黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

シーラカンスの生き方

2013年05月09日 15時44分35秒 | ファンタジー
新聞記事からの話題 
 シーラカンスのゲノム解読に関し、米ブロード研究所のジェシカ・アルフォルディ氏がフランス通信(AFP)に説明した内容とは。
「シーラカンスは、他の魚類や陸上の脊椎(せきつい)動物と比べて、全ての遺伝子で進化の速度が極めて遅い」
 研究チームはアフリカのコモロ諸島で捕獲されたシーラカンスについて、人間とほぼ同じ三〇億の塩基対(えんきつい)の配列(遺伝子情報のパターン)を調査。このうち、他の生物とも共通する二五一個の遺伝子配列の変異(進化)した跡を調べた結果を元に、魚類のほか、哺乳類や鳥類など、陸上で生活する四肢動物と比較したところ、シーラカンスは進化がほとんどみられなかった。これにより、両生類と同様に肺呼吸を行う肺魚の方が、シーラカンスより四肢動物に近いことも初めて分かった。
 また、シーラカンスの遺伝子情報には、まだシーラカンスが備えていない胎盤や指の形成に関わる部分も確認された。実際には進化していく可能性があったのに、あえて進化を避けるかたちで数億年にわたって「種」の保存を果たしたとも言えそうだ。
 適者生存が原則とされる厳しい生命の歴史の中で、シーラカンスはなぜ、ほとんど進化することなしに、今日まで生き延びられたのか?
 ブロード研究所のカースティン・リンドブラッドトー研究員は、シーラカンスが深海の洞窟などの極端に安定した環境に生息し、大きな進化を遂げる必要がなかったのではないか、と分析している。
 進化しない生き方というのはどんな感じがするのだろう。
 自分を複製して増殖する一倍体生物ならいざ知らず、異なる生体(雌雄)の遺伝子を選び合って繁殖してきた二倍体生物が、何億年経っても大昔の姿形とまったく違わないなんて、不自然すぎるのではないか。普通ならそんなに長い間じっとしていたら、退化の坂を転がり落ちて滅亡してしまう。案外、見つかったシーラカンスは、死を義務づけられた二倍体生物なのに、一倍体生物の不老不死をかちとって、何億年も生きながらえている個体だと考えた方が理屈に合いそうだ。(2013.5.9)

コメント
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