令和3年10月6日(水)
溝蕎麦 : 牛の額
タデ科の一年草、山野・路傍の水辺に多い。
茎の高さ30~80cm、葉は矛(ほこ)形で互生する。
初秋、茎上に分岐して10数個の直径4~7mmの小花が
群れ広がる。根元が白く先の方が薄紅色、淡紅色、淡緑色
の花は可憐だが余り目立たぬ花である。蕎麦の花に似る。
茎や枝に棘が生えていてざらざらしている。
別名、「牛の額」と言われるが葉の形が牛の額に似ている
と言われ、この名が在る。
歳時記を開き「溝蕎麦」別名「牛の額」と奇妙な名が在り、
ヒョットして「絶滅季語」では、、、、
早速、俳人夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」を
繙いて見た。 在った! 秋の季語に「牛の額」、、、、
「牛の額」、溝蕎麦の異名 初秋、植物
『溝蕎麦とは、その名の通り溝や湿地・水辺等に生えている
タデ科の植物。 蕎麦の花に似ているところから命名された。
地味だけど結構可愛い花なのだが、なぜに牛の額呼ばわり
されねばならないのだろう。「大歳時記」の解説によると
牛の額に似た葉を持つところから、そう呼ばれているらし
いが、どんな葉を持っていたか鮮明に思いだせない。
まあ、この花自身が目立たない花として生まれ附いている
のだから、よく覚えて貰えないことは運命として受入れね
ばなるまいが、それにしてもこのネーミングを許していい
のか。
選りによってこんな情けない名前を付けられた溝蕎麦は、
なぜ自ら抗議しないのか。声をあげないのか、チャンと
自己主張をしないから、変な俳人に変な句を作られてし
まうんだぞ。』
(俳人夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より引用した)
今日の1句(俳人の名句)
猫の額ほどの畑の牛の額 夏井 いつき