1月23日の研修ネタを探していたところ、本棚の一冊から「クリティカル・マス」について記述を見つけました。「結果はなかなか出ないけれど、これまでの努力を信じよう」などと、これまでの苦労や努力を認めながら、前へと進んでいけるはずです。以下の内容を転載します。
私たちの習慣病の1つに「タテとヨコの比較」があります。頑張っている隣人に倣って、自分もがんばろうと思うことはあってもいいのですが、隣の青い芝生を恨めしく思い、競う現代病です。それに代えて、「タテの比較」をお薦めします。「タテの比較」とは、昨日の自分と比べて今日、1ヶ月間に比べて今日、1年間の自分に比べて進歩しているどうか、と考えてみることです。
他人と比べてではなく、自分のライフヒストリーをタテに眺めたときに「あぁ、自分にもこんなことができる」「自分はこんなことをしてきた」という、自己効力感や達成感にもとづく自信が芽生えます。これは、次の挑戦につながっていく健全なものなのです。
あなたは、逆上がりを、だんだんできるようになった人を知っていますか? 逆上がりなどは、懸命に練習を続け、努力を重ね、ある日突然できるようになります。このように、成果があらわれるまでに必要な知識量、練習、経験などの総量をCitical Mass(クリティカル・マス)といいます。
私たちの成長も逆上がりと同じで、成長をグラフで表すと階段状になります。努力を続けて、課題を乗り越えたときに成長するのです。一定量に達するまで進歩(成果)が見えにくいため、努力してもなかなか結果が出ず、途中で辞めてしまう人が大勢います。
たとえば、逆上がりができないから、縄跳びにしよう。縄跳びがうまく飛べないから水泳をしよう……などと、どんどんやることを変え、最終的には、自分に合うものが見つからず、自分探しに明け暮れてしまうのです。クリティカル・マスを知っていれば、努力のしがいがあります。「結果はなかなか出ないけれど、これまでの努力を信じよう」などと、これまでの苦労や努力を認めながら、クリティカル・マスを待ち望んでください。(畦柳 修著 キャリアデザイン研修 実践ワークブックより)
上記は成長していく自分を可視化した考え方です。根本に流れる考え方は、判断軸が相対的なのか、絶対的かということかなと思います。他の人との比較で自分の幸せを確かめたりしていると、その時の世の中の空気や、その時々の感情に流されたりして、自分自身が不安定になるように思います。去年の自分より1%でも良くなっていれば、自分を認める。そんなことの方が、大切かと思います。