伝統ある英国の10吋ユニットで聴く、音楽の父のJ.S.バッハ音楽を知る喜び・・・

音楽好きのIIILZ Monitor Goldユニットの箱を改良して楽しむダメオヤジ金ちゃんです。

エディット・ピヒト=アクセンフェルト Edith Picht-Axenfeld (cemb, p)の平均律クラヴィア曲集を聴く。

2016年12月10日 | クラシック音楽・オーディオ

彼女はランドフスカのように、

あるいは他の女性アーティストたちのようには華々しく活動 したとはいえないかもしれません。

センセーショナルな登場というわけではなかったのです。

それでも、熱心なファンというか、彼女を支持する愛好家たちはかなりいます。

チェンバロもピアノも弾く、バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ。

独奏曲も室内楽もみごとに演奏する。

筆者などもエディット・ピヒト=アクセンフェルトの存在は少し昔にラジオ番組で紹介され 演奏が気に入り、

バッハ中心に聴いています。

ランドフスカが旧約聖書なら彼女はまさに新約聖書です。

 

J.S.Bach Goldberg Variations BWV988 Edith Picht-Axenfeld (clavecin)

 

そういう彼女の演奏、そして態度は、だからといってただ優しくて温かいというものでもありません。

どちらかというと、きびきびしていて、ちゃんと筋が通っていて、

シャープな印象を与える演奏ではないでしょうか?

フライブルク大学眼科学の教授であり眼科臨床医の世界的権威テオドール・アクセンフェルトの娘として1914年、

フライブルクで生まれた。5歳でピアノの演奏を始め、卒業試験後は当時バーゼルにいたルドルフ・ゼルキンにピアノを、

ヴォルフガング・アウラー、アルベルト・シュヴァイツァーのもとでオルガンを学んだ。

1935年にベルリンでデビュー、1937年にワルシャワの国際ショパン・コンクールでショパン賞を受賞。

1947年〜80年、フライブルク国立音楽大学でピアノと初期鍵盤音楽の教授となる。

世界的なピアニスト、チェンバリストとして活躍。

オーレル・ニコレ、ハインツ・ホリガー、フィッシャー・ディースカウ、ヘンリク・シェリング、

ローター・コッホらとの共演やレコーディングなども数多い。

アンスバッハ週間、イギリス・バッハ週間、ルツェルン音楽祭、

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルなどでも重要な役割を果たしてきた。

2001年4月、フライブルク近郊の自宅で心不全のため他界。享年87歳。

最近では彼女の奏でる平均律クラヴィーア曲集の第2巻を聴くことが多い、

鍵盤楽器があらゆる調で演奏可能となるよう 「良く調整された(well-tempered)」という意味であると考えられ、

必ずしも平均律を意味するわけではないが、和訳は「平均律」が広く用いられている それにはそもそも、

現在我々が耳にしているすべての音楽の調律が、完全に調和したものではなく、

実は若干のずれ、響きの不協和を許容しているという話から始めなくてはなりません。

現在の調律法(つまりはこれを指して「平均律」と呼ぶのですが)では音程にわずかな狂いがあるのです。

バッハの時代、音程の調律法において主流だったのは「純正律」と呼ばれる方法でした。

ある2音間の音程は、その周波数比が単純であればあるほど調和した響きになると言われます。

たとえばドとソ(完全5度)ならば2:3、ドとオクターブ上のド(完全8度)ならば1:2、というように。

このようにしてすべての音に対して最も単純な周波数比をあてはめて調律するのが「純正律」なのです。

それが最も調和した響きなのですから、当然最も美しいということになります。

しかしこの方法には欠点がありました。転調ができないのです。

たとえば純正律でハ長調に調律した場合、 ドとミ(長3度)の周波数比は4:5です。

しかし別の長3度、仮に♭ミとソの周波数比は、4:5ではありません。

近似値ではあるのでしょうが、基準がハ長調である以上、誤差は生じます。

するとこの場の話で言えば、ハ長調から変ホ長調への転調は狂った音程を許容しなければならなくなってしまうのです。

ではどうすればいいか。その回答が「平均律」ということになります。

この調律法は一音一音の周波数比を正しく合わせるのではなく、

オクターブ内にある12音の周波数を均等割りするものなのです。

これによってすべての音程間の周波数比が均一になり、転調を可能にしました。

ところが「平均律」を用いると、純正律の完璧な調和と比べた場合、 どうしても響きの不協和を生じます。

特に長3度の響きは美しくないと言われます。 これが「平均律」の欠点でもあるのです。

しかし実際にはその利便性から、「純正律」は廃れ、「平均律」が普及することになりました。

これが現在まで続いているのです。

やはり大御所のGustav Leonhardt も聴いた見たくなり

レオンハルトがドイツ・ハルモニア・ムンディとセオン・レーベルに録音したバッハのチェンバロ、

オルガンのためのソロ作品と室内楽作品から収録した10枚組セット。

 

Leonhardt, Bach " Well-Tempered Clavier " BookⅡ Disc-1

 

グスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt )は、オランダの鍵盤楽器奏者・指揮者・教育者・音楽学者。

ピリオド楽器による古楽演奏運動のパイオニアにして中心人物であった。

各種の鍵盤楽器によって録音を残しているが、とりわけチェンバロ奏者・オルガン奏者として名高い。

現在の主要なチェンバロ奏者の多くはレオンハルトの弟子または孫弟子である。

昔筆者が直輸入盤のハルモニア・ムンディ盤のレオンハルトを聴いている頃は評論家の先生は

余り良い評価をしていませんでしたが、昔のワンマイクで録音したLPを是非LPプレイヤーを直して

聴いたみたいものです。レコード盤は後生大事に保存してあります。(笑)

 

平均律クラヴィア曲集全曲に、フーガの技法、ゴルトベルク変奏曲といった有名チェンバロ曲に加え、

オルガン曲1枚分と、筆者の好きなクイケンとのヴァイオリン・ソナタも収録された

CDを注文しました。当に清き流れの如く演奏するグスタフ・レオンハルトのチェンバロも良いです。