伝統ある英国のTANNOY IIILZで聴く、音楽の父J.S.バッハ音楽を知る喜び・・・

音楽好きのIIILZ Monitor Goldユニットの箱を改良して楽しむダメオヤジ金ちゃんです。

マリアンヌ・ミュレールMarianne Muller(Gamba)のバッハのヴィオラ・ダ・ガンバを聴く

2017年07月18日 | バロック音楽・オーディオ一般

バッハにはヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガード・チェンバロのためのソナタ集があり、昔からこの作品は好きで良く聴く曲です、

筆者が思うにTANNOY IIILZ in Cabinetはヴァイオリンの音色より、むしろヴィオラ・ダ・ガンバが良く鳴るのかも知れない。一般的に相性が良いのかも知れない。

先ず気になるのはオブリガートチェンバロとはどんなチェンバロとお思いでしょうが、初めて聞く方もいると思いますが、残念ながらそのようなチェンバロはありません(笑)。

形や機能が普通のチェンバロと異なるというものではなくて楽器の使い方の概念ではないでしょうか。

あるメロディなり楽器群の音の動きをサポートする形で対比的に演奏させる使い方、つまり独奏楽器として中心的に華やかに使うのではなく、そうかと言って合奏の中に埋没させるのでもない使い方をする場合に言われる言葉ではないかと思います。

よくフルートオブリガートとかバイオリンオブリガートとか言いますね。そんな「助奏」の役割を果たさせる時に使う言葉です。

チェンバロが細かく刻む音の動きの背後で、ガンバがゆらりまろやかさを湛え、時に重音、あるいはユリ・ヴィブラートを軽くさりげなく施しながら響きを持続させる。

その音の佇まいが、じわとカラダに心地いい。

両者屹立、発止とせめぎ合う関係とは異質の快を呼び覚ます、曰くたおやかなるバッハである。

今回は知る人ぞ知る、とてつもないフランス古楽界の重鎮ふたり。

夢の顔合わせは、もう比類ない結果!

あまりに美しいヴィオラ・ダ・ガンバのしなやかさ、繊細なチェンバロの音まさにオブリガード・チェンバロの伴奏がまるで教科書的です。

これを聴かずして、21世紀のバッハ演奏は語れない。

久しぶりの充実感を味わう、最近古楽器が見直され、古楽演奏好きには実にありがたい。

 

【収録情報】

J.S.バッハ:

 ・ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番ト短調 BWV.1029

 ・ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番ト長調 BWV.1027

 ・ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番ニ長調 BWV.1028

 ・ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番ト長調 BWV.1019(ヴィオラ・ダ・ガンバによる演奏)

バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのための「4つの」ソナタ

マリアンヌ・ミュレール(ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・バスタルダ)

フランソワーズ・ランジュレ(チェンバロ/ドレスデン宮廷1739年モデル)

録音時期:2013422-26

録音場所:パリ、ドイツ教会

録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

 BACH : Sonatas for Viola da Gamba and Harpsichord, BWV 1027-1029 - Album Trailer 

フランスは今や誰もが知る古楽先進国なのですが、そうなったのは比較的最近のこと。

1980年代までは、先進的かつ熱心な先人たちの地道な努力があり、その地盤のうえでウィリアム・クリスティ、パリのヘレヴェッヘ、マルゴワールらの快進撃が始まったのでした。

そうした過渡期にも確かに自分の道を見据え、まだまだ世間の目がバッハやヴィヴァルディら、クープラン以前のフランス・クラヴサン楽派の祖シャンボニエールの名品をあざやかに弾きこなしていた生粋のフランス派の古楽鍵盤奏者が、本盤のフランソワーズ・ランジュレ。

彼女の活躍はしかし、遠く海をへだてた日本の熱心な古楽ファンにも確かに伝わっており、ほとんど録音物が入手しづらかった20世紀末から、数少ない貴重なCD録音はカルト的人気を誇っていたものでした。

 

そしてそのかたわら、フランスきっての隠れ古楽拠点・南仏リヨンで彼女とともに活躍、フランス人のみならず日本や世界各地の後代のスーパープレイヤーたちに薫陶を授けてきたガンバ奏者が、マリアンヌ・ミュレール。Zig-Zag Territoires にも名盤がいくつか眠っていますが、古楽の世界では実力ひとつで世界各地に熱狂的信奉者を増やしてきた彼女たちふたりの名匠がいま、なんと満を持して「バッハ晩期のあの傑作群」を録音してくれたのです!

ご存知のとおり、ヴィオラ・ダ・ガンバはバッハの時代ほとんど廃れかかっていた古い楽器ですが、我らが「音楽の父」はこの楽器に独特の愛着をみせ、『マタイ受難曲』のクライマックスでも効果的に使ってみせただけでなく、自らの作曲技芸の総決算に入った晩年、自らの室内楽作法を総括すべく3曲のソナタを書いたときにも、まさにこのガンバを使用楽器に指定したのです。

なぜか当時フリードリヒ大王の宮廷でガンバが偏愛されていた、という背景もありつつだったのでしょうが、チェンバロ(鍵盤)奏者の右手をひとつの楽器に見たて、奏者ふたりで三重奏的な音楽内容を綴ってゆくこれらのソナタは、ガンバ奏者にとっても、その響きを愛する音楽愛好家にとっても、まさにバロック後期の至宝とも言うべき存在。

 

ワンポイント録音的発想による自然派サウンドでも知られるZig-Zag Territoires レーベルは、リュビモフ、インマゼール、バンキーニといった音響解釈へのこだわりが強い古楽奏者たちにも愛されてきたところ、今回もその徹底したナチュラルな音響再現が弓の返しのニュアンスや微妙な空気感まで収めきって、実に聴きごたえある聴覚体験。

そしてその万全のコンディションで味わう名匠二人の至芸の、なんと自然で磨き抜かれゆりていることか・・・! 

間違いなく、ガンバの導師クイケンやサヴァール、その後の並居る異才たちの名盤を堂々おびやかす傑作解釈といえます。

現在筆者のカメラは修理中なので、撮影が全てスマホで撮ってますが、詳細に付いては色々ありますが、プログ掲載する程度は十分良く撮れます。

庭に咲いたピンクのユリ庭の水槽には睡蓮と夏の花が咲いています。

 

こうした花を愛でながら、昨日は仕事でしたので、ノンビリ過ごしています。

やはりBACHの音楽は素晴らしい、それとヴィオラ・ダ・ガンバの音色に、ブラボー!