◆撮影:2012年10月14日、八雲ヶ原湿原(比良山系)にて
2012年11月12日(月)
『山野走』
<ほしだ園地>
[私市駅]6:03:00→[星の里いわふね]→(かわぞいの路)→6:24:46[ピトンの小屋]6:30:00→(さえずりの路)→6:44:04[やまびこ広場]6:48:00→(まつかぜの路) →7:07:16[飯盛霊園・境界鞍部]7:10:00→(まつかぜの路) →[やまびこ広場]→(つつじの小路)→7:29:54[展望スポット]7:33:00→(つつじの小路)→(さえずりの路)→(管理道)→[ピトンの小屋]→(かわぞいの路)→8:03:11[私市駅]
<犬と飼い主>
まだ夜が明けていない暗い“かわぞいの路”を走るとき、道が緩やかに右へとカーブをきる処に差し掛かったとき、前方より疾走して来る小さな動物が目に留まった。「あの犬や」と思うや否や前方にヘッドランプの灯が現れた。擦れ違うとき、ヘッドランプをつけた人物が「すみません」と呟いた。僕の横をすり抜けた小犬は、直ぐに戻って来て僕の足下で吠え続ける。もし僕の足に噛みつこうものなら、蹴ってやろうと身構えると向きを変え飼い主と思しき人物の方へと駆けて行った。
この犬と人物には昨冬三度出遭っている。初めて遭ったときも今朝同様のまだ暗い“かわぞいの路”であった。そのとき僕は、前方より疾走してくる小動物が犬だと理解できず、その動物を避けようとして路傍へと飛び膝を地面に着き転倒しかけた。その直後に現れた男性はそのときもやはりヘッドランプを装着していた。紐につないで散歩して戴くようにお願いしたにもかかわらず、三度目に出合ったとき暗い中で僕は彼に言った、「紐につないで散歩してくださいよ」と。
里山で山野走や山野歩を楽しむときに、僕がもっとも恐怖を感じるのは野犬だ。街中も含めて久しく野犬に出遭ったことはないが、僕がまだ子供であった頃、それは遥か50年以上も昔のことだが、保健所の方(?)が野犬狩りを行ない、車両荷台鉄格子中で慟哭する野良犬達の姿を惨憺たる思いで眺めていたのを覚えている。役所の努力のお蔭や動物を飼う人の倫理観の変化があったりして野放しの犬を見かけることは皆無となった今日だが、“ほしだ園地”の路を走るとき、過去に何度か、鎖につなぐことなく犬を連れて歩く人の姿を目撃している。「私の犬は人に危害を加えることはない」とその人達は考えておられるのだろうが、はたしてそうなのだろうか。また、「犬糞の処理を飼い主の方にお願いしたい」と云う看板が“やまびこ広場”などに掲げられているが、犬を紐でつなぐことなく、それも早朝に森中を犬とともに歩く人は、犬糞の処理を行なわない人達なのかもしれない。
久し振りに“展望スポット”にやって来た。眼下に“星のブランコ”が見え周辺の木々に黄や橙、赤の色彩が目立ってきた。北方遠景に摂津の峰々が淡く青く横たわり、竜王山の奥に愛宕山が微か見える。紅葉の最盛期にはこの“展望スポット”は多くの人々で賑わうのだろう。帰路、管理道より“ピトンの小屋”を東方に見降ろす景色が殊のほか綺麗だ。トウカエデは早散り始めているがヤマモミジは深紅に染まり、ケヤキなど様々な木々の黄葉と相俟って“ピトンの小屋”周辺は、華やかな色彩に包まれている。