司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法定相続情報証明制度の新設に係る不動産登記規則の一部改正に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通知)

2017-05-19 13:00:09 | 会社法(改正商法等)
 「不動産登記規則の一部改正に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通知)」(平成29年5月18日付け法務省民商第84号法務省民事局商事課長通知)が発出されている。


「不動産登記規則の一部を改正する省令(平成29年法務省令第20号)による改正後の不動産登記規則第247条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しについては,商業・法人登記申請の添付書面のうち,「相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面」及び「役員等の死亡を証する書面」として取り扱うことができ,申請人から添付した法定相続情報一覧図の写しの原本還付の請求があった場合においても,不動産登記通達第2の2と同様の取扱いとする。」

 平成29年5月29日以降の取扱いである。

 穏当ですね。

cf. 平成29年4月21日付け「法定相続情報証明制度に関する不動産登記通達の補遺(10)」
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法定相続情報証明制度の新設に係る不動産登記規則の一部改正に伴う供託事務の取扱いについて(通知)

2017-05-19 12:50:53 | 会社法(改正商法等)
「不動産登記規則の一部改正に伴う供託事務の取扱いについて(通知)」(平成29年5月17日付け法務省民商第83号法務省民事局商事課長通知)が発出されている。

「不動産登記規則の一部を改正する省令(平成29年法務省令第20号)による改正後の不動産登記規則第247条の規定により交付された法定相続情報一覧図の写しについては,相続人が供託物払渡請求をする場合に添付すべき書面のうち,「相続があったことを証する市町村長その他の公務員が職務上作成した書面」として取り扱うことができ,請求者から添付した法定相続情報一覧図の写しの原本還付の請求があった場合においても,不動産登記通達第2の2と同様の取扱いとする。」

 平成29年5月29日以降の取扱いである。
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会社法第22条第2項の免責の登記の抹消

2017-05-19 11:55:54 | 会社法(改正商法等)
 会社法第22条第2項の免責の登記については,下記の書籍でも取り上げているところである。

編著「会社分割の理論・実務と書式(第6版)」(民事法研究会)2013年1月刊
http://www.minjiho.com/shop/shopdetail.html?brandcode=020000000001&search=%B2%F1%BC%D2%CA%AC%B3%E4%A4%CE%CD%FD%CF%C0&sort=

編著「事業譲渡の理論・実務と書式(第2版)」(民事法研究会)2011年8月刊
http://www.minjiho.com/shop/shopdetail.html?brandcode=020000000003&search=%BB%F6%B6%C8%BE%F9%C5%CF%A4%CE%CD%FD%CF%C0&sort=


 ところで,この登記がお役目を果たしたので,そろそろ抹消したいという話が浮上したとしたら・・・。

 正直なところ,深く考えたことがなかったのであるが,現行法上は,抹消の登記はすることができないという取扱いである。


商業登記法
 (抹消の申請)
第134条 登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。
 一 第24条第1号から第3号まで又は第5号に掲げる事由があること。
 二 登記された事項につき無効の原因があること。ただし、訴えをもつてのみその無効を主張することができる場合を除く。
2 第132条第2項の規定は、前項第2号の場合に準用する。

 (職権抹消)
第135条 登記官は、登記が前条第1項各号のいずれかに該当することを発見したときは、登記をした者に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨を通知しなければならない。
2 登記官は、登記をした者の住所又は居所が知れないときは、前項の通知に代え官報で公告しなければならない。
3 登記官は、官報のほか相当と認める新聞紙に同一の公告を掲載することができる。


 商業登記法第134条第1項各号は,限定列挙であると解されている。すなわち,それ以外の理由による抹消の登記はすることができないということになる。

 果たして,それでいいのか?

 会社法第22条第1項の「事業によって生じた債務」については,単に企業取引を通じて生じた債務のみならず,事業上の活動に関連して発生したすべての債務を意味し,取引上の債務やその不履行による損害賠償債務はもちろん,事業上の不法行為に基づく損害賠償債務(最一小判昭和29・10・7民集8巻10号1795頁〔27003126〕)をも含むものと一般に解されている(江頭憲治郎・中村直人編著「論点体系会社法1」(第一法規)75頁)。

 とすると,各別の通知(会社法第22条第2項後段)をしない限り,それなりの長期にわたって「公示」する必要があるわけであるが,以後,会社が存続する限り,永久に登記によって公示し続ける必要性があるとは思われない。

 5年なり,10年なり,一定の期間が経過した後,会社の判断で,そろそろ抹消したいということを認めることについて,合理性はあると思われるのだが,どうだろうか?

 もちろん,一定の期間,登記によって公示しているので,抹消後も免責の効果は維持されるということでよいと思われる。
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