NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

江戸の段階的養育法 <六つ躾(しつけ)>

2010年05月02日 | 江戸
今日は、子育てしぐさの「三つ心、六つ躾(しつけ)、九つ言葉、文(ふみ)十二、理(ことわり)十五で末決まる」のうち、「六つ躾」についてのお話です。

数え年の三歳までに、頭と体を結び付ける心の糸をうまく張れたら、次は六歳までに、体と頭を結ぶ糸をスムーズに動かす方法を手取り足とり真似させます。お箸の使い方、服の着方、履物の脱ぎ方など、日常的な躾は六つまでにすべきというのが、「六つ躾」です。

これはエデュケーションではなく、トレーニングです。教えるものではなく、親や大人がすることを、ひたすら真似させるのです。子どもはトレーニングを繰り返すことによって、上手に美しい身のこなしができるようになります。

あいさつの仕方、迷惑をかけないしぐさ、親切な対応など、瞬時に出るように繰り返し行わせて、自然にそのしぐさが出るようにさせます。子どもは、寄り道や回り道をしながらも善悪を体認していくのです。

話は代わりますが、二宮町商工会の会長は福島県の出身です。一緒にお酒を飲むと、よく会津藩の「什(じゅう)の誓い」のことを口にします。会津藩では、藩士の子息が六歳になると、住んでいる区域ごとに什という子どもたちの組に入り、什の誓いというものを毎朝復唱していたそうです。

一 年長者のいうことに背いてはなりませぬ。
二 年長者には御辞儀をしなければなりませぬ
三 虚言(うそ)をいうてはなりませぬ。
四 卑怯なふるまいをしてはなりませぬ。
五 弱い者をいじめてはなりませぬ。
六 戸外で物を食べてはなりませぬ。
七 戸外で婦人とことばを交わしてはなりませぬ。
ならぬことはならぬものです

武士の子息の躾のためのものですから、さすがに時代錯誤の部分もありますので、会津若松市では現代版の什の誓い「あいづっこ宣言」を策定し、青少年の健全育成に取り組んでいます。

一 人をいたわります
二 ありがとうごめんなさいを言います
三 がまんをします
四 卑怯なふるまいをしません
五 会津を誇り年上を敬います
六 夢に向かってがんばります
やってはならぬ やらねばならぬ ならぬことはならぬものです

NPO法人江戸しぐさでも、2008年から「平成しぐさ・ふるさとしぐさコンクール」を実施しています。これは、江戸の人たちが育んできた人間関係を円満にする考え方や行動様式に、時代感覚にあった内容を盛り込んでいこうと実施しているものです。

今年も夏休み期間中に、お互いが気持ちよく過ごすための「平成しぐさ」、ふるさとに伝わる心あたたまる「ふるさとしぐさ」を募集する予定です。応募の詳細が決まりましたら、このブログでもお知らせしたいと思います。

(To Be Continued)

*記述の一部は、NPO法人江戸しぐさ理事長越川禮子さんの著書を参照させていただきました。
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