ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

最悪の危険レベル、私の気分転換法

2020-06-02 10:25:10 | エッセー

 人間は生まれたときすでに持っている「基本的な性格」があるが、私は気分の

アップダウンが多く、人間大好き、おっちょこちょいの「そううつ型タイプ」だ。

 いつも明るく元気だが、突然何の脈絡もなく、ガタンと気持ちが落ち込むのが

特徴的だ。若い頃にはそれで随分悩んだが、心理学を勉強して「それは生まれつき

備わった性格で、変えようがなく仕方ないものだ」と知ってから、生きるのが随分

楽になった。その他自分のパーソナリティーを熟知したが、もしも心理学を勉強して

いなかったら、私はもう多分この世には存在していないはずだ。

 先日のことだがある事で小々気分がダウンしていた、そんな時あることを思い出し

心の中に冷たい風が吹いているような寂寥感に見舞われた。

さらにアルコールが入り、理性的な大脳の力が落ちている時で、「精神的に最も

危険レベル」になったのは夜の7時過ぎ。「これはヤバい、何とかしなければ」夫は

すでに眠っている。「そうだ電車に乗ろう」と、素早く身支度し家を飛び出した。

 我が家は梅が丘から1分の近さだ、新宿は15分、あまりに近すぎる、下りホームへ

行き、ホームに滑り込んできた電車に飛び乗った。それは千代田線の乗り入れ電車で

成城学園前行だったが、日曜の夜とは言え、コロナのためか、何と電車には私を入れて

たった3人しか乗っていなかった。

 電車の中で考えた、(成城学園前から急行に乗り、小田原まで行こうか、でもちょっと

遠い、町田まで行き、気分によっては降りてみよう)と思った。

 町田はまだ都内で、私は昔「よみうりカルチャーセンター」で「自律訓練法」と

ヨーガのクラスを約2年間指導していたので、多少土地勘はある。

「認知症の夫を、穏やかでやさしく、10年間も介護していられる」ように見える

らしいが、多分私の深い悲しみ、淋しさなど誰も理解できないと思う。

町田で新宿行の急行に乗り換えたが、そこには若い人が沢山乗っていて、そんな人々

をさりげなく観察するのも、実にとても楽しかった。途中各駅停車に乗り換えたが

経堂駅からまた3人だけだった。電車は大好きなので、しばらく乗っただけで、驚く

ほどさっきの最悪の気分は雲散霧消し、いつもの平常心になっていた。

そんな自分に少々呆れたが、僅か2時間足らずで、すっかり楽しい気分になり

「最悪の危険レベルの精神状態が」が解消できたが、これも私の大きな特技かも知れない。

 

コメント (1)
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