心の免疫力~書とことばから

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求めて~ by 沙於里

甲骨文から感じること

2007-11-03 | 書の話


早くも霜月3日。
先月、大好きな木簡のことは少し書いたけど、書の歴史の順番からしたら甲骨が最初。
今日は文化の日でもあるので、しばし甲骨文の話にお付き合い下さいませ。

甲骨文字、一度位はどこかで見かけたこと、ありますか?
中国は殷代の甲骨文は、現存する最古の漢字。
亀甲や牛・鹿・羊などの主に肩甲骨に刻されていたもので、正確には「亀甲獣骨文」。

古代人にとって、天(神)は絶対であり、大事なことを決める時は全てを
占いによって天に尋ねていたらしく、その際使われていたとされている。
たとえば亀甲に穴をあけてその部分を焼いて、その亀裂の状態で吉凶を占ったり。
亀裂ということばも、ここから生まれたと辞書には書いてあった。なるほど・・。

つまり殷代の人々にとっては、小刀で字を刻すること自体が祈りであり、
だから今見ても、その単純な直線から、言霊を感じるのかもしれないと思った。

そんな歴史を知ると、甲骨文の見方も変わってくる。

書を学ぶということは、ただ文字を書き写すことじゃないし、
きれいで整った文字だけが書でもない。

それぞれに個性を持ち、それぞれが何かを発信している。
書を学ぶということは、それを感じるアンテナを広げることでもある。

私はよく師に言われた。「引き出しをたくさん持て」と。
知識としての引き出し、技術の引き出し、そして五感の引き出し。
書を学ぶことは、人としての学びでもあるんだなぁと、日々感じる。

きっと人と人も、お互いを知れば見方も変わってくるはず。
なんだ、そうだったんだ・・と、心の扉も開けてくることもある。

何事も学ぶとは、そういうことなのかもしれない・・ね。


コメント
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