ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

「インフラエンジニア」は最強の職種である-データサイエンティストではなく

2013-05-13 15:34:11 | AI・BigData
このまえ、ちょっと面白い話を聞いた。それを(意味を変えないで)口調を変えて、書いてみる。
実は、セミナー形式で聞いたのだが、会話風にし、講師を「師匠」とよぶ。
そのほうがおもしろいし、わかりやすいので。




■ビッグデータはどこまで伸びるか - マーケティングに使える費用がMAX

私:師匠、ビッグデータ、好調ですね!この市場、あと10年したら、
  10倍とか、いやもっと、ビッグな市場になるんでしょうか?

師匠:お前の頭は、おめでたいな(^^;)
  いいかい、まず、ビッグデータを言い出したのはだれか、考えてみな。
  そうだ・・・IBMだ。
  IBMっていうと、どういう会社だ?

私:コンピューターの会社

師匠:そうだ。じゃ、コンピューターの会社は、今後伸びると思うか

私:えーっと、あ、消費税増税に伴う仕事とか増えて、伸びます(^^)v!!!

師匠:ほお・・・ユーザー企業がつぶれるぐらい、消費税増税で伸びるか(^^;)?

私:あれあれあれ??会社がつぶれたら、のびません・・・

師匠:そういうことなんだよ、情報投資には、上限がある。
  なぜなら、パイを広げるわけではないので。
  世界各国で、新規情報投資に限界が見えてきて、既存の資産を保守する費用が増えている
  とすると、情報部門のお金を当てにしていては、ジリ貧になる。

  そのうち、コンピューター会社はつぶれるだろう。情報システム部を相手にしていたら。

  そこで、かんがえた。「マーケティング部をあいてにすればいいじゃん」

  
  「ビッグデータ」で何ができるのか ―ここにあるマーケティングの未来
  http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120704/234106/


  に「マーケティング部門vs.情報システム部門?」とあるじゃろ。

  そこに、連携しない理由とか、うじゃうじゃ書いてあるが、理由はどうでもよい。
  連携していない。
  アンケート調査、インタビューなどのマーケティング調査は、手作業でやっている。
  これを電子化すれば、マーケティング部から、金を巻き上げられる。
  そこで、マーケティング部にアプローチした

  商材は、CRM,BI・・ときたが、泣かずとバズ・・・

  ところが、ここでビッグデータときて、売れたわけだにゃ。

  そろそろ、お前のおめでたい頭でも、市場規模が見えてきたか

私:はい、わかりました。マーケティングに使える費用がMAX

師匠:そう、今の情報システム部門の3倍などという都市伝説?もあるようだな・・




■ビッグデータでは、業界のパイは伸びない。それがビッグデータの成長の限界

私:師匠、ところで、ビッグデータの話が出てから、データを売るという話
  も出てきました。あの市場も、「マーケティングに使える費用がMAX」と
  みていいでしょうか?

師匠:いや、もっと小さいと見ている。
  仮に、データが20億して、そのデータを使って10億しか儲からないとしたら、
  そのデータを買うだろうか?

私:経済的な法則では買いません

師匠:「経済的な法則」とは?

私:合理的なという意味です。たしかに、10億しかもうからないとわかっていたら、
  その人は買わないでしょう。でも、今のビッグデータ人気は、何億儲かるかわからない
  状態です。40億儲かると思ったら、買うと思います。

師匠:なるほど、おもしろい。じゃあ、40億と思って買った会社が、10億しか
   もうからない。それを繰り返したとしたら、その会社はどうなると思う

私:倒産します。

師匠:そこだよ、まさにそこなんだよ、ビッグデータの盲点は!

  ビールとオムツの組み合わせという情報を得て、オムツがA店でばか売れしたとする。
  いままでオムツを扱っていたB店、C店の売り上げは下がるだろう。
  そう見ると、業界的にはどうだろう。業界的にはA+B+Cの合計だ。

  これは、ビッグデータ解析にかかわらず、A,B,C店の商圏全体にいる赤ちゃんの数に限定される

  つまりね、今のビッグデータ解析は、個店にとって有利なものを解析しているだけなんだよ。
  新しい市場を生み出したり、新しい顧客を創造しているものではない。

  なので、市場全体で見れば、ゼロサムだ。

  ビッグデータでは、業界のパイは伸びない。
  それがビッグデータの成長の限界だ。

  ということは、現在市場の売上高にたいし、マーケティング費用として使えるだけ
  ビッグデータの投資が行われる(=現状の予算と同じ。対象物が変わっただけ)

  このうち、
    自社で集めることが困難(自社で集めるより高い費用がかかる)、
    そのデータがあることで、解析上、かなり有利になることが明確で、
    ビッグデータを買う以外の手法では、入手不可能(アンケートなどではX)
    法に触れない(=個人情報はX)
  場合、データが買われる。

  つまり、まとめると、

    自社のビッグデータ投資(ハード、ソフト、人材)
     + 購入データ  <  マーケティング予算

  ということになる。だから、市場全体で見ると、「マーケティングに使える費用」
  より、小さいはずだ。そんなに投資できないとみている。

  SIerさんの口車にのり、多くはハード、ソフト、人材への投資に向かうと思うので




■じゃあ、ビッグデータで儲かる職業は?

私:ということは、ビッグデータでぼろ儲けする人は、いないんですか?
 みんな、働きに見合った報酬を得るということでしょうか?

師匠:いや、そうじゃない。ぼろもうけする会社が1社ある。

  それが、シスコシステムズだ。

  ビッグデータを本当に実現するとなると、インターネット上に莫大なデータ
  が流れる。M2Mとかやったら、最悪!IoTとかいったら、回線は(ToT)だ。

  そうなると、どうなるか。

  ビッグデータに関係ない、会社に重要なデータまで、おかしくなってくる。
  回線の帯域がたりないので。

  帯域を広くするためには、データセンターとかは、それなりの設備にする必要がある。
  この設備費用は、料金に転嫁される。

  ユーザーは、重要な情報もインターネットを使って流しているので、とめるわけには行かない
  ここがビッグデータとちがうところ。
  とめるわけには行かないから、社員のクビを切ってでも、通信代を払って、帯域を確保する。

  つまり、通信には、ビッグデータのおかげで、「新たなお金」が落ちる。
  これは、最終的には、ルーターを売っているシスコシステムズに行くお金となる。

私:ということは、今データサイエンティストが、もっともセクシーな職業とか言われていますが、
  本当は、インフラエンジニアがモテるということですか?

師匠:そのとおり。やっとわかってきたな。
 データサイエンティストは、マーケティング屋さんの手下となって、奴隷のように這いずり回るしかない商売だ。

 それに対して、インフラエンジニアは、彼らがミスったら、会社の運命を握る大事なデータがなくなってしまうという責任感もあるけど、人から尊敬される職業だ。

     「インフラエンジニア」は最強の職種である

 といえる。

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2種類のビッグデータ

2013-05-13 12:08:54 | AI・BigData
ビッグデータを利用した解析の考え方に2種類ある。

1つは、背後にあるロジックなどは、どうでもよいという考え方

  おむつとビールが売れたら、そういうもんなんだよ。
  この地域のコンビニでは、カールが売れるんなら、そういうもんなんだよ。
  このコンビニの商圏が、200mで、他の商圏よりせまかったんなら、そういうもんなんだよ

  理論は考えず、特徴のある法則性を抽出していく
  もちろん、この特徴に意味があれば、会社は設けることができるので、
  意味はある(論文は、かけないかもしれないが)

もうひとつは、背後にあるロジックを考えること

  風が吹くと・・・(ロジック省略)・・・桶やが儲かる
  低所得者層は→生活に余裕なし→安いものを買う→100円ローソンに行くことが多い

のようなかんじ。

 理論があたっていれば、論文にもなるし、企業も儲かる
 でも、理論整然と間違える可能性もある




だいじなことは、どっちでもいいんだけど、統計手法は異なるということ

前者のロジックを考えない場合、データマイニング手法(相関中心)になる

後者のほうだと、
  共分散構造分析(潜在因子と線形)
    →ベイズ、SVM(カーネルトリックを使った)(非線形)

になってくる
現在人気のデータマイニング手法は、前者のほうかな。
学会のマーケティングは、後者だよね

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アジャイルを支える品質概念になるかもしれない「しなやか品質」

2013-05-13 08:07:47 | Twitter
久々にTwitterのまとめ。
昨日から、西先生が、「しなやか品質」(柔品質)というのについてつぶやいている。
たぶん、この概念は、アジャイルで求められる品質を考える上で重要なキーワードになりそうな気がするので、一連のついーとをまとめてみる
(ただし、途中、抜いている。青字がついーと内容、黒字がURL)


1)ユーザが求めている品質に合っているかどうかと、
2)その品質を的確に作り込み保証できている能力を備えているか、そして
3)その両者を混同する組織は前者を言い訳にして後者をないがしろにする、
というのは別々に議論しないといけません。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333370740277669888

日本の品質管理関係者は、3)のスタンスを取ることで、2)を備え1)を備えない組織を作ってきてしまいました。いつまでもそのスタンスでは、世界に勝てません。
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333371132239568896

なぜなら、世界には様々なユーザがいて、様々な品質が求められるからです。大事なことは、1)と2)を両立する考え方をまとめ、両立するプラクティスを確立し実践することです。そして1)が2)を駆逐するのを防ぐことです。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333371946957950976

だから、重品質に対するアンチテーゼとしての軽品質という対立議論をすべきではありません。あくまで両方とも重要で、組織がその重さや軽さに応じて的確に見合ったコストで品質を作り込む能力を備えるにはどうするか、という議論をすべきです。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333372759184900096

言ってみれば、柔品質。ユーザに求められる品質が柔軟に変化する状況に合わせて見合ったコストで的確に品質を作り込むこと、とかね。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333373301109964800

もちろん自分の組織が重品質(おもひんしつ)パラダイムにまみれている時に、柔品質(やわひんしつ)パラダイムに近づけるためにあえて軽品質パラダイムを提示するという戦術はありでしょう。組織が軽品質パラダイムにまみれている時にそこそこ品質論を提示するのも戦術としては同様にありです。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333373826303926272


柔品質だと読みがカブるから、「しなやか品質」の方が直感的かもしれないな。やわらか戦車みたいで癒やされるかもしれないし。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333601424292323328

1)ユーザの要求品質が絶対的に低いこと
2)結果の品質がユーザの要求より相対的に高いこと
3)結果の品質がどうなるかよく分からないからムダに取り組みを重くすること
4)軽い取り組みで十分なこと
5)結果の品質がどうなるかよく分からずに適当に手を抜いて取り組むこと

「軽品質」という言葉に救いを感じる人は、1)を知っていて2)を憂い、3)の被害を受けて4)を目指し、ところが5)になっちゃってる人じゃないかな。その結果、1)なのに結果の品質がユーザの要求よりさらに低くなっちゃってデスマる、みたいな。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333603910893846529
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333603936332283904
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333603958604046337
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333604001713102848
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333604026069422080
https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333604507097374720


だから大事なのは、すごく当たり前なんだけど、何のためにどんな取り組みをして、どういうメカニズムでどんな品質がどう上がるのか、というのをきちんと把握して品質向上/品質保証活動をすることだ

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333605007528177664

それに「軽品質マンセー」的な人だって、「でもクリティカルなところはバグ無しじゃないと困る」とか言うからね。品質が高いか低いか、取り組みが重いか軽いか、に気を取られると、本質が見えなくなると思う。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333606136907444226

この指摘は鋭い。 QT @Tachi_4423: 例えば車内灯(の制御)なんて,バグっても人は死なない.ユーザも普段はそう思ってる.でも一旦不具合が発生すると,何百万もする装置でこの品質ってどういうことよって思う.問題発生によってユーザの要求品質が変動する.

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333611035359596547

うん、わかる。でもスライムは弱っちそう。何かいい名前ないかな。 (^_^) QT @s_banban: …もうちょっと形状を変えて上手くフィットするみたいなイメージがあります…スライム品質・・・うーんなんか嬉しくないぞorz って思いました。

https://twitter.com/YasuharuNishi/status/333606344898777089


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