司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

PIO-NETの活用に関する懇談会

2010-10-14 15:29:39 | 消費者問題
PIO-NETの活用に関する懇談会(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/region/index1.html#m01

 今年8月からスタートしている。
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地域主権問題~自己仕分けの結果

2010-10-14 15:15:54 | いろいろ
第7回地域主権戦略会議(平成22年10月7日開催)
http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/kaigi/kaigikaisai/kaigidai07/kaigi07gijishidai.html

 各省庁による自己仕分け結果等が公表されている。


【法務局・地方法務局(法務省)関係】
 法務局の事務・権限は,国民の権利関係や身分関係に密接に関連し,国家の主権,司法制度,国民の人権保障に関係する事務であるため,全国統一した運用が必要であるほか,いわゆる二重行政という批判はあたらず,今後も,効率的で機動的な事務処理体制を維持する必要があることから,関係各方面の意見をも踏まえ,基本的には,引き続き出先機関の事務・権限と仕分けた。
 ただし,①登記事項証明書等の交付事務については,既に市場化テストによる民間委託を実施しているため,民間委託と仕分け,また,②司法書士試験の実施及び土地家屋調査士試験の実施に係る事務については,市場化テストによる民間委託を検討しているため,民間委託と仕分け,さらに,③人権啓発活動地方委託事業のうち,地方自治体が独自に企画・実施するものについては,啓発活動を確保するための方策の検討と併せて,全国の地方自治体への一律一斉の事務権限移譲と仕分けた。

○ 各種登記事務
・全国統一した運用が必要であるところ,国が判断の基準を整理しても,実務において機能する処理基準にはならない。
・拠点の分散により,人件費及びシステム経費が増加する。

○ 司法書士に対する監督,司法書士会の会則の認可に関する事務等
・司法書士及び土地家屋調査士の業務の中心は登記に関するものであることから,登記事務の実施主体が,司法書士及び土地家屋調査士を監督することが適当である。

○ 司法書士試験の実施
・市場化テストの実施による民間委託を検討しているが,市場化テストを実施しても,市場化テストの趣旨である「経費の削減」にはつながらないなど,市場化テストの実施に当たっては,解決すべき課題がある。
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利益相反取引と不動産登記の添付書面

2010-10-14 12:10:23 | 不動産登記法その他
 株式会社所有の不動産について登記を申請する場合に,当該株式会社の取締役との利益相反行為であるときは,これを承認する取締役会議事録等を添付する必要がある。

 ところが,当該取締役が登記義務者であり,当該取締役が議事録に記名押印している場合,当該取締役の印鑑証明書は,添付を要求する根拠条文が異なるからということで,2通必要である,という取扱いが一部でなされているようである。

 平成16年改正不動産登記法が施行された直後には,確かにそのような議論があったが,終息したものと思っていた。しかし,一部の登記所では,現在だに,そのような取扱いがされているようである。

 平成16年改正前不動産登記法下においては,印鑑証明書の原本還付が認められていたが,改正により不可となったことから,顕在化した問題である。しかし,問題の根本(根拠条文が異なる。)は,改正前後を問わず不変であるのだから,従来1通のみで足りるとしていたものを,原本還付が不可となったからといって,2通必要であると豹変するのは,不可解である。原本還付の可否とは関係がない問題であるからである。

 また,同じ問題は,住民票を一連の申請で「住所の変更を証する書面」及び「住所を証する書面」として利用する場合にも生ずるはずである。この場合,根拠条文が異なるからということで,「前件添付」の取扱いをすることはできない(「原本還付」扱いをすればよい。)が,「住民票の原本を2通添付せよ」という話は聞いたことがない。

 登記実務は,善解理論により,極めて柔軟(ユーザー・フレンドリー)である場合と,不可解なほどに保守的である場合がある。理屈としては理解できなくもないが,ユーザー・フレンドリーに対応してよい問題であると考える。


 なお,議事録における記名押印の要否の観点からは,次のとおり解することもできよう。

(1)株主総会の承認を要する場合
 株主総会の議事録については,会社法上は署名等の義務はないが,不動産登記における添付書面としては,議事録の作成に係る職務を行った取締役の記名押印及び印鑑証明書が必要である。この理からすると,議事録の作成に係る職務を行った取締役以外の取締役の記名押印があったとしても,単なる余事記載とみることができ,極論すれば,これらの取締役の印鑑証明書は,不要と解することができよう。すなわち,2通に拘る理由がない,ということである。

(2)取締役会の承認を要する場合
 特別利害関係を有する取締役も,取締役会に出席していたとして,取締役会議事録の記名押印に名を連ねることも多いが,審議及び議決に加わらなかった当該取締役が,法的な意味で取締役会に出席していたといえるのかという問題もある。取締役会の場に在席したとしても,「オブザーバー」に過ぎないと考えられるのである。

 取締役会に出席した取締役に対して,議事録への署名等を義務付ける理由としては,議事録に異議をとどめない取締役について,その決議に賛成したものとの推定が働く(会社法第369条第5項)ことにあるが,これは,「取締役会の決議に参加した」取締役に及ぶ推定効であって,決議に参加しなかった特別利害関係を有する取締役には無縁である。
 
 したがって,審議及び議決に加わらず,単に在席していたに過ぎない取締役の記名押印は,法的には意味のないものと言える。当該取締役の記名押印は,会社法第369条第3項の射程外であり,単なる余事記載とみることができ,極論すれば,当該取締役の印鑑証明書は,不要と解することができよう。すなわち,2通に拘る理由がない,ということである。
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