2012年、最後の「ゆきんこブログ」です。
来年に向けての経営課題を書いておきます。
年末の総選挙で自民党政権が復活。
安倍政権による日本経済に対するテコ入れが進みそうで、株高、円安傾向で年越しとなりそうです。
さらに、年明けからの動向が気になるところですが、すでに長期国債の金利も上昇する傾向がみえています。
いよいよ、経済はインフレにむけて動き出しています。
経済は生き物ですから、来年は安倍政権による「インフレターゲット」が目標通りにコントロールできるのかが問題となりそうです。
はたして、巷間懸念されている『ハイパーインフレ』が到来するのか、
それともコントロールされた調整インフレといった形で、
健全な物価上昇と企業業績の回復が見込めるのか、来年は経済の年になりそうです。
石油業界は、円高と原油動向による影響を受けることになりますが、
原則、円高と原油高はさらに継続すると想定しておく必要があります。
リテール業者としての課題は、市場原則である販売競争と適正マージン確保の価格設定の睨み合いとなるはずです。
これからはエコカーの普及や小型車の急速な普及により燃料油の減販は石油業界の予測を上回る速度で進みます。
来年こそは激動の経済動向に準じて、SS店頭ビジネスも適正な販売価格による収益安定化が望まれるところですが、
都市部や一部地域では量販型安売り企業の出店などで価格競争はさらに激化するとの味方もあります。
このような時代では、今迄のデフレ下のような低価格戦略による拡販戦略よりも適正な「値取り」のタイミングがポイントとなるはずです。
石油業界内の一部メディアやネット情報で全国ベースの低価格情報などを流していますが、
安易な情報に乗せられることなくそれぞれの企業が確固とした企業コンセプトと自信を持って臨む必要があると思います。
これからの石油ビジネスマーケットはこれまでのデフレ下のように安売りによる拡販や企業成は望めない時代に入ります。
もちろん、「利は元にあり」の原則通り、仕入れ情報の把握は重要なのですが、
来年は、高騰する仕入れに対応できるみずからの価格転嫁の勇気と決断力を求められるはずです。
すでに最激戦地の首都圏や北関東エリアの元売り販社系企業などはこれまでとは異なる価格設定戦略に入っているようです。
以上のような状況から、SS業界では新たな業態変更を求められることになるはずです。
SSビジネスの新たな切り口としては、今迄の「車」を切り口とする『カーライフビジネス』については、
昨今、自動車ディラー、さらにカー用品業者などによる反転攻勢なども予想されており難しい局面を迎えることが予想されていますから、
SSにける車検ビジネスなどの動向推移についても慎重に見守る必要があります。
先日、自動車ディーラーの方と話しましたが、新車購入顧客に対するディラーによるアフターケアのカーライフビジネスは一層強化されるようです。
新車購入と中古車購入客との細分化が進みそうですから、「車検」などはSS業界がターゲットとする見込み客も細分化する傾向にあります。
さらに、来年は地下タンク老朽化によるSS数の激減が予想されています。
特に地方におけるSS過疎地帯の多発が懸念されており、
今迄とは異なった視点でSSの存在意義が問われることになるはずです。
今年は年末にきて「灯油ビジネス」が盛り上がっています。
これは、本来SS業界の基本となるホームエネルギー部門が見直される大きな起点ともなっており、
特に「配送灯油」については、灯油復権の動きが顕著であり異業種による積極参入の動きも見えています。
これまで、灯油の配送販売に積極的に取り組んできた企業にとっては、
灯油を起点とする「宅配ビジネス」の強みと可能性を強く感じていることと思います。
来年からは、さらに季節感を超えた新たな「宅配ビジネスモデル」展開の可能性が見えています。
それは、SS業界における「開宅ビジネス」ともいえる、お客様とのドアツードアのビジネス展開となります。
すでに、YAHOOとローソンをはじめとするコンビニ各社がスタートさせている
WEB受注からの「開宅ビジネス」などを地域に根ざしたSS企業がどのように進めていくのか・
来年からは、SS店頭販売オペレーションが「待ちのビジネス」から大きく変化します。
それらの変化を先取りできる企業が勝ち組として「残存者収益」を享受できるスタートの年になるはずです。
SS店頭で「座して死を待つ。」ことなく、
コンビニ業界のように、宅配を中心とした「開宅」による外販部門の強化を図るためSS店頭を飛び出しての新たな販売戦略が求められています。
既存SS運営企業にとっては、今後の経営について速やかな意思決定を求められることになるはずです。
本年のご購読ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。