心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

楽しいことは人の和の中にあり

2007-11-02 | つれづれ
                  「楽在人和」(K様所蔵)



人は一人では生きていけない生き物なんだなぁと、感じることがある。

愛知県岡崎市にある西居院に、廣中邦充さんというご住職がいらっしゃる。
さまざまな悩みや問題を抱えた若者たちを預かり、時には厳しく時には優しく
‘包み、やがて彼らは、自分を取り戻し社会へと旅立っていく。

子供たちの心の傷の原因のほとんどが、家族とのコミュニケーション不足。
大人が抱えるさまざまな事情は、いたしかたないこともある。
大人だって親だって、完璧なんてあり得ないし。

でも子供が欲しいのは、親からのたった一言だったりする。
そしてその逆に、たった一言で大人の想像以上に傷つくことだってある。

人は一度は考えることがあるんじゃないかな?
「私は何の為に生まれてきたんだろう」って。

「お母さんの子供に生まれてきてくれてありがとう」
たったその一言を、生きる力に変えられることだってある。
そんなたったその一言を待っている子供、子供に限らず人は本来、
誰かの為に生きたいと思う生き物なんじゃないかなって思う。

だから、人は一人じゃ生きていけない。
誰かの為に生きていない時は、きっと心のどこかに隙間風が吹いている。

昔読んだ、ヘンリー・ミラーの「南回帰線」の一節に、
「今僕がひたすら望んでいることは、存在すること(to be)なのだ。
どうか忘れないで欲しいが、この不定詞は中国語では<他動詞>なんだよ」
というのがある。

「私」が存在するには、誰かが必要ということなのかな。
コメント
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