博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『ゲーム・オブ・スローンズ第四章 戦乱の嵐(後編)』その1

2016年08月02日 | その他映像作品
ここんところあっちに手を出し、こっちに手を出し状態で申し訳ありません…… 『趙氏孤児案』が第一部完的な所まで進んだのと、huluでゲーム・オブ・スローンズが全シリーズ配信されているということで、そっちの方に一時転進することに。ということで『ゲーム・オブ・スローンズ第四章 戦乱の嵐(後編)』第1~5話まで見ました。第三章を見たのがかなり前なので、どこまで話が進んだのかすっかり忘れてしまっていますが…… 

キングズランディングでは、ジョフリー王とタイレル家のマージェリーとの婚礼を控えて華やかな雰囲気となりますが、利き手を失ったジェイミーは沈み顔。ティリオンから傭兵のブロンを紹介され、左手で剣を使うための秘密の特訓に励むことに。

そして結婚式を迎えることになりますが、マージェリーの薫陶で少しは言動が改まったかと思いきや、いちいちティリオンに侮辱を加えるといった具合で相変わらずのジョフリー。しかしティリオンが捧げた酒杯を飲み干した途端に窒息死し、ティリオンが王殺しとして収監されることに。実はこの一件、「リトル・フィンガー」こととピーター・ベイリッシュが裏で糸を引いていたようですが、当の本人は混乱の最中にサンサを連れ出し、キャットの妹(すなわちサンサの叔母)の待つアイリー城へと逃亡。ティリオンは牢内で裁判を待つ身となりますが、兄弟仲が良好なジェイミーの手配で、従卒のポドリックはなぜかブライエニーのお伴として、サンサ捜索の旅に出ることに。

キングズランディングではその後ジョフリーの弟トメンが新王として擁立されることになりますが、ラニスター・タイレル家双方の意向によりマージェリーが新王の王妃としてそのままスライドすることに。サーセイの横槍を恐れた彼女が夜な夜なトメンの寝室を訪れ、2人で秘密の約束(意味深)をかわします。マージェリーはレンリー、ジョフリーと2人続けて夫を亡くし、「自分は呪いの女では?」と思い悩む場面がなかなかかわいいです (^_^;)

一方「黒の城」では、ジオー・モーモント亡き後の総帥選挙とマンス・レイダーによる侵攻を控え、混乱と緊迫した状況が続きます。そんな中、ナイツ・ウォッチの反逆者が立て籠もるクラスターの砦にジョンたちが出兵することになりますが、たまたまそのあたりをうろついていたブランたちが反逆者に捕らわれることに。「こんな展開原作にあったかな?」と思う間もなく、ジョンとは見事にニアミスしてしまうことになるのですが……

今回はこんな感じですが、みんな大好きメリサンドルさんと、第三章で鮮烈な印象を残したラムジーの出番が少ないので、全体的な印象は薄いですね。後半に期待です。
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2016年7月に読んだ本

2016年08月02日 | 読書メーター
南冥の雫 満州国演義八 (新潮文庫)南冥の雫 満州国演義八 (新潮文庫)感想
舞台は満州国・中国大陸から東南アジアへと広がる。今巻の読みどころはインパール作戦と言えばおおよその展開が予想できるだろう。直接物語に登場しない東条英機や牟田口廉也のクズさが察せられる内容となっている。
読了日:7月3日 著者:船戸与一

風土記の世界 (岩波新書)風土記の世界 (岩波新書)感想
『風土記』は元来『日本書』の地理志となるはずの書だったのではないかという想定のもとで進められる『風土記』プラス『日本書紀』『古事記』論。『常陸国風土記』においてヤマトタケルが悲劇的な英雄としてではなく、妻のオトタチバナとともに地方を巡行する明朗な天皇として描かれていることから、ヤマトタケルが一時期大和政権の中でも天皇として位置づけられていたのではないかとしている点などが面白い。この人の議論は今まで「えっ、そう?」と疑問に思うものが多かったが、本書の議論はなかなか面白いものが多い。
読了日:7月3日 著者:三浦佑之

インド人の謎 (星海社新書)インド人の謎 (星海社新書)感想
日本も含めた外国人のオリエンタリズムによって「神秘の国」に仕立て上げられてしまったインド。「カースト制度」や宗教、貧困の問題といった硬めの話題から、観光地のタクシーの対処法、インド人とカレー、インド人はインド映画をどう思っているのか、インド人は数学が得意というのは本当かといった話題まで、硬軟取り混ぜてインド人の謎のヴェールをはがしていく。個人的には、日本も江戸時代まではカースト社会だったという視点が面白い。インドは、近現代の歴史の展開によっては日本もああいう感じになっていたのかもしれないという鏡なのだ。
読了日:7月5日 著者:拓徹

「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書)「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書)感想
もともと中国政府の「中の人」的なポジションながら、(比較的穏健な)民主化運動に関わってしまったことから、毛沢東の「長征」のごとく国内外を縦横に逃亡することになった男の手記。彼を助けるのは地下教会のメンバー、回族の有志のおっさん、中国とミャンマーとの国境付近に割拠する軍閥、訳あり旅客専門のツアコンと多種多様。着実に政治の「中国化」「北朝鮮化」が進む日本で、果たしてこのような「セーフティネット」が形成できるのだろうかと感じた。
読了日:7月7日 著者:顔伯鈞

漢字廃止の思想史漢字廃止の思想史感想
この手のテーマの本としては珍しく、漢字を制限・廃止すべき、あるいは漢字文化を守るべきといういずれの意見にも賛同することなく、淡々とした語り口。漢字の制限と言えば戦後の当用漢字・常用漢字を思い浮かべるが、本書の中心は戦前・戦中。漢字の制限・廃止論が、日本の伝統だの能率だの「ユダヤの陰謀」だの民主主義だのといった思想に振り回されてきた経緯を丁寧に追っていき、それを踏まえて、そんなよくわからないものに振り回されずに、もっと気軽に文字を使ったり使わなかったりできないかという著者の問い掛けは存外に重いように思う。
読了日:7月10日 著者:安田敏朗

南朝研究の最前線 (歴史新書y)南朝研究の最前線 (歴史新書y)感想
後醍醐天皇や楠木正成の実像、後南朝による再興運動というトピックから、建武の新政の評価、戦前の南北朝史研究といった研究史に属する事柄まで、わかりやすい語り口で現在の研究成果を提示した好著。「南朝」だけでこれだけの本を出せるという事実に、他分野の研究者として希望を感じる。
読了日:7月12日 著者:

詩のトポス 人と場所をむすぶ漢詩の力詩のトポス 人と場所をむすぶ漢詩の力感想
詩の舞台となった都市や景勝地に注目。その四「洞庭」で、洞庭湖が時代によって大きさが異なるという話と、洞庭を舞台にした詩を絡めているのと、その八「嶺南」で、流謫地としての嶺南が流謫をうたった詩の表現の共有をうながしたという話を特に面白く読んだ。
読了日:7月16日 著者:齋藤希史

天文学者たちの江戸時代: 暦・宇宙観の大転換 (ちくま新書)天文学者たちの江戸時代: 暦・宇宙観の大転換 (ちくま新書)感想
『天地明察』で有名となった渋川春海以後の幕府に仕えた天文学者たちの活動や研究の成果をたどる。春海以後渋川家が天文に関わる家として世襲化されたこと、改暦事業には春海以後も常に京の土御門家との関係が鍵となったこと、天保の改革に深くコミットした渋川敬直(渋川家に養子に入った髙橋景保の甥)の運命などを面白く読んだ。
読了日:7月17日 著者:嘉数次人

昭和史講義2: 専門研究者が見る戦争への道 (ちくま新書)昭和史講義2: 専門研究者が見る戦争への道 (ちくま新書)感想
前著を面白く読んだうえに参考になる事項が多かったので買ってみたが、前著よりかなり専門的になっている印象。第7講の、国体明徴制度の影響が限定的とする見解が意外だった。第16講のテーマとなっている大東亜会議については、開催によって何を得るかではなく、今でもありがちだが、開催自体が目的化した面が強いのではないかと感じた。
読了日:7月19日 著者:

天皇 天皇の生成および不親政の伝統 (講談社学術文庫)天皇 天皇の生成および不親政の伝統 (講談社学術文庫)感想
「天皇不執政」は邪馬台国以来の日本の「伝統」であり、真の日本の「国体」であることを論じる。これに「押し付け憲法」論をミックスすれば、日本人よりも外国人の方が日本古来の「伝統」をよくわきまえているということになるが…
読了日:7月24日 著者:石井良助

孫文――近代化の岐路 (岩波新書)孫文――近代化の岐路 (岩波新書)感想
革命のトリックスターとして、また民主と独裁の二つの相い矛盾するものを求める「ヤヌス」のような革命家としての孫文を描く。辛亥革命以後の中国近代史を「放」(国内の諸勢力が分裂を求める動き)と「収」(中央政府が統一をはかる動き)のせめぎ合いと見る視点が面白い。この二つのせめぎ合いは現代中国でも続いているのではないか。中華人民共和国は経済は「社会主義市場経済」、政治体制は「中央集権連邦国家体制」により成り立っていると説明した方がよいのかもしれない。
読了日:7月26日 著者:深町英夫
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