'97の作品。「JAZZ」(90cm×180cm)
JAZZバイオリニストの寺井尚子さんが、こんなことを話されていた。
「譜面を見ながら弾く曲はJAZZじゃない。それは、誰かから湧き出てきた
ものをコピーしているだけで、自分の中から湧き出てきたものじゃない。
JAZZは、自分から湧き出るものよ。」
うんうん、わかるわかる。。
だって書も同じ。
書の世界では、公募展出品作品でさえ師のお手本を頼って、自分で文字を調べたり、
感じたり創造したりすることもなく・・なんてこともある。
だいたい漢文を書いているのに、どんな内容の詩なのかもわからないまま書いている
方もたくさんいらっしゃる。。
せっかくの晴れ舞台なのにもったいないって思ってた。
書は教育なのか、それとも芸術なのか。
そんなことにこだわって、若かりし頃は諸先輩と熱く議論したこともあった。
でも今は、むずかしい理屈を議論する暇があったら、ともかく書いてみようよ!って、
伝えたいのかもしれない。
書を始めた頃はその先の遠さに途方にくれて、落ち込んで、もうやめちゃおうかな
と弱気になったこともあった。
でもやっぱり書が好き。
どんなに頑張っても師のような、立派な書家にはなれないけれど、自分自身が
書と関わることで自分の居心地のいい場所を見つけられたことを、私なりの
表現方法で誰かに伝えたていきたいって思う。
綺麗にとか、上手にとか思うと、いつまでも書けない。
恥ずかしいとか、筆は持ったことがないからとか、字は下手だからとか、
そんなことは気にしないで、あっけらかんとJAZZのように書けばいい。
思いがけずいいものが書けたら、我ながら?って喜びが、きっと新しいエネルギーを
生むはず。
そう 書も、人生も、JAZZでなくちゃね~
*英和辞書でJAZZと引くと、威勢のいいこと、元気、熱狂とあり、
国語辞典で引くと、即興演奏が特徴 とありました。