長野県上田市の 戦没画学生の絵を集めた「無言館」へ行ってきた
十文字の建物の真ん中に高窓から射しこむ小さな光がひとつ 足元の床を照らしていた
この明りの四方の壁には 戦争で亡くなった画学生たちの絵が展示してある
私は入館してからこの光が気になっていた
展示物の見学もそこそこに床の光を眺めていた この明りは
もう一枚絵を描きたいと願うにも 時代が許さず描けなかった
学生たちが求めていた希望の光だろうか
また 時と共に忘れ去られようとされていた 学生たちの魂が
「無言館」にたどりつき 日の目を見た喜びの明りだろうか
薄暗い館内の一光は私を再度ここへ旅させようとしていた
これは9年前静岡新聞に投稿した記事
ということで 再度行ってきた この日は曇り空で光はなかった