青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

足柄山の赤電車

2016年10月01日 17時24分19秒 | ローカル私鉄

(…また今週も雨ですか@伊豆箱根鉄道大雄山駅)

本当は子供の運動会だったのだが、お寒い雨降りなので中止。一日の予定が全くなくなってしまったので、一応運動会に備えて早く起きていた子供と一緒に先日入線した大雄山線の5000系赤電カラーデビューイベントに参戦してしまった。天気が良ければ、なんて言ってたんだけど、天気が良かったら運動会だからどのみち行けないんだった。伊豆箱根鉄道大雄山線の終着駅でもある大雄山の駅は、トンガリ屋根が特徴の南足柄市の玄関口。バスで10分程度山を登れば、曹洞宗の古刹である大雄山最乗寺にお参りする事が出来ます。


そもそも「赤電塗装」とは何ぞやと言うお話なんですが、伊豆箱根の親会社の西武鉄道が今の黄色を基調とした色の前に使っていた旧塗色の事でして、いずっぱこも昭和30年代から親会社に倣って車体をえび茶とベージュの渋い色に塗って走っておったんですね。現在は赤電塗装の旧型車両は淘汰され、営業車両は青を基調としたライオンズカラーの5000系に統一されたんですけど、このたび大雄山線開業の90周年を祝って5000系のトップナンバー5501編成が旧型電車時代の「赤電塗装」に戻る事になったんですね。


ちなみにこの5000系は、第1編成であるこの5501編成のみが普通鋼製車で、他の車両はステンレスなんですよね。赤電塗装にするにはこの編成しかなかったって事だな。何年か前に撮影していた通常塗装時代の5501編成、他の車両はステンレス地に青いフィルムでカラーリングしているので、ベースが白のこの編成は異色の存在でした。ヒガンバナが咲いているから似たような季節か。この時期になると大雄山線に来たくなるのか、自分。


赤電塗装へのお色直しですが、大雄山線には検査や塗装をする車両区はありませんので、駿豆線の大場工場で施されました。全般検査および再塗装の上さる9月22日に工場を出場し、三島から東海道線を経由し西湘貨物駅で一泊。翌日の9月23日に小田原駅から搬入され、コデ165の牽引によりこの大雄山までやって来ました。この赤電甲種は熱海から西湘貨物~小田原までをJR貨物の原色EF65PFが担当したんで、マニアが土砂降りの雨ん中追い掛け回してエライ騒ぎになったらしい。


普段は話題の少ない大雄山線ですが、この開業90周年を記念しての赤電塗装イベントは相当な意気込みらしく、なんと南足柄市長まで出席しての盛大な出発式典が挙行されました(笑)。市長のご挨拶の後ろでお愛想してるのが、南足柄市のゆるキャラ「よいしょの金太郎」。足柄と言えば「♪マサカリかついだ金太郎~」の童謡で有名な「足柄山の金太郎」の故郷。金太郎はその後源氏に仕え坂田金時(さかたのきんとき)を名乗りますが、その名前が箱根外輪山の名峰金時山に残っているのはご存知の通り。そう思うと赤電塗装の前面のVの字型の塗り分けも、金太郎の腹掛けに見えたり見えなかったり?


車庫に憩うコデ165と並んで。ホームに据え付けられた赤電塗装が、テープカットと発車の時間を待っています。あいにくの天気だったせいもあり、そこまでの混雑でもなかったイベント。この手のイベントは最近猟奇的なヲタクによる阿鼻叫喚っぽくなるのが凄く嫌で寄り付きたくないんだけど、近所の家族連れあたりがまったり記念撮影出来る程度で良かったですね(笑)。

テープカット&出発シーンを撮っても良かったんだけど、スペースが狭くて子連れではちょっと危なっかしいのでいったん離脱。まずは走行シーンを撮るべく沿線に展開してみる事にします。
コメント
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