67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

Another Swingin' 2 Trumpets

2006-08-23 00:01:19 | jazz & vocal
Trumpet Battle/Roy Eldridge & Dizzy Gillespie
(Verve MGV8109)


 一昨日のエジソンとクレイトンの2トランペットと同様の企画かも知れませんが 今日はロイ・エルドリッジとディジー・ガレスピーのコンビをアップしますね。  "Little Jazz"ことロイ・エルドリッジはスイングエラから活躍し、トラディッショナルなトランペットスタイルとコンテンポラリースタイルの狭間を埋める名手ですが、彼はレッド・ニコルス、レックス・スチュワートそしてルイ・アームストロングを影響を受けたアイドルに挙げています。一方、ロイのトランペットの影響を受けて台頭して来たのがディジー・ガレスピーです。Teddy Hill楽団のトランペットプレーヤーとして活躍していたロイはFletcher Henderson楽団に移るわけですが、そのトランペットチェアを射止めたのが、フィラデルフィアに移って来てロイの模倣とまで言われたディジーだったのです。  

 このアルバムを聴いてみると、2人のアプローチが極めて似ている事にきづき、自分の耳では聴きわけの判断がつきません。ましてやクレフシリーズのモノ盤で"Trumpet Battle"のタイトルが示すようにおり重なって登場し両者は全く分離してません。さらに両者がハーモンミュートをつけてたりで余計に迷ってしまいます。鋭い切り口で、ややハイノートをヒットする傾向があるのがディジーでしょうか?ガレスピーがロイをアイドルとしていただけあって聞き分けが本当に難しい感じがします。唯一、サイドBのグランツ御得意のバラードメドレーが奏者が記載されており、解決する糸口ですが、それでも両者が演奏する3曲(I've Found A New Baby, I Can't Get Started, Sometimes I'm Happy)では区別がつきかねます。リズムセクションはオスカー・ピーターソンのピアノ、ギターにハーブ・エリス、レイ・ブラウンのベース、ルイ・ベルソンのドラムスの当時のVERVEのハウスリズムセクションです。


The Trumpet Kings/Roy Eldridge & Dizzy Gillespie
(Verve MGV8110)


 番号1番違いでこのアルバムもリリースされています。これも同趣向のアルバムですが、A-3の"Pretty Eyed Baby"では良い悪いは別として両者のボーカルバトル、(こんな言葉はないですね)デュオが聴けます。ほとんどがスキャットと片方がミューティドトランペットでオブリガートをつけるというスタイルです。こういうのを録音してしまうのが当時のグランツ、余裕の企画ですね!

風邪ひき声のMary Mulligan

2006-08-22 03:01:08 | jazz & vocal
Midnight Session/Mary Mulligan
(Dot DLP25254)


 Mary Mulliganについては情報が極めて少ないですが、ニューヨーク出身の子持ち女性シンガーであり、どうやらこのアルバムがデビュー作と言う事でしょう。声質はハスキーと言うよりはしわがれた風邪ひき声に近いでしょうか?、時にはリー・ワイリーやフランセス・ウェインのようにも聞こえます。

 このシンガーをバックアップするBud Freeman5重奏団の演奏が聞き物になっており、全10曲中に彼女のヴォーカルが聴けるのは4曲です。後はBud Freeman Quintet【Bud Freeman(ts), Dick Cary(tp), Jimmy Jones(p), Leonard Gaskin(b), George Wettling(ds)】の演奏が6曲で、インスト/ボーカルが交互に現れる趣向です。Maryは"A Foggy Day", "I Got it Bad And That Ain't Good", "They're Playing Our Song", "Try A Little Tenderness"を結構ジャジーに唄ってくれてて風邪気味の声にも慣れてきます。これが個性でしょうが、"A Foggy Day"の料理の仕方などなかなかのモノです。

 Dotのボーカルもあまり所有してないですが、Dotにしては上出来のカバーじゃないでしょうか?コントラバスとサックスの向こうで微笑む美女のカバーなんですがバックカバーのMaryのポートレイトと比べると、表の女性は単に美人モデルでも使用した感じで、Maryじゃないと思うのですが・・・

(追記)
サイケおやじさんからバックカバーのMary Mulliganをアップしてよとのコメントを戴きましたので。下がそうですよ! やはりフロントカバーとは別人に見えるのですが・・・



Swingin' 2 Trumpets

2006-08-21 00:34:49 | jazz & vocal
Harry Edison Swings Buck Clayton and vice versa/Harry Edison
(Verve MGVS-6016)


 ハリー・エジソンとバック・クレイトンはともにカウント・ベイシー楽団のブラスセクションを勤めた重要なプレーヤーでしたが、彼らのベイシー楽団での競演は初期の録音で聴けるのではないかと思います。(思いますと言うのはこんな古い録音は多分所有していないからなんですが・・・)このアルバムのライナーノートによればクレイトンとエジソンの競演は、テナーのLester YoungとHerschel Evansの競演に匹敵するようなベイシーバンドの目玉的存在であったと記載されています。

 このアルバムはその両者の再会セッションとも言うべきアルバムで、40年代前半以来の両者の競演が聴かれます。メンバーは2人のトランペットに加え、当時エジソンのレギュラーグループに居たテナー奏者ジミー・フォーレスト、リズムセクションには”ザッザッザッ”のフレディ・グリーンのギター、ピアノには長らくサラ・ヴォーンの伴奏をつとめていたジミー・ジョーンズ、ジョー・ベンジャミンのベース、チャーリー・パーシップのドラムの面々です。かなり渋好みのメンバーですよね。B面はVERVEのblowing sessionではおなじみのバラードメドレー、メイキンフーピー等が収録されていますが、A面はすべてエジソンのオリジナルで固められて、両者とフォーレストのblowingが聴かれます。

 所有盤はVerveのstereophonicレーベルです。カバーが秀逸だと思ってバックカバーを見てみるとBurt Goldbatttの文字が・・・。さすがですね!

ベティ・カーターの1st Album

2006-08-20 03:34:30 | jazz & vocal
Meet Betty Carter and Ray Bryant/Betty Carter
(Epic ECPZ7 jp reissue)


 Betty Carterのプロ・デビューは結構古く1948年にライオネル・ハンプトン楽団で”バップスキャットを唄い始めたと言います。当時は、バップ花盛りの時代でハンプトンは彼女に“ベティ・ビバップ・カーター”の愛称をつけて売り出したと言います。現在の、ホーンライクで即興性の強い彼女のボーカルスタイルはこの辺りが下地になっているのかも知れません。この時代の黒人歌手がすべて影響を受けたビリー・ホリデイをアイドルとし艶のある声で唄うスタイルは勿論ですが、彼女のスタイルはそのイントネーションと器楽的なノリの独特さにあると思います。

 昨日のプィル・ウッズに続いて再びのエピック国内盤再発ですが、本日は事実上の1st albumともいえる"Meet Betty Carter and Ray Bryant"をアップします。タイトルからもわかるように、ピアノのレイ・ブライアントとの共演【Wendell Marshall(b), Jo Jones(ds)】で、一部の曲ではJerome Richardsonのフルートが入っております。全12曲の構成で、ベティのボーカルが聴けるのが6曲【"Moonlight In Vermont", "Thou Swell", "I Could Write A Book", "Gone With The Wind", "The Way You Look Tonight", "Can't We Be Friends"】、レイのインスト曲、6曲からなります。Vermont~はリリカルなボーカルで出だしから艶やかな声にニンマリしてしまいますし、急速調のThe Way You~やThou Swellでのバップスキャットなど彼女の真骨頂と思います。レイのピアノ伴奏の巧みさは言うまでもありません。リチャードソンのフルートもいい味をだしてますね。

 この国内再発盤もなかなか入手困難な一枚でした。ロゴだけのカバーですがカラーセンスの良さが光ります。

Volkswagen Meeting 2006

2006-08-19 07:29:30 | Volkswagen

 あれから2年経ちます。今年も遂にビンテージVWの全国的イベント、”フォルクスワーゲンミーティング2006”が富山で開催されます。 今度のイベントは9/10(日)という、夏休み終了後のイベントでちょっと参加が厳しいかなと考えておりましたが、秋のCMCキャンプイベントが子供たちの運動会で参加が厳しいため、この富山のイベントに無理して参加する事にいたしました。前回は台風襲来の中、キャンパーで富山に出発、台風九州上陸の中、帰高するというハードスケジュールでした。富山へは片道700km超、はっきり言って遠いです。 今回はエントリー締め切りをすぎていたのですが、主催のバグワークスさんの御厚意もありエントリーを受け付けてもらいました。今回は、66bugでの一人旅ですが、安全に気をつけて参加したいモノです。 (画像は2004イベントのモノです。)

Volkswagen Meeting 2006
■日時:2006年9月10日(日) 9:00 ~
■会場:IOX-AROSA TOYAMA(イオックスアローザ富山)
■入場料:無料(駐車場1,000円/台)
■内容:カーショー&スワップミート、チアリーディング、VWクイーン

ホワイトパーカー、フィル・ウッズ

2006-08-19 03:00:27 | jazz & vocal
Warm Woods/Phil Woods
(Epic ECPZ-8 jp reissue)


 ジャズ・アルトサックスについて語ろうとすると、必ずパーカーの話からはじまるほどにバードことチャーリー・パーカーは偉大であったといいます。実際、そのアルバムをたくさん所有してるわけでもなく、晩年のリスニングに耐えうるアルバムが数枚がレコード棚の中にひっそりと置かれているにすぎません。それすらターンテーブルに載る機会は極めて少なく、むしろ彼の模倣者たち、パーカー派のアルトイストを聴く機会の方が圧倒的です。白人では、その第一人者が本日の主役、フィル・ウッズです。多くの有名盤から、今日はエピックのワンホーンアルバムをアップしますね。

 プィル・ウッズの演奏は50年代後半に一つのピークを迎え、プレステッジ、RCAそしてこのエピックなどに快演が聴かれますが、この50年代最後のリーダーアルバムがこの"Warm Woods"です。エピックには、もう一枚有名なジーン・クイルとの熱いバトルを収録した"Phil Talks With Quill"という大有名盤がありますが、この日の録音とその直後の別のセッションをカップリングして出たのが本アルバムです。Bob Corwin(p), Nick Stabulas(b), Sonny Dallas(ds)のリズムセクションを従えたワンホーンアルバムである事も注目で、フィルのウォームなトーンを駆使したパーカー派のアルトプレイを堪能できる構成です。演奏曲も"In Your Own Sweet Way", "Easy Living". "I Love You", "Like Someone In Love"等のスタンダードと"Squire's Parlor"、"Walz For A Lovely Wife"などのフィルのオリジナルがバランスよく配されており、スタンダードでは哀愁のあるリリカルなプレイが、オリジナルでは時にアップテンポで吹きまくるプレイも楽しめ、この時期、フィルがいかに好調であったかが伺い知れます。

 ジャケはというと、若きフィルが子犬を小脇に抱えて暖炉の前でたたずむショットが使われていてなかなか好ましいカバーです。所有盤は当然の国内盤再発ですが、このオリジナルは確か相当な高値をつけていたように思います。国内盤も結構見かけないですが、最近はCDで容易に聴けるアルバムですよね。

TBMの中本マリ

2006-08-18 02:23:34 | jazz & vocal
Little Girl Blue/中本マリ
(Three Blind Mice TBM-2533)


 TBM(スリーブラインドマイス)は日本のジャズシーンを語る上で、絶対にはずせないインディーズであり、これはボサノバ黎明期のエレンコにも少しにたところがありますよね。1970年に設立し、30年間で130枚のアルバムを制作しており、日本ジャズ界の新人発掘、今やbig nameとなったスターの初期の録音もみられます。本日はこんな中からジャズシンガー、中本マリのアルバムをUPしますね。

 中本マリのTBM第2作と思います。彼女は、一枚目の”アンフォゲッタブル”で既にその実力は知られていたのですが、ここでも独特のハスキーボイスと日本人としては類い稀なスローブルースのうまさが披露されています。フラット気味の音程も健在で、ライナーを書いた小川氏の言葉を借りると、若い頃のクリスコナーを彷彿させるとのことです。確かにそんな感じもありますね。アルバムはRodgers&Hartのタイトル曲"Little Girl Blue"からミルト・ジャクソンの"Bag's Groove", レオンラッセルの"A Song For You"まで意表をつく選曲でブルージーなスローナンバーが中心で彼女のうまいヴォーカルを堪能できます。当時のクラブ出演のレギュラートリオ(横内章次のギター、稲葉国光のベース、ジミー竹内のドラムス)に加え、田代ユリのハモンドオルガンが伴奏に加わり手堅いブルージーなバッキングが光ります。随所で聴かれる横章のギターソロと田代のオルガンソロも良いですよ。



 彼女のステージは、もう3度は観たと記憶していますが、楽しいトークもありで、また行ってみたいモノですね。画像は2003年に高知で唄ったときにこのアルバムのバックカバーにいただいた彼女のサインです。今後も御活躍を期待しています。

合掌!デューク・ジョーダン

2006-08-17 00:05:04 | jazz & vocal
Flight To Denmark/Duke Jordan
(Steeple chase RJ-6004 jp reissue)


 この8/12 デンマークで一人の巨匠が逝ってしまいました。いよいよ当時の生き証人はいなくなってきましたね。学生時代、新潟に出来たジャズ・フラッシュというジャズ喫茶で初めてジョーダンを聴きましたね。フラッシュは開店当時、マスターのS氏とその友人?釧路出身のHさんでやっておられました。Hさんが釧路に帰る日、店で流れていたのがここでアップした超名盤のFlight To Denmarkでした。美しいピアノトリオの演奏、そこはかとない哀愁、雪景色にたたずむ例の眼鏡をかけたジョーダンが遠景でうつされたカバー、どれをとってもすばらしく、その後すぐにレコード屋さんで購入した覚えがあります。Hさんお元気でしょうか?たしかあの日バイクで帰られると言っておられたように思います。

 このアルバムについては、説明の必要はないでしょう。A-1で危険な関係のブルースが再演されています。他にも、Everything Happens To Me、Here's That Rainy Dayなど珠玉のスタンダード集です。タイトル通りのデンマーク録音で、ベースは白人若手のMadds Vinding, ドラムはピーターソントリオで活躍したEd Thigpenです。ピアノトリオのアルバムとして、美しい楽曲とジョーダンのプレイのコンビネーションでビギナーの方も簡単に入っていけるアルバムだと思います。

 自分の所有盤は国内盤再発ですが、当時スティープルチェースはデンマーク盤も購入できたのですがオリジナルがペラペラのジャケットでどうも好きになれず、国内盤の方を購入した記憶があります。70年代以降のヨーロッパを代表する、ジャズレーベルですよね。

'77年、ボクはマイケル・フランクス・マニアだった!

2006-08-16 00:30:07 | jazz & vocal
Sleeping Gypsy/Michael Franks
(Warner Bros. P-10306 jp reissue)


 これはジャズか?でもポップボーカルも守備範囲にしている我がブログ、当時を席巻していたクロスオーバーミュージックとして紹介されたマイケル・フランクスを上げても大間違いではないでしょう。おそらく今ジャズ吉として君臨しているおやじ世代には、このやや中性的なボーカル(みんながチェットベイカー風と評した)とバックの演奏に魅せられていた輩がいるのではと思います。

 先日、シルビア・テレスのログに初めてコメントをしていただいたソフィアさんが良い曲に上げていた”アントニオの唄”を収録しているのが本日のアルバム”スリーピングジプシー”です。日本盤ライナーを書いている”かまやつひろしさん”(彼もマイケル・フランクスマニアですよね!)が一押しの曲として上げているナンバーです。ご存知のとおりボッサの帝王、アントニオ・カルロス・ジョビンに捧げた曲ですよね。この美しい曲とアンニュイなマイケルのボーカルだけでも必聴ですよ!このアルバムは’76のデビュー作"The Art of Tea"につづくセカンドアルバムです。デビュー作同様に当時のクルセイダース(ジャズの名はもうなくなってしまって、サザンの歌詞でも有名なラリー・カールトンが入っています)がバックでマイケル・ブレッカーやデビッド・サンボーンもバックミュージシャンという当時としては超豪華バッキングです。

 このアルバムのリリースされた77年、あえてタイトルに“ボク”と書いたように20歳前だったと思います。東京の彼女のアパートの安プレーヤーからリピートをかけて流れてたのがこのスリーピングジプシーとアートオブティーなんです。この2枚の後も次々とクロスオーバー的なアルバムがリリースされましたが、この2枚を越えるモノはなく、そういう意味で77年ボクはマイケル・フランクス・マニアでした。その後、自分はどんどんメインストリームジャズに傾倒していきました。その彼女と別れたのも言うまでもありません!(笑)

Vice Pres! Paul Quinichette

2006-08-15 00:14:45 | jazz & vocal
Moods/Paul Quinichette
(EmArcy MG36003)


 Presとはテナーの巨匠、レスター・ヤングですが、彼とソックリに吹く事から“バイス・プレス(副大統領)”と呼ばれているのが、皆さんご存知のポール・クィニシェットですよね。彼はコロラド州デンバーの出身ですが、カンザスシティで活躍し、ベイシー楽団の重要なメンバーでもありましたよね。ベイシーアイツのプレステッジ盤やドーン盤が有名ですが、エマーシーにもこんな良いアルバムがありますよ!

 サイドAはラテンフレイバーです。ハービー・マンとクィニシェットのフルート、テナーのソフトなアンサンブルと3人のパーカッショニスト(Tommy Lopez, Manny Oquendo, Willie Rodriguez)の競演が聴かれます。さらにアレンジャーとしてアナザー”Q”、若き日のクィンシー・ジョーンズが参加し、3曲のオリジナルを提供しています。サイドBは、当時のレギュラーグループの演奏です。Sir Charles Thompson(p), Harold Wing(ds), Jerome Darr, Barru Galbraith(g), そして若干19歳のPaul Chambers(b)の演奏が聴かれます。フルートはサム・モストです。

 おそらくエマーシーのオリジナルだと信じています。バックカバーはモード盤などにも見られるblue~navyの文字・画像が印象的です。コーティングは当時のエマーシー盤としては良く残っています。ご存知の方も多いと思いますが、古いエマーシーのコーティングは小さな泡状の白けが見られるモノが多いですよね。なんであんな風になるのでしょうね?