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フード・マイレージ

2010年05月20日 | 経済情報
最近、フード・マイレージという言葉を聞くようになりました。イギリスの民間団体であるSustainが「フードマイルズ」運動を提唱していますが、フードマイルズは消費する食料の量に食卓から生産地までの距離を掛け合わせた指標で、なるべく近くでとれた食料を食べることによって、輸送に伴うエネルギーを出来るだけ減らし、環境への負荷を軽減しようという運動です。

一方、フード・マイレージは農林水産政策研究所がフードマイルズ運動を参考に提示したもので、輸入相手国別の食料輸入量に輸出国から日本までの輸送距離を掛け合わせて算出するものです。フード・マイレージは、国民の食料の安定的な供給と確保を図っていくための政策の検討を意識したもので、諸外国との比較の下で日本の食料供給構造の特色が明らかにできるようになっています。

2000年における日本の食料輸入総量は約5,300万トンで、これに輸送距離を乗じたフード・マイレージは約5,000億トン・キロメートルになるとのことです。人口1人当たりのフード・マイレージを米国と比較すると、米国のフード・マイレージは日本の1割強の水準に過ぎないそうですから、日本のフードマイレージが異常に高いことが分かります。

フード・マイレージという概念は、地産地消を推進していく理由の一つとなっていますが、二宮町で推進している二宮ブランドの開発を理論的に補強するうえでも有効な考え方だと思います。

ただし、ハウス栽培で大量の重油を燃やしたりするのであれば、地産地消といっても環境への負荷は増すことになりますので、ものごとは常に多面的に考える必要はありますね。


*記述の一部は、農林水産政策研究所のHPを参照させていただきました。

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