司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

LLP 士業の活用は?

2005-04-28 11:26:36 | 会社法(改正商法等)
 LLPを士業が活用することも議論の俎上に挙がっているが、所管法令が定める無限責任との関係で、法第7条第1項第1号の政令事項として対象外とされる方向である。

(組合の業務の制限)
第七条 組合員は、次に掲げる業務を組合の業務として行うことができない。
 一 その性質上組合員の責任の限度を出資の価額とすることが適当でない業務として政令で定めるもの
 二 組合の債権者に不当な損害を与えるおそれがある業務として政令で定めるもの
2 組合員は、前項の規定に違反して行われた業務を追認することができない。

(以下は、平成17年4月1日付衆議院経済産業委員会議事録の抜粋。)
○谷口委員 ですから、適正に運用されるようにぜひ見ていただきたいと思うんです。最初が、スタートが大変だと思うんですね。そこで悪用されるような事例が頻発いたしますと、その後、LLP、LLCの動向にも大きく影響が出てくるだろうと思うわけでございます。
 それで、LLPでございますが、先ほども出ておりましたが、英国でLLPが創設をされたきっかけというのが、弁護士事務所だとか公認会計士の事務所だとか税理士の事務所といったようなところの共同事業を行う場合に、これは非常にフィットした事業体だというようなことで英国ではつくられたというように聞いております。
 それで、今回のLLPの法案、お聞きいたしますと、政令事項になっておるようでございますけれども、いわゆる士業が除外をされるということのようにお聞きをいたしております。
 弁護士、公認会計士、税理士等々の士業の中で、例えば公認会計士で申し上げますと、今、監査法人という合名会社的な組織体があるわけでございまして、そこに多数の公認会計士がおられて、また多数のクライアントがおられるわけでありまして、このクライアントにかかわっておられる公認会計士が、監査の上での失敗があって、それで賠償請求をされるということは十分理解でき得るところでございますけれども、現行法上は、監査法人に所属しておる公認会計士はすべて無限責任になっておりまして、すべてこの責任を負わなければならない、こういうことになっております。これも少々理解ができないところでもあるわけでございます。
 今回、先ほど申し上げましたように、政令でいわゆる士業については除外されておられるようでありますけれども、経済産業省としてどのようにお考えなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○北畑政府参考人 いわゆる士業の適用についての御質問でございますけれども、法律上は、七条一項一号の規定に基づきまして、有限責任の規定をすることがふさわしくない業務についてはこの制度の対象外にする、こういうふうに考えております。
 今御指摘のとおり、士業のうち、それぞれの法律で無限責任が規定されているものが多数でございます。弁護士、公認会計士はそういうふうに規定されております。このようなものにつきましては対象外にするという方向で考えております。ただ、士業でも、例えば電気工事士、それから中小企業診断士、これはそれぞれの法律について無限責任という規定は入っておりませんので、むしろこのLLPが使えるというふうに考えております。
 英国では公認会計士、弁護士も対象になっているじゃないかという御質問でございました。国際的にはそういうことでございます。私どもとしては、今後の課題として、こういう部分についてそれぞれの士業を所管している関係省庁とよく相談をいたしまして、仮に将来、有限責任を入れてもいいよという結論が出れば、政令指定でございますので、その時点でLLP法が使えるようにしたい、今後の検討課題というふうに認識いたしております。
○谷口委員 今御答弁をいただきましたように、弁護士、公認会計士、税理士等々の士業の所管の省庁が、今無限責任の規定になっておる状況の士業が、もう変えてもいいではないかというような状況になれば、LLPにおいてもそのような対応をしていきたいということでございますね。確認をさせていただきました。
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