ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

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田口玄一先生と科学的管理法 タグチ・メソッドの源流をさかのぼる

2013-05-14 18:25:58 | Weblog
昨日、「田口玄一博士一周忌追悼シンポジウム」に行って来た話の続き。

田口玄一先生と科学的管理法 タグチ・メソッドの源流をさかのぼる

を聞いてきたので、メモメモ




数理統計学の導入→田口先生の位置づけ

田口先生の足跡をたどる
  →成立に影響があった要因の検討と考察

田口先生:ほぼ独力で作った、難解

タグチ・メソッドをマネジメント、科学哲学の観点から考察

田口博士の経歴からわかること
・旧制大学や旧制高等学校といった高等教育を経ていない
  桐生高等工業学校染色別科→実務家養成の速成コース

・著名な学者や研究者との距離が近い
  北川敏男、増山元三郎(統計数理研究所)
  茅野、西堀
  マハラノビス
  Wilks
・在籍した機関の特殊性
  桐生高工:特色ある工業教育
  電気通信研究所:CCS経営管理講座
  Princeton University:John W tukey & Exploratory Data Analysis
    →探索的データ解析

・桐生高工における工業教育
  染色別科 昭和6年設置 1年制(本科は3年制)
  染色や紡績に関する技術科目が中心
  数学は科目になし(物理週1時間、工業設備及び管理法の授業はある)
  週39時間(本科も39時間)

  工場設備及び管理法
  一般に高等工業学校では、
    工業簿記(原価計算)
    工場管理
  のどちらかを設置(桐生高工本科は、両科目を設置)
  いまでいう学習指導要領は、実業専門学校にはなかった
   →教える内容違う
  昭和10年代では、工場管理で科学的管理法を扱うところが増加

・注目すべき教員
  ・西田博太郎(にしだひろたろう)
    校長
    経営や管理に関する知識・能力をもった技術者養成を志向
    経営学会の設立当時からのメンバー

  ・北村友圭
    東北帝国大学理学部数学科卒業。林鶴一門下
    数理統計学の本を出す
      高等工業で教えていた先生で、
      統計数理の本を
      この時代に書いていたのは、北村先生くらい

・CCS経営管理講座と品質管理
  GHQ:戦後の通信網の整備のため
  各社とも品質管理の機能がまるで不備
   →経営管理講座:トップマネジメント
  テキスト
   Sarasohn Protzmanが執筆
    →後に「CCS経営講座」ダイヤモンド社1952年に翻訳出版

  傍聴者に役人、大学の先生
  電通研からは、茅野先生がでていた

  英語のオリジナル
   国立国会図書館
   ハーバードにコピー:日本の参加者の?

  CCS経営講座の目次
   組織
   統制:コントロール(マネジメント)
  のウェイトがおおきい
   組織をどう作る、品質管理

・統計的品質管理
 具体的事項

・品質に関する定義
   範囲が定められていないとX
     設計上の品質
     実際上の品質

   原価とのバランス
     技術者と経営者の問題

・品質の原価のバランス
  完全さにちかづけると原価が上がる
  差がマキシマム

・CCS経営講座における品質原価の特徴
・Schewhartで定義した「品質」を一歩進めたもの
  Schewhartも設計上と実際上に
    ただし、管理の対象を後者のみに限定
・経済的側面も重視
  価値と原価の差が最大となる水準に品質を設定するのが最適
・原価は実際原価から標準原価へ

タグチ・メソッドにおける損失関数の萌芽
  ただし原価に機会概念は入っていない
  品質原価計算の発展とともに一般化

探索的データ会席とアブダクション
  タグチ・メソッドの特徴
    問題解決を目的とした手法
    必ずしも根本原因の追究、ないし真理探究を目的としない
    数理統計学の主流がよってたつ仮説検証に立たない

Tukeyの探索的データ解析
   態度であって、手法のカタログではない

EDAの哲学的背景
  探索的データ会席によって発見されるモデル
   →アメリカ哲学のプラグマティズムに近い
    パース
     真理は極限概念
     いったん受け入れられても、誤謬あり

パース:アブダクションという推論方法
  演繹は論証の論理学、
  アブダクションは探求の論理学

  アブダクションは仮説
ディダクション must be
インダクション actually is
アブダクション may be

タグチ・メソッドのポイント
  誤差因子と相互作用を持ち、ばらつきを小さくする制御因子を探求
  直行表

アメリカで評価された背景
 仮説
  プラグマティズムとしての解釈が可能
   絶え間ないプロセスとして、タグチ・メソッドによる分析を行っていく必要性

 疑問
   真理に到達できる信念があるか
   科学と技術の違いを強調
   プラグマティズムより、道具主義?

まとめ
 登場の背景
  近代工業生産における分業の利益
   標準化+工程の細分化
   ばらつきの存在の認識と工程ごとの管理
  複雑化と品質制度の工場により「利益」を喪失
   こう定数の増加
   工程外(外部性)の影響、非線形成
     管理目標やスペック以外の要因による影響が無視できない

上記の問題に大使
  トップマネジメント
  プラグマティズムの思想
 →問題解決した手法の一つがタグチ・メソッド

・なぜ、日本で?
  品質管理をマネジメントでなく、技術者の問題と考えていた?

・社会的損失の最小化との関係は
  道具主義に近い?
  予測可能性を重視
・理想機能を目指す・・理想機能と真理の親近性は?
  ないわけではないが、
  

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田口玄一博士→品質管理(直交表とロバスト設計)

2013-05-14 15:47:42 | Weblog
「田口玄一博士一周忌追悼シンポジウム」に行って来たという話を書く前に、
田口玄一博士って何した人かというのを、書いておいたほうがいいよね。たぶん。

直交表とか、ロバスト設計のほうの話なんだけど・・・

昨日聞いてきた「田口玄一博士一周忌追悼シンポジウム」の
「実験計画法・タグチメソッドの活用」(立林氏)の資料から
まとめてみる(この話を途中から聞いた)




田口玄一博士の功績
・実験計画に関する功績(~60年代)
  直交表
    多水準作成法、アソビ列法・・・
  線点図
  累積法、精密累積法、0・1データの解析  

・タグチメソッドに関する功績(70年代~2000年代)
  ロバスト設計(パラメータ設計)
    ばらつき→SN比
  MTシステム
    MT法
    RT法
    両側T法など

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Dr Genichi Taguchi タグチ・メソッドの変遷

2013-05-14 12:10:31 | Weblog
昨日、田口玄一博士一周忌追悼シンポジウム」に行って来た。

筑波大学の東京キャンパス(茗荷谷にある。放送大学文京学習センターと同じところ)の134教室でやったんだけど、満席。

をおおおお・・・・

134教室を満席にしたイベントって、史上初じゃない?
(よくわかんないけど)

で、まずは

Dr Genichi Taguchi タグチ・メソッドの変遷
エポックメーキング事例を通して
田口 伸

を、めもめも




タグチ・メソッドの歴史
大雑把に
  実験計画
  パラメータ設計
  オンラインQE
  ・・・

全部紹介できないので

1924年1月1日 新潟県十日町で生まれる
  →着物の町、祖母小海トミが品質のいいカイコの作り方のこんさる
   桐生高等工業
  →海軍:最小二乗法に出会う
  →厚生技官、統計数理研究所
  →増山元三郎先生(第一回デミング賞)に見出される

 森永製菓、キャラメル硬度の最適化
  制御因子とノイズ因子(誤差因子)の交互作用を利用する
   →ロバストネス

1950年代電気通信研究所ECL
  クロスバー交換機システムの開発
  ワイヤーストリングイリレー
  →ロバストネス

一番大切なのはSN比に対する交互作用

1953INAX
  小規模実験
  ばらつきを減らせば、スピードアップできる
  機能をはかる

1954年インド
  マハラノビス 田口氏 ネール氏の写真
  通研 茅野氏、西堀氏
 
1959年 鉄道車両のボディの溶接
  要求をデータとしたL16の実験計画
  トレードオフ 全体最適化 推定と確認
 →現在は奨励されていない:なぜ

ロバスト・アセスメント 機能性評価
 アセスメントとバリデーションを認識することが一番大事
  まずはロバストアセスメント、最後にバリデーション
  機能を測って、ロバストネスを最適化しろ

1960年 デミング賞

01INPUT 01OUTPUTのSN比
  (○X試験)
  識別能力

1960年代から計量研究所
  計測機能の理想機能
  2段階最適化

多数の企業訪問、さまざまなミッション

1970年代、インド
 ISI 

1978 いすゞのトラックの操縦性
  機械系における最初の理想機能によるSN比


1979 トヨタ車体-バンボディ
  機能の最適化でコスト・重量の低減
  制御因子を戦略的に使う
  制御因子と水準→機能(衝突性能)の理想機能のSN比
   →性能・コスト・重量のすべての改善にチャレンジ

コストと品質、どちらが大事

1980ベル研究所における256Kチップのフォトリソグラフィー
 2段階最適化
 穴径(望目特性)L18(2水準3個、3水準6個)
   ばらつきを減らす
   ターゲット調整

  33%→87% 2年後にでる

例えば80年代のタグチ・メソッドの事例は
  空気穴の低減みんなハッピー
  →でも1人だけ、ハッピーじゃない
   Dr田口、火消しはタグチ・メソッドの目的ではない
  :火消し的問題解決→未然防止

1980年代 ゼロックスの紙送り機能
  機能窓特性:
  1時間でできるロバストネスのアセスメント
  2段階最適化

80年代 フォード/ASIのミッション
  Japan As No1の時期

1988 ASIシンポジウム
  機能を測って、ロバストネス最適化

ノイズが大問題
  4種類しかない
  1.無視する
  2.ノイズそのものを制御する
  3.ノイズの影響を補正する
  4.ノイズの影響を最小化する
   →ロバスト名設計概念の創出
    ロバストネスの最適化→パラメータ設計

1988 ITT金メッキ
  2段階最適化の証明

顧客・世の中の声
|  ↓
| 戦略的なターゲット
|  ↓
| 企画  -商品開発 バリデーション  立ち上げ
|         ↑
|       ロバスト&スケーラブル
↓         ↑      
先行技術開発におけるDFSS/REのテーマ

燃料ポンプのP-ダイアグラム

1933 燃料ポンプ(フォード)

  SN比 ベータが高いとなる

設計→機能
 内側と外側をはっきり分ける

1933 3Mの酸素センサー

M=酸素濃度の真値→
          Oxygen Sersor →酸素濃度の測定値
M'=血液濃度  →

M'をノイズ
M'は信号因子:補正ができる上に、温度の影響の物理がわかっている
M'は標示因子;補正はできるが物理?

  β   最大化
  β*M' 無視
  ノイズ 最小化

1988 ITT EWレシーバー
 ソフトのアルゴリズムの最適化

1998 UTA 多機能クラッチの最適化
  L18けっそくちいっぱい→SN比を取る

 エンジニアはよくしようとしかしないから、よくならない
  要求をあわせようとする

タグチ・メソッドとメディア
  米国:直行表のことだと思っている

2006アルプス電気の角度センサーシステム
 大きなスコープ
 シミュレーションエンジンによる
 L108 X L108を11回まわしている
 設計スペースを網羅する(10の24乗)

2008年
 フルCAEは30時間かかる:バリデーション(絶対値)
 スプリマスモデル→比較:傾向

オムレツ最適化の発表L18

現代自動車は、まだやっている 6シグマ

失敗するなら早くしろ
  カップリングする設計は悪い設計だけど・・
  交互作用

コストと品質:当然コストが大事
  コストは、人
  品質は、コストを下げる一番いい戦略

エネルギーの考え重要
  でも標準SN比でうまくいくことも

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