◆撮影:2005年11月27日、ほしだ園地にて
(ニシキギ)
2012年11月18日(日)
『山野逍遥』
<ほしだ園地>
[私市駅]→[星の里いわふね]→(かわぞいの路)→[星の里いわふね]→[私市駅]
<J太郎とスジアオゴミムシ>
午後から時間が空いたゆえ、J太郎を森中に連れて行ってやろうと思った。私市駅舎を出たのは14時前ごろ、駅に戻ってきたのは16時を少し廻っていたように思う。リュックサック中に、熱い緑茶が入った水筒と我が家にあった彼が好きなお菓子を少しだけ忍ばせ、枚方市駅構内売店で小袋のお菓子を一袋追加した。
“かわぞいの路”を、前回よりも更に奥へと進む。放っておけばJ太郎はもっと前進していたに違いない。ところが今の季節、意外と早く日暮れが訪れ寒くなる。帰路を考えるとこの辺りが限界だろうと考えた僕は、「お菓子とお茶にしよう」とJ太郎を促した。
帰路、前回一時間以上もの間、石を川中に投げ続け夢中になって遊んだ川原が眼下に見える処にやって来たとき、彼はその川原に下りるための階段上に立ち、「下りたい」と云う意思表示をした。「お母さんもお祖母ちゃんも待っているから帰ろ」と促すがまったく効果がない。観念した僕は彼の手を握って下り始めた。川原で遊んだのは15分くらいだろうか、「帰ろ」と促し階段を上り始めると彼はゆっくりした歩みでついて来た。
今日出合った唯一の昆虫、それは、J太郎が見つけた一匹のスジアオゴミムシなのだが、身長が2cmにも満たない動くその虫を彼は触ることはできなかった。僕が触るとその虫は死んだ振りをして動かなくなるのだが、ジッとしていてもやはり彼は触ることはできない。ところで、彼はよく歩いたしよく走った。一度前へとつんのめり見事に転んだのだが、彼は何事も無かったように立ち上がった。ところが、今年の8月14日の豪雨による被害からまだ完全復旧していない“かわぞいの路”の起伏のある滑り易い処にやって来たとき、彼は僕を振り返り「無理」と云う言葉を使った。僕は彼を右肩に担ぎあげた。