青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

週末は、山梨にいます

2008年05月25日 22時00分07秒 | 日常
(画像:鳥沢~猿橋間を行くE257系特急かいじ)

昔も今も中央本線の名撮影地といえば新桂川橋梁だよなあ。
「週末は、山梨にいます」ってのはJRの今年の春の山梨キャンペーンのキャッチフレーズ。
気晴らしには週末に山梨人になるのが一番手っ取り早い。

下道オンリーで約3時間弱、笹子峠を越えると降り続いていた雨も止んだ。
どこへ行こうかと悩むならここ行っとけってなもんで、まずはお気に入りの「正徳寺温泉・初花」へ。

ここの何がいいかって、つるつるしたお湯と絶妙なぬるさがいい。
ここの温泉は源泉で36℃くらいなのだが、入ってると水と体が同化したような感じになって体が緩む感じ。手ぬぐいを枕に1時間半、リラックスとはこの事だなあと感じる。
そして湯上がりのうな重はここの定番のお楽しみだ。ここでしか店のウナギなんて食わないから比較は出来ないが、相変わらず美味い。
ちょっと値段は高いけどな。

帰りはこんなトコに寄ってみる。

明治36年に中央本線が鉄道省により甲府まで開通した際に掘られた「大日影トンネル(1,376m)」は、中央本線が昭和43年に複線化して以降は下り(甲府方面)線として利用されていました。
平成9年に新トンネルが開通し下り線も新線に移動したため、大日影トンネルはその役目を終えていたのだが、地元甲州市が100年に亘り現役として活躍したトンネルを「鉄道土木遺産」として再整備。去年、遊歩道として一般公開が始まったものです。

<大日影トンネル遊歩道>
●大日影トンネル甲斐大和側坑口(レンガ造りの坑口)
●トンネル内(レールは平成9年の廃線時よりそのままらしい)
●スス跡(昭和9年まで蒸気機関車が走ってた時代のスス跡が生々しく残る)
●キロポスト(起点の東京から109.5km)
●勾配標(甲斐大和から勝沼に向かって約25‰の下り勾配です)
●中間点(この表示は保線係員用と思われる)
●中間点より(勝沼方へ下ってるのが分かりますか?)
●もうすぐ出口(ゆっくり歩いて20~25分くらいですかね)
●大日影トンネル勝沼側坑口(甲斐大和側とデザインは一緒)
●三代の大日影トンネル(左が現東京方2代目・真ん中が現甲府方三代目・右が初代)

中は現役当時のままに標識類が残され、壁を触ると蒸気の時代を思わせるススで手が黒く汚れる。細かく細かくレンガを三重に巻いたトンネルは、同時期に作られた碓氷峠のめがね橋(第三碓氷橋梁・明治26年)や余部鉄橋(明治45年)などと同様に、実に作りが丁寧で美術的にも素晴らしいものだなあと感心する。どこも鉄道の先進国であった英国人技士の指導によるものらしいが。
雨上がりで薄日が差す甲府盆地は梅雨の走りのような蒸し暑さだったのだが、トンネルの中は実にひいやりとしていて、これからの季節はなかなかオススメのスポット…かもしれません(笑)。

トンネルを出て勝沼ぶどう郷駅に向かうと、駅前にEF64型機関車(18号機)が。
三代に亘る大日影を全て知り尽くしたアルプスの覇者が、静かにトンネルを見守っていました。
コメント (1)
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