心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

「想う」

2007-11-13 | 前衛・抽象



ふと、人の一生って何なんだろうと想う時がある。

生れ育った環境、生きた時代、出会う人々や遭遇するさまざまな出来事、
そしてそのタイミング、そのひとつひとつの偶然の中で、私たちは
たゆたっているのだろうか。

誰かと同じように幸せに生きたくても、自分ではどうにもならない中でしか
生きられない人生を強いられることもある。
その絶望の中でも、人も、生あるものは全てが生きて行かなきゃならない。
と言うより、生かされている。

もっとほかの人生があるはずなのにとか思っていたら、前には進めないし
目の前の幸せさえ見つけられないまま生きるしかなくなってしまう。

けれど。 なぜ、誰が、何のために私を生かそうとしているのか・・。
それは本当は探すべき問いでもなければ、答えもない問題なのに、
苦しい時はそんなことばかり考えていた。

写真は‘95年頃の作品~「想う」
この頃は、版画用のローラーや、これは紙切れを用いてネオカラーと墨を混ぜた
ものを使って書いていた。
今見ると神経質でどこか病的。けれどそのモヤモヤした気持ちが出ているのかな。
普通に考えたら十分幸せのはずなのに「生きる」を迷ってばかりだった・・あの頃。

きっと今も、この作品のどこかは私の中にあるんだと思うけど、
だからこそ、自分にないものを求めて、太くおおらかで屈託のない世界を
追い続けているんだと思う。

よく「人は変わらないものだよ」ということばを聞く。
でも私はそうは思わない。

諦めて、こんなもんさって思ったら変わらないけど、なりたい自分を信じて、
想って、探し続けたらきっと変われる。

今久々にこの作品を見ると、痛い気持ちが懐かしく、いとおしい気がする。
生きるって、今を生きるしかないんですね、きっと。

コメント (2)
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