「ガソリンスタンド(SS)」という業態が生まれて約100年。
それまでは、ポータブルの計量器のメジャーがついたガラスのタンクに燃料を手回しで押し上げて重力で落としていた時代がありました。
やがて、時計のような針のついた計量器に代わり、
地下タンクの設備が普及して現在に至るわけですが、
私の父親がド田舎でガソリンスタンドを開店したとき、
地元の人は大きな地下タンクを見て、何年かかってタンクの油を売るのだろう。。。と驚いたそうです。
乗用車など地域に数台しかない時代でした。
ビジネスの創世記なんてものは、そんなものなのです。
現在、SSを運営している企業もそんな時代に先進的なビジネスとして創業した方がほとんどだと思うわけです。
モータリゼーションの発展とともに歩んできたガソリンスタンドビジネスですが、
最近では、EVやエコカーの開発によりエネルギービジネスとしての変革の時期を迎えています。
これまでの業態を見直して、
「次」の時代に向けた新たなモータリゼーションを視野に入れながら自ら変革すべき時期が到来しています。
SS経営者は、ビジネス創世記に起業した先人の勇気と先進的な心意気を改めて学ぶ時代です。
世の中には、時代や技術の進化で消滅したビジネスもたくさんあるわけです。
カメラ屋さんはデジカメの時代に入り、電気屋さんのビジネスに・・・
「回転すし」が増えて、これまでの寿司屋さんも変わりました。
お米はスーパーで売られています。
どこの街にも大型ショッピングモールができて、駅前商店街はシャッター街に・・・
コンビニが増えて、街の雑貨屋さんも少なくなりました。(昔の駄菓子屋が懐かしい・・)
「通販ビジネス」が普及して、店舗も不要で全国に物が売れる時代です。
数え上げたらきりがないほど、時代とともにビジネスも変化しています。
それでも、「灯油」は配達されなければ消費できないホームエネルギーなのです。
何とか、「灯油を切り口にして」、SSを起点とする新たな宅配ビジネス展開ができないものだろうか・・・
コンビニも「宅配」をする時代です。コンビニにできてSSにできないはずはない。
現在、全国的にガソリンスタンドの閉鎖や淘汰が進んでいるわけですが、
これから、今後、このビジネスが世の中に必要とされ、消費者の支持を得て発展的に生き残るとしたら、
業界として、どのような自己改革が必要なのか・・・
真剣に考えるべき時代が到来しています。
『臥竜塾』で、新たなビジネスモデルを考えながら発信していきたいと考えています。