ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

「ハーベスト」

2013-02-01 22:52:39 | 芝居
12月24日世田谷パブリックシアターで、リチャード・ビーン作「ハーベスト」をみた(演出:森新太郎)。

養豚業に生涯こだわり続けた男の19歳から110歳までの激動の人生が、イギリスの農村を舞台に描かれる。戦争や政府の無策に
襲われながらも、ひたすら前向きに、日々の生活を謳歌しようとする人々のたくましさを、ユーモアと風刺の効いたセリフを交えつつ
現代までの約百年間にわたるドラマとして描き切った大作の由。

1914年、貧しい農家の長男ウィリアム(渡辺徹)は弟アルバート(平岳大)と、どちらが戦争に行くかでもめている。二人共
行きたいのだ。結局ウィリアムが行くことになるが、足をやられて戦後は車椅子生活となる。弟はモーディ(七瀬なつみ)と結婚する
が、跡取りの子供がなかなかできず苦しむ。彼は激しい性格が災いして早死にする。
やがて、捕虜となったドイツ兵ステファン(佐藤アツヒロ)がモーディの姪ローラ(小島聖)と恋仲になる。二人は5人の子供に恵ま
れるが、皆成人すると村を出て行ってしまう。
年老いたウィリアムとローラは養豚業を引き継いでくれる若者がいないので求人広告を出し、面接するが・・。

展開がユニークで、語り口がユーモラス。さすが2005年ロンドンで初演時、各賞を受賞し英国演劇界の話題をさらったというだけ
のことはある。
ただ翻訳物は聞き慣れない長い名前や地名が飛び交うのだから、いつもより少しゆっくり目にしゃべってほしい。確かに休憩を含めて
3時間は、それだけで十分長いけれど。

弟が兄に或る重大な「頼み」事をして外に出、弟の妻が戻って来ると、兄は彼女にやさしく語りかけ、彼女は「あの人まだその辺に
いるんじゃない?」と言いながらカーテンを閉めて彼に近づく!ええっ!?という展開だが、そこで暗転。次の場ではその後の消息
が語られない。あのあと2人の間には何があったのか・・知りたい・・。
が、とにかく跡継ぎとなる子供が生まれなかったことだけは確かなようだ。

リチャード・ビーンという劇作家のユニークな世界を楽しませてもらった。

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