論したり。図や数字をみながら楽しく読み進めた。

 結構興味のある内容で、面白かった。

 今まで気づくことのなかった日本の側面の一部を知ることができた。

 

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『岩手の民話』  ふるさとの民話 26 

2008-04-30 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

 記録だけ  2008年度 34冊目   

 

   ふるさとの民話 26 岩手県

   『岩手の民話』チャグチャグ馬っこ 他

 

                   

 日本児童文学学者協会 編

 偕成社 

 229ページ 950円

 1981年7月 第1版発行

 1982年6月 第3版発行

 

 本日読んだ二冊目も子供の本。楽しく遊び、童心に返る。

 偕成社のふるさとの民話は、今読みかけている ぎょうせいの『日本の民話 東北(二)』に比べ、標準語の近い。

 それだけにぎょうせいの方が興味がわく。

 ただ、偕成社の方も解説部分が深くて面白い。

 やっかいな『昔話』と『伝説』、『世間話』、『民話』との違いなどにも触れられており、その詳しさに驚いた。

 児童書とはいえ手を抜かない偕成社の姿勢に、満足。

 

 どこかしこで読んだような民話も多く載せられていたが、パターンは同じでも枝葉は変形。

 だから国内外を問わず、『昔話』や『伝説』や『民話』はやめられない。

 ・・・というか、なんだか懐かしい気分になれるところが幸せ・・・。

 

 お粗末でしたm..m

 

 

 

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『安達ヶ原の鬼婆』 鬼女岩手の伝説

2008-04-24 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は上海の南京路で見かけたかわいい男の子。)

 

 記録だけ  2008年度 30冊目   

 

  

   ふくしま子供文庫 5

     『安達ヶ原の鬼婆』 鬼女岩手の伝説

 

                   

 著者 渡辺弘子

 画家 半沢良夫

 歴史春秋出版 株 

 177ページ 1294円

 昭和46年1月25日 第1版発行

 

 昨日のこと。

 子どもが、木々高太郎全集の5、6巻目を借りてきてくれた。

 木々氏の本が読めぬ私の落胆を見るに見かねてのこと。

 親孝行である。

 

 今日昼から読み始めたが結構長いので、気分転換に小半時間かけて 子供用の『安達ヶ原の鬼婆』を読んだ。

 私 ここのところ なんだか東北関係の本が多いような・・・。

 

『安達ヶ原の鬼婆』は面白かった。

 今回この本を読む時には、猿之助劇団を当てはめていた。

 大道具やライトや効果音、衣装までが目に浮かんでくるから楽しい。

 いろいろ考えていると、妄想は尽きない。

 

 この話、あまりに楽しかったので、二分程度で家族に話す。

 家族苦笑。

 休みとあらば、あきらめるが良し。

 

 

『安達ヶ原・観世寺』 ↓岩屋の写真を載せておられます。

http://www.city.nihonmatsu.lg.jp/kanko/kanko/meisho5.html

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『山の人生』 定本 柳田國男集 第4巻より  筑摩書房

2008-04-23 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

(写真は三月に歩いた三輪山の麓。写真中央下左は、三輪山と書かれた小さな石の道標。)

 

 記録だけ 2008年 29冊目

 

   定本 柳田國男集 第4巻より

 

             『山の人生』 

 

 

 柳田國男 著

 筑摩書房

 昭和43年9月21日 第1版発行

 133ページ/508ページ  980円

 

 家族に拝借して、定本 柳田國男集 第4巻の『山の人生』を読む。

 柳田國男氏は『妖怪談義』『遠野物語』(同本)に加えて、三作目に当たる。

 

『山の人生』は面白くて印象的だった、

 やれ山男だの山姥だの、神隠やら山伏やら、カッパだの天狗だのと  家族を捕まえては言い続けていたから、家族の方もたまったものではない。

 終いには、

「レポートにまとめれば・・・。」

と言い放たれてしまった。

 今や私は 中途半端!!なうんちく言いたい症候群かも知れない。

 だはははは・・・。

 

 

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『遠野物語』   定本 柳田國男集 第4巻より

2008-04-18 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

 

 記録だけ 2008年 27冊目

 

   定本 柳田國男集 第4巻より

             『遠野物語』 

 

 

 柳田國男 著

 筑摩書房

 昭和43年9月21日 第1版発行

 数十ページ/508ページ  980円

 

 家族に拝借して、定本 柳田國男集 第4巻の『遠野物語』を読む。

 柳田國男氏は『妖怪談義』(同本)に加えて、やっと二作目。

 

『遠野物語』はとても美しい文章で、声に出して読むと なんだか懐かしさがこみ上げ、優しい気持ちになれる。

 南方熊楠氏とは或部分で真っ向から理論の上で対立していたらしい。

 南方熊楠氏の露骨表現といったものか気にかかる。

 ただしこの柳田國男氏、かなり品よくそれを描きあげていることは、『 二 』の「・・・・・・大昔に女神あり、三人の娘を・・・・・・姉たちは六角牛と石上をえたり。・・・・・・。」(P,11)でも分かるように、美しい文学的表現を交えながら 民間伝承の記録書を綴っている。

 穿って深読みしている馬鹿な親子は、ここで笑い転げてしまった。

 柳田國男氏って、ユーモアあるんじゃない?

 元は、岩手県遠野郷に伝わる説話・民間信仰・年中行事などについて、佐々木喜善の話を軸に書き進めたものだと辞書に載っていた。

 

 今回この『遠野物語』を足早に読んだので、時間があれば次は食い付いて読んでみたいと考えている。

 さぁ、行くぞ。民話の里へ・・・。

 

 

 

 

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『怪談実話集』 志村有弘 編集  河出文庫

2008-03-25 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は奈良の山辺の道を歩く途中に見た、温室の苗作り。何か心惹かれるわたし・・・。どうです?苗が緑バージョンの モンドリアンに見えませんか・・・ね?え、見えない?失礼いたしました。

 

記録だけ  2008年度 25冊目   

  

   『怪談実話集』

                   

 志村有弘 編集

 河出文庫

 230ページ 660円

 2007年7月10日 第1版発行

 

 

『怪談実話集』を読む。

 この本には 次のような実話が集められていた。

   お絹の話

   血の窓

   いじめ殺された女

   女物乞い

   吉太郎の怨み

   緋縮緬の呪い

   血潮の飯

   死んだ僧

   樹の祟り

   勘次郎火

   殺した猫

   牛の怨霊

   狐の復讐

   蛇を殺した報い

   足のある蛇

   四つ池の怪

   人を殺す池の狸

   火の車と鬼

   斑猫の怪

   お春の幽霊

   訪ねてきた幽霊

   俥に乗った幽霊

   タクシーに乗った幽霊

   破れ障子に映る幽霊

   牧野信一の亡霊

   幽霊の写真

   合唱コンクールの怪

   幽霊布団

   幽霊現像事件

   船幽霊

   ポケットの中の指

   白木の位牌

   火の玉が出ると人が死ぬ

   死者からもらった夏ミカン

   西瓜の怪

   乙女塚縁起

   死霊の棲む家

   清水澄子の霊

   死人の首を売る老婆

   娘

 

 恐がりの私だが、読んでいて怖いという感覚は、『タクシーに乗った幽霊』以外はなかった。

 あくまでも実話を忠実に記し、編集された志村有弘氏のまじめな性格が顕著の現れた一冊。

 京都など なじみの地名も何話かあり、また知らない土地の話もイメージをふくらませながら目を通すと、興味を持って楽しめた。

 機会があれば、志村有弘氏の他の書物も選びたい。

 

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『龍のすむ日本』 黒田 日出男著 岩波新書 新赤版 831

2008-03-08 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫
(写真は去年 奈良の信貴山で行われた火渡りの様子です。)

 

 

記録だけ  2008年度 21冊目   

 

  

   『龍のすむ日本』

 

  

                   

 著者 黒田 日出男

 岩波新書 新赤版 831

 232ページ 780円+税

 

 三月八日、二冊目は 『龍のすむ日本』。

 個人的な話だが、初めの三分の一は結構難しく、また、あまり関心もない内容だった。

 著者、黒田 日出男氏の書物は以前にも読んだことがある。

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/8c9c7e6a33f96452adb09233ba8a234e

 (『謎説き 洛中洛北図』 ↑ )

 

 龍と 水や山、日本の暮らしや信仰などのかかわりが詳しく書かれている。

 内容的に、歌舞伎の演目『成神』を思わせる記述あり。

 また、龍動説などにも興味を覚えた。

 火口から噴きあがる煙も龍としてたたえられていたということなども書かれていたので、何となく上の写真を選びました。

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『中国の妖怪』 中野美代子著 岩波新書 黄版 235

2008-02-17 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は中国の陳氏書院。この館にも 聖獣や幻獣の文様が多い。)

 

 

記録だけ  2008年度 12冊目   

 

  

  『中国の妖怪』

 

  

                  

 著者 中野美代子  

 株 岩波書店

 岩波新書 黄版 235

 1983年7月20日 第1版

 210ページ 430円

 

 中野美代子女史は、先日読んだ『龍とドラゴン-幻獣の図像学』の訳者。

 訳者の説明から今回の『中国の妖怪』を見つけ、あちこちの図書館を探しまくる。

 

『中国の妖怪』はタイトルで想像されるような内容とは、少し違うかもしれない。

 どちらかと言うと、先日から私が読んでいる『聖獣伝説-夢万年』や『龍とドラゴン-幻獣の図像学』、文様関係の本などが重複。

 どこかしこで読んだような内容が多く書かれている。

 しかし、中野美代子女史の特徴としては、それら妖怪(意識上や文様、生活)を、なにがしら 『西遊記』と結び付けられているところが魅力である。

 

 井波律子女史の書かれる内容も魅力的だったが、中野美代子女史も、なかなかどうして。かなり、面白い。

 

 印象的なところでは水墨画の話。

 龍の話になると、多くの本で、山脈と金山とをつなげ、重ねて 「龍」と関連付けられている。

 山水の水墨画にはよく仙人と家のようなものが描かれている。

 必ずと言ってよいほどに描かれた「家?」は「龍穴」だと本書に書かれていた。

 ほほう~。

 これからは水墨画の見かたも、今までとは少し変わるかもしれない。

 中国の水墨画を見る楽しみが増えたと喜んでいる。

 

  

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『江戸の笑い』 ( 国文学研究資料館共同研究報告 「日本文学の特質」 )

2008-02-06 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は大阪の今宮神社。写真を撮ったこの日は本戎だったが、看板と提灯がなんとも、日本らしい。)

 

 

記録だけ  2008年度 7冊目   

 

  『江戸の笑い』

  ( 国文学研究資料館共同研究報告

            「日本文学の特質」 )

  

                  

 編者 ハワード・S・ヒベット

     長谷川 強 

 株 明治書院

 平成元年3月24日 第1版

 338ページ 2884円

 

 先日から読んでいた 『江戸の笑い』(国文学研究資料館共同研究報告「日本文学の特質」)を本日読了。

 江戸の小粋な笑いを研究者の立場から紐解かれ、結構読み応えのある一冊。

 十人程の学者が発表した論文をまとめ上げた感が強い書物で、少々場違いな感じもしたが、芝居の関係で江戸に感心があるため、読み進めることにした。

 

 草紙などの紹介され、読みたくなるが、こればかりは手に入れることは不可能だろうと、あきらめる。

 今回初めて知った『竹斎』は狂歌的精神が流れ、読みたいと感じた。

 

 143ページからの「近世芸能の笑い」(鳥越文蔵書く)は、芝居に少し興味のある私には、大変興味深い。

 

 洒落本や滑稽本に続いて、最後には漱石などの「近代日本文学の笑い」でしめられていた。

 

 

 

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『格差社会 何がおこるか』  橘木俊詔 編  岩波新書 新赤版 

2007-12-06 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登、折口信夫

(写真は  散歩中に、家の近くで。

 

      夕暮れや 無実葉も散りぬ 冬木毎(ふゆきごと)  

                         ↑梅でごじゃりましゅる。  )

 

 

 

記録だけ  2007年度 110冊目   

 

  『格差社会 何がおこるか』

                  

 

 岩波新書 新赤版 1033

 橘木 俊詔 編 

 2006年9月20日 第1版

 212ページ 700円 +税

 

 12月5日。

 二冊目は『格差社会 何がおこるか』 にした。

 橘木 俊詔氏の本はこれで二冊目。

 前回も 岩波新書の『家計からみる日本経済』。↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/3cb4b79522c2320a198d33ec3d1f8ed4

 両方面白かった。

 

 今回読んだ『格差社会 何がおこるか』も、世を見据えた上で、自分の考えを明確にされており、好感が持てた。

 橘木俊詔氏の意見の一部でも取り入れられたなら、困っておられる多くの人々が、今より生活しやすくなるかもしれない。

 そう思わせる一冊だった・・・。

 

コメント (2)
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