山野颯想

山野走、山野歩、山野逍遥など、山野にかかわる事柄を中心に記載しています。

くろんど園地(ヒオドシチョウとK子)

2015年07月17日 | 山野逍遥
2015年6月7日(日) 
『山野逍遥』
<くろんど園地>
[私市駅]11:02→[月ノ輪滝]→12:05[すいれん池]→(鎖場)→12:20「櫓」13:15→[すいれん池]→[管理棟]13:55→14:55[私市駅]
◆所要時間:3時間53分
<ヒオドシチョウとK子>
K子が「行く」と言っているにもかかわらず、J太郎は何ゆえ「山に行かない」という判断をしたのだろうか。それで今日は、K子と僕の二人だけの初めての山野逍遥となった。森中で「お兄ちゃんが居ないから淋しい?」と問うと、「少し淋しい」とK子は答えたのだが、J太郎が「山に行かない」と言っているのにK子は、僕と二人っきりの山野歩を何ゆえ選択したのだろうか。
僕とK子は、道程の八割方を手をつなぎ歩いたように思う。J太郎と歩くときには、これほどまでに手をつないで森中を歩いたことはないだろう。何かの拍子に手が離れると、小さくて柔らかい温かいK子の手が直ぐに僕の手を握りにやってくるのだ。ゴツゴツとした爺さんの手をそっと握りにやってくるのだ。
K子が「おうちに行きたい」と言ったときの「おうち」とは「櫓」を指していた。僕は「すいれん池」傍らの管理棟のことだろうと思っていたのだが、「すいれん池」に到着するや否や、鎖が張られた岩場を指差し「これを登る」という意思を示し、4月下旬にJ太郎と僕と三人でお昼にして暫く遊んだ「櫓」の存在をK子はちゃんと記憶していた。そのときも「櫓」上で一時間ほど過ごしたのだが、今日もやはり狭い「櫓」の二階で一時間くらい遊んだ。そのとき、一羽のヒオドシチョウがやってきて、手摺りに停まり暫くの間動こうとしなかった。その様子を見ていたK子は、自身と蝶を対象に写真を撮るよう僕に要求した。また、4月下旬のとき、「櫓」二階には我々以外に一人の男子を連れたお父さんとお母さんが居られたのだが、K子はそのときのこともちゃんと記憶していて、そのときの様子を僕に伝えた。その後「櫓」から「すいれん池」畔にやって来たときに、「もう帰ろうか」と僕が言うと、「おうちで絵本を見たい」とK子が答えた。そのときの「おうち」とは管理棟のことで、4月にやって来たときには、管理棟中で昆虫の本などを見たことを覚えていて、そう答えたのだろう。
思わぬ処でササユリに出合った。「櫓」から少し下った処で一輪、その後「すいれん池」までの下り坂の途中に幾輪かの開花する姿があった。また、ホソバタツナミソウが群生している処もあったし、テイカカズラの花弁が其処彼処に落ちている処が時折現れた。また、ヒオドシチョウ以外に、キチョウやミドリヒョウモン、アゲハチョウ、テングチョウ、コミスジと、飛翔する蝶の姿にも再三出合った。

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