遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

秋 鯖

2021-10-19 16:06:49 | 日記

令和3年10月19日(火)

秋 鯖

サバ科サバ属の海魚で北方系(サハリン以南に分布)の真鯖と

南方系(本州中部以南に分布)の胡麻鯖の二種類が在るが、

真鯖の方が味は優れると言われる。

産卵期は、関東付近では初夏、その後に十分に栄養を採って、

9,10月頃になると脂がのり、肥えて味がよくなるという。

鯖は夏の魚だが、今の時期の秋サバは特別に味わわれる。

焼き鯖

しめ鯖

煮つけ

焼き鯖寿司

今日の夕食は、早速「秋鯖」を、、、、

 

 

国文学者で俳人の川崎展宏さんの著書「四季の詞」の中に、

「秋鯖」の季語随想が興味深かったので紹介します。

秋 鯖

『魚の生きのよしあしを見分けるのに、素人は眼、玄人は

鰓(えら)を見るといいますが、まず眼で分かります。

生きのいい鯖の眼は深々と澄んでちょっと怖いほどです。

鯖といえば夏の季語ですが、夏、うまい鯖は同じ鯖でも腹

部に黒い小さな斑点のある「ゴマ鯖」です。

秋、脂がのるのが「マ鯖」で棲息する水温も10度以下、

「秋鯖は嫁に食わすな」などといったそうで、それほど旨

いんです。

秋サバの獲れる季節、高い空に現れる雲を鯖雲といいます

が、鰯雲と同じで点々と、また鯖の背の斑文のようにひろ

がるのです。

鯖 雲

鰯 雲 

 

鯖も鰯も、日本列島を回遊する栄養たっぷりの大衆魚で、

しかも西欧型の肉食の毒を洗い落してくれる要素を供えて

いるのです。

 

今日の1句(俳人の名句)

秋鯖」の全身青く売られけり   嶋田 麻紀

銀白の腹を持つ鯖の特色は、何といっても背の色と模様で

す。秋鯖といえば背の青色はさらに人の心を捉えます。

「全身青く売られけり」は、まさに秋鯖です。(展宏)

(川崎展宏著 : 四季の詞、秋鯖より引用しました。)