黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

意識に差があるのか

2013年05月22日 14時52分06秒 | ファンタジー
 
 そもそも形がない意識とは、その意識を持つ個だけが知り得る世界。ところが、その世界はあまりにも茫漠としていて、自身の意識さえ実態を把握しようとすると、かなり困難を極める。その難しさこそが、ヒトの世界に文学や芸術をもたらしたのだと誰か言ったことがあるだろうか。
 その一方で、姿形がないのなら、個の力でどんな姿にでも作り替え、昇華させることができるはずだ。なのに、現実の様々な経験を通じて、この意識を鍛錬して、宇宙大にまで可能性を広げようとする者は、あまり見かけない。古色蒼然たるつまらない伝統や格式、差別的固定観念の神話に縛られて、自分の体裁ばかりこだわっているうちに、意識変革するチャンスをみすみす逃したうえ、自分の中にある大きな可能性に気づかないまま、朽ち果ててしまう。
 そういう時代錯誤の意識が公のメディアを使って論評するとき、矛先を向けられた側がこうむる迷惑ははなはだしく大きい。たとえば、ネコやイヌはそもそもヒトに比べ知能が劣った下等な生き物であるとか、ヒトの中にも高等な者がいる反面、高等ヒトから恩恵を受けて生きるヒトまで大きな差があるとか、そういう下等ヒトの存在を隠さずに上手にもっと活用すべきだとか、とんでもない差別的意識の披露合戦が勃発している。はっきり言っておくが、ネコだって、こんな低次元な物言いをして、ネコやヒトをバカにしたりしない。
 こんな風に、とのが怒り心頭なので、「残念ながら、ヒトの中には、ネコやイヌより劣った意識しかもたない者も大勢いるんだ」と慰めたところ、
「ちょっと待て!その言い方はイヌネコを侮辱する差別的言動だ」と、とのの怒りに油を注いでしまった。
「IPS細胞の研究にとやかく注文付けるわけではないにしろ、ヒトの意識レベルの低劣さに目をつむって、遺伝子ばかりいじっているうちに、とんでもない怪物を生むことにならなければいいんだけど」
 とのの弁にも、差別的内容が若干含まれているような気もするのだが。(2013.5.22)
 
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はなはネコ?

2013年05月22日 11時57分15秒 | ファンタジー

 以前にも書いたことがあるが、一倍体(一組の染色体)の生物というものはよくわからない。たとえばミドリムシ。体が二つに単純分裂してどんどん増えていく。倍々の増殖効率は、二が一を複製する雌雄異体の生殖、いわゆる雌雄合体して子を作るのに比べ、格段に優れている。生物が進化するにつれ、こんなに効率がいい増殖方法を捨て複数体へ移行するのは、生活環境が悪化しいったん病気になると、同じ遺伝子を持つ一倍体生物はひとたまりもないという理由だけなのだろうか。
 そのことよりもっと理解しがたいことがあると前に書いた。分裂し続ける一倍体生物には個体の死はないのだけれど、つねに自分が半分に分裂する連続運動を余儀なくされる。自分が分裂して二つの自分になるというのは、どういうことなのか。そのときこれまでの自分はどこへ行くのか。自分が何かをしたいと思っても、分裂したらそれもできなくなるやもしれない。当然、親も子も兄弟姉妹も誰が誰やらわからなくなる。何という混沌か。底知れぬ孤独に陥りそうだ。今日はこんなことを書こうとは思っていなかった。たまたま書きかけの記事を見つけたので、寄り道をしてしまった。
 タイトルに沿った話題をひとつ。はなの記事はとのに比べ、格段に少ない。とのと出会って、今年で二十六年目、はなとは八年のつき合いしかないからなのだろうか。
 実は、とのは母さん子だった。父さんは遊び相手。一方、はなは、母さんに甘えることはほとんどなく、いつも父さんの動きを気にしている。父さんに対して、親に抱く意識をいくらか持っているような気がする。ところが、先日、母さんが旅行で一週間ばかり家を空けたとき、はなの行動は普段とまったく違っていた。父さんが家にいる間、ほぼ父さんにくっついているか、鳴いているかのどちらかなのだ。この様子は、とののときとまったく同じ。やはり、はなも母さんがいないと寂しくてたまらないのだ。
 ところで、はなには、動物的な勘というものが感じられない。大きめの地震が起きても、えっなあに?とけげんな顔をするだけで逃げようともしない。夜遅く、夫婦ヒトが会話し始めると、ヒトふたりとネコ一匹が三角形の頂点に陣取る形になる。はなは、その位置で耳や鼻をぴくぴくさせている。ネコというより、もう少しヒトに近いような、ヒトの理性を理解できるような、まもなくしゃべり出しそうな、そんな気がする。これからどんな変貌を遂げるか、逐一お知らせしたい。(2013.5.22)




 
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