令和3年10月19日(火)
秋 鯖
サバ科サバ属の海魚で北方系(サハリン以南に分布)の真鯖と
南方系(本州中部以南に分布)の胡麻鯖の二種類が在るが、
真鯖の方が味は優れると言われる。
産卵期は、関東付近では初夏、その後に十分に栄養を採って、
9,10月頃になると脂がのり、肥えて味がよくなるという。
鯖は夏の魚だが、今の時期の秋サバは特別に味わわれる。
焼き鯖
しめ鯖
煮つけ
焼き鯖寿司
今日の夕食は、早速「秋鯖」を、、、、
国文学者で俳人の川崎展宏さんの著書「四季の詞」の中に、
「秋鯖」の季語随想が興味深かったので紹介します。
秋 鯖
『魚の生きのよしあしを見分けるのに、素人は眼、玄人は
鰓(えら)を見るといいますが、まず眼で分かります。
生きのいい鯖の眼は深々と澄んでちょっと怖いほどです。
鯖といえば夏の季語ですが、夏、うまい鯖は同じ鯖でも腹
部に黒い小さな斑点のある「ゴマ鯖」です。
秋、脂がのるのが「マ鯖」で棲息する水温も10度以下、
「秋鯖は嫁に食わすな」などといったそうで、それほど旨
いんです。
秋サバの獲れる季節、高い空に現れる雲を鯖雲といいます
が、鰯雲と同じで点々と、また鯖の背の斑文のようにひろ
がるのです。
鯖 雲
鰯 雲
鯖も鰯も、日本列島を回遊する栄養たっぷりの大衆魚で、
しかも西欧型の肉食の毒を洗い落してくれる要素を供えて
いるのです。
今日の1句(俳人の名句)
秋鯖」の全身青く売られけり 嶋田 麻紀
銀白の腹を持つ鯖の特色は、何といっても背の色と模様で
す。秋鯖といえば背の青色はさらに人の心を捉えます。
「全身青く売られけり」は、まさに秋鯖です。(展宏)
(川崎展宏著 : 四季の詞、秋鯖より引用しました。)