がつがつ食う じんじん痛む

　２０日は『との』の命日。家族が元気に暮らせるようにと祈る中、この日、特別な感情が湧き上がった。
　はなが急に食べなくなり、一気に体調が悪化してから２週間あまり。この数日、はなの食欲は一定程度回復し体重も元に戻した。はなの予想を超えた回復力には、父さん母さんだけでなく、動物病院の先生にもちょっと想定外だったようだ。
　高齢者の家庭なら、各々がいつ、いかなるとき具合が悪くなるかわからない。それを回避するのはむずかしい。肝心なのは、家族が倒れたときどうするか。
　この２週間、信じられないことだが、父さんは、はなの食事、オムツ取替え、おしり洗浄、病院通いなど、ネコ介護士に変身した。病院の先生は、そのことを知ってか知らずか、毎日病院通いする父さんに対し、無言の敬意を表してくれた。
　今日、誰一人死なせられない、といった感情が突如やってきた。今夜、はなは焼き魚をがつがつ食べた。父さんは、食べやすいようにと思い皿を持っていたら、指まで食べられた。ここまでひどく噛みつかれたのは初めて。夜になってもまだ、右親指の先がじんじん痛む。（2022.12.20）

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