とくに書き置くことでもないが、ある家族の日常茶飯の騒動を耳にしたので一言。
その家族は4人構成で、妻(ときには子の母、または息子の嫁)のほかは、男ばかり3人。余談だが、娘婿というのはよく耳にするが、それに対し、息子の嫁をいう用語は聞かない。家事を中心的にこなす婦人を家婦という言い方があるらしい。嫁もその一人ではある。
ところで、その家の家婦は、朝から朝食だけでなく、夫と子供の昼用の弁当を作り、そのうえ舅の昼飯まで心配し、午後からは晩飯の準備に取りかからなければならない。買い物を含め何時間もの労力を投じてやっと料理を終えたものの、その夜、食する段になって、男3人によって料理一切合切がきれいに平らげられるまで、ものの5分とかからない。まさに獣が皿まで食らい尽くすかのような凄惨な光景だ。家婦はその有様をとても正視できないらしい。涙がこぼれるほどみじめな気持ちになるという。
獣の食事はこれで終わるわけではない。夜もずいぶん更けたころ、男たちは「なんだか腹減ってたまんない」と言い出す始末。家婦は、いい加減にしろとわめき散らしたいのを我慢するのに精根尽き果てるという。
これらのことは、どの家にもあって、大した問題でもなんでもないが、改めて言うまでもなく、男どもは、家事、育児などの家内仕事を若いうちからちょっとでもやってみるのが身のためという話。この年になって経験がないことに気がつくのは、はなはだ遅い。
ともかく、家婦の皆様には、それが獣であろうと、家族の満足した顔を見るだけで良しとする寛容な配慮をいただきたい旨、切にお願い申し上げる次第。(2017.12.6)