ロマン派初期を代表するオーストリアの作曲家。600余りの歌曲を作曲し「歌曲王」と呼ばれる。
ウィーン近郊リヒテンタールに生まれた。父は学校教員であったため、彼を教師にするために音楽も学ばせたが父や兄の手に負えないほど才能を発揮しはじめ、聖歌隊指揮者ホルツァーに教育を託される。宮廷楽長のサリエリにも個人授業を許可され才能をのばして言ったそうです。
やがて、歌曲やオペラで成功を収めますが、出版社にはなかなか認められずに苦労します。しかしシューベルティアーデと呼ばれる彼を支えるサークルの協力も得て自立した音楽家としての道を歩み始めたそうです。
1828年には初の自主演奏会を開き大成功を収めますが、その年の11月、腸チフスにより生涯を閉じます。
31歳と早世ながら交響曲、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲、歌曲など様々な分野にわたって作品を残しました。今回は最後の作品に近い冬の旅を聴いてます。
一般的には ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ/ジェラルド・ムーア 此のLPがあまりにも有名なんです。
でも筆者の好きなハンス・ホッターから♪
F.Schubert: Winterreise 1. Gute Nacht/冬の旅 1. おやすみ
私にとってはホッターこそがヴォータン!ヴォータンはホッター!あの声!一声響くだけで、神々しい、この世のものならぬ、暗く、高貴で、暖かく、厳しく、孤高の・・・・音が堪能できる。
ハンス・ホッターのヴォータンを聴くなら、まずは(昔はこれしか無かったし)ショルティの「ワルキューレ」となり、事実それを聴いて、感激していたんだけれど、時折目にすることのできた海外の批評は、このヴォータンについて、案外、冷淡なものが多かった。
もはや手許にスクラップすらとってないので、あやふやな記憶になってしまいますが、曰く「痛々しい」「不安定」「衰えてる」・・・・。確かに声は暗く重いけれど、これほど素晴らしい歌唱のどこに文句があるのか?・・・、と不満に思ったものでした。
シューベルトの歌曲集『冬の旅』を生涯の仕事のようにして、歌い続けた歌手でした。 私などが中学生の頃、シューベルトの歌曲を歌う現役の声楽家としては、全盛期を過ぎたかなというハンス=ホッターと、ディートリッヒ=フィッシャーディスカウ、それに、ヘルマン=プライの3人が有名でした。
又ハンス・ホッター(Hans Hotter: 1909-2003)は今年が没後10年にあたりますのでじっくりとホッターの『冬の旅』を聴いてみました。正直格が違います、やはり素晴らしい歌声でした。
まるで旧約聖書の様な感じです。実に安定感があります。
筆者は現在TANNOY(ⅢLZ)AXIOM80で聴いているが、むしろⅢLZより低音が自然な感じに聴けヴォーガルには実に相性はよいが、偶には違った音も聴きたくなります、今回は特にこういう曲こそ、あの固い音の有名なヘコーで聴いてみたいと思った次第です。
今は亡き瀬川冬樹氏もP4000の改良型ということで昔初めて聴いた製品。ヘコー特有の辛口のかちっと引締った硬質の、クリアーですばらしく緻密な音質。
余分な夾雑音を注意深くとり除いたように解像力のよい、ドイツ系スピーカーの伝統である明快な音質はときとしてやや骨ばった感じに聴こえ、ふわりと漂う柔らかさに欠ける点がわずかに不満であるものの、濁りのない鮮明な鳴り方がつい聴き惚れてしまうほどの特色ある魅力になっている。
小型の割には低音もよく出るが、緊りのよいやや硬質の弾力ある鳴り方をする。壁に近づけたりトーンでわずかに、低音の土台を補って聴く方がバランスが良い。ピアノのタッチは明晰そのもので、ブライトで切れこみよく、響きも適度に表現される。つまり硬質でありながら響きも断ち切ってしまうようなドライさではない。
だから女声の艶や弦合奏の唸るようなユニゾンも充分に聴き惚れさせる。しかしこのスピーカーの音はいわば辛口の最右翼と思われる。
ショッキングなほど張りつめた音で、おそらくこれ一機種を永く聴いていると、もうひとつの面──もっと柔らかなニュアンス、ゆっとりしたゆとりある響き、などが欲しくなるかもしれない。が、こんなにスカッと気持の良い音は、ほかに聴けない。(瀬川冬樹氏)
此のラッパ1本で聴いていたら、疲れるかもしれないがたまにドイツ音楽をと云う時には外せないラッパです!筆者も昔この音を聴き超辛口な音に一種快感を覚え記憶があります。まさにドイツ製と思わせる辛口な感じが快感です!
今はこの様な癖の濃いスピーカーは探しても見つからないかも知れませんが、たまに聴きたくなる音でした。現在ドイツ製のエラックは是非聴いてみたいエンクロージャーである。