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2022.10.9 『北朝日』(226m) ~『取拂山』(とりはらいやま・390m)  どこまでも続く笹の海

 

 9日(日)の朝は、

新冠町朝日地区の広い牧草地に隣接した、

気持ちの良いところで目覚めた。

Hiromiはこの日も前日と同じく、

夕食後から朝まで、

ずうっと眠り続けた。

しかもこちらが起こすまで起きない。

疲れているんだろうねえ・・・

 車中泊地は牧草地の端に伸びる舗装道路脇だったが、

前日の夕方からこの日の朝までに、

そこを通った車は3台のみ。

静かでいい場所だった。

 今回の二座は地理院地図を眺めていて、

ふと目に留まったもの。

はじめは最寄りの道々から、

最短距離で「取拂山」を狙おうと思ったが、

もう少し範囲を広げて地図を眺めると、

その南の尾根上に「北朝日」(四等三角点)があったので、

この二つの三角点を結んでみることにした。

 車中泊地をそのまま駐車地として、

7時25分、スタート。

すぐに牧草地に入り、

約100m歩いて藪に入った。

その後は「取拂山」まで、

約3.5kmの尾根筋を、

一貫して藪漕ぎで進むことになる。

藪が薄いことを願うばかりだ。

 牧草地から尾根の末端に取り付くと、

少々濃い笹薮だったので、

一瞬「ヤバいかな?」と思ったが、

少し高度を上げると当初よりは薄くなった。

その中にどういうわけか、

この辺りには自生していないはずの、

杉の木が数本目について驚いた。

Hiromiなんか、

そんなの全然関係ない顔して歩いてるけどねえ。

 広い笹原では下山時ルートを逸脱して、

面倒なことにならぬよう、

要所にピンテを付けて進む。

そして一旦古い作業道跡に出た。

但し長くは続かずまた藪に入り、

急登を経て、

8時15分、四等三角点「北朝日」

この辺りはいまだに緑が美しい。

 一旦前述の作業道に戻り、

それが利用できないか、

再度進んでみることにしたが、

やはり藪と変わらないばかりか、

方向を変えだしたので、

再び藪の尾根筋に戻った。

軽いアップダウンが続く、

尾根筋の針葉樹林では、

トドマツの幹にヒグマの爪跡が残る。

しかもそれが目にするほとんどの木に残されていた。

こんなに爪跡が残る林は初めて見た。

ヒグマの影が濃い地域らしい。

 今回の尾根筋は、

一貫して周囲が美しく、

歩くのが大変楽しい。

時折木の間越しに遠くの風景が見えるのもいい。

そんな中で新冠町の風景も見えていた。

この前日は新冠町の、

「レコードの湯」の駐車場から、

こちらを眺めていたことを思い出す。

 終盤は雰囲気の良い尾根筋を登り、

青空が見える開けたところに出た。

すると前方にピークを確認できる。

先を行くHiromiが、

この日も叫んだ。

「反射板だ!」

「ええーっ!?」

それは予期していなかった。

 10時05分、ニ等三角点「取拂山」

ピークの周囲は開けているが、

その向こうの樹木で、

遠くの景色は見えない。

そしてそこには反射板があった。

反射板の奥から北側の風景が見えないかと、

一旦反射板の下を通り、

北側に行ってみた。

しかしやはり樹木が多くて、

それは望めなかった。

再びピークに戻るときに、

反射板の柱に取り付けられたプレートを目にした。

そこには制作年月が、

「昭和48年10月」と記されていた。

昭和48年と言えば、

私が大学1年のときで、

この年に一人で山登りを始めた。

そんなことを思い出させてくれたプレートだった。

 ピークで簡単な昼食を摂り、

下山は登路の尾根をそのまま引き返す。

Hiromiを先に歩かせ、

ピンテを回収して行く。

狭い尾根筋では順調に回収して進むHiromiだったが、

広い笹原となると、

どっちに進んでよいのかわからなくなる。

そんなときは極端にスピードが落ち、

一旦ピンテを目にすると、

俄然勢いが増すHiromiだ。

結局下部の広い笹原では、

進行方向を見極められず、

私がピンテのところへ案内するかっこうになった。

そして最後は広い牧草地に出て12時ちょうど、すぐ近くの駐車地へ。

この後もう一座に登って更に車中泊をする予定も、

天気予報をチェックするとこの日の夜から雨が降り出す、

とのことだったので、

ここで山旅を中止して帰途に着くことにした。

そして帰宅後改めて「反省会」。

そこには初めて会うHiromiの妹、

「Chiharu」も参加した。

 

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2022.10.8 『佐妻山』(296m)  雨雲から逃げて・・・

 土曜日に新日高町三石で、

雨の中の「天狗山」下山後、

青空が見える方に向かって車を走らせた。

そして新日高町静内西川で、

ようやく雨から逃れ、

とある林道に入った。

この林道を200mほど走ると、

広い草地が現れたので、

これを駐車地とすることにした。

駐車地からは奥に、

これから向かう山並みが、

伐採地の向こうに見える。

なかなかいい雰囲気だ。

青空の下で初めて登る山への期待感が膨らむ。

 準備を整えて林道を歩き出そうとすると、

道路脇に大量の不法投棄だ。

冷蔵庫、テレビ、タイヤ、自転車等が、

山となって捨てられている。

ひどすぎる!

どこにでもいる、

「自分さえよければ」という輩。

本当に腹が立つ。

林道はゲートで車両の侵入を規制しなきゃダメだ。

 林道は長く続かず、

間もなく広い伐採地と土場に出た。

数年前に伐採されたようで、

辺りが緑一色だ。

その中に鉄道の線路を支える、

枕木が大量に積み上げられていた。

 伐採地を登っていくと、

背後に中日高の山々の風景が広がる。

その中で目立つのが、

『笹山』と『ペラリ山』だ。

ここに伐採地が広がっていなければ、

目にすることができなかった風景に感動。

早速「この山を選定してよかった」、

と自らを褒めた。

 伐採地の最上部で藪に入った。

腰から胸程度の笹漕ぎだ。

広い笹の海での下山を気遣い、

Hiromiが自主的に、

要所にピンテを付けて進む。

そしてまず駐車地から見えていたピークに立った。

これは地形図上に記された、

「156m標高点」だ。

またそこからは、

その奥に次なるピークと、

それに続く尾根が見えていた。

またここからの尾根は、

藪がほとんどなくなり、

歩きやすくなった。

 楽な尾根歩きを経て、

枯れたワラビに覆われたビークへ。

これが目指すピークかと思っていたが、

それは更に先にあり、

木間越しにわずかにピークが確認できた。

そして歩を進めると、

今度は細尾根で、

両側がスッパリと切れ落ちている。

どっちに滑落しても大変なことになる。

慎重に細尾根を行く。

細尾根の終盤は急登だ。

これが滑るし、

足を滑らせれば崖下に滑落だ。

Hiromiがスリップして、

ドキッとする場面も。

それを下から見届けて、

こちらが最後の登りに取り掛かると、

Hiromiはスタスタと行ってしまった。

そして大声が聞こえた。

「あった!」

続いてピークに向かい、

三等三角点「佐妻山」

三角点標石は、

細尾根の上にあった。

ここまで細い尾根の上の標石も珍しい。

この時点で11時を過ぎていたので、

我々の昼食時刻だが、

細尾根の危険箇所を、

クリアしてからでなければ落ち着かないので、

すぐ下山を開始。

また慎重に危険箇所を越えていく。

Hiromiを先に歩かせたが、

今回は問題なく下っていく。

そして自ら付けたピンテを、

残らず回収。

笹の海を抜け、

伐採地に下って昼食とした。

いい風景を眺めながらねえ~

 昼食後雄大な風景を眺めながら、

トボトボと下って駐車地へ。

この時点でまだ13時前だったが、

山行はここで打ちきり、

この日も新冠町の「レコードの湯」に向かい、

広い駐車場の片隅で、

濡れた登山靴、ザック、雨具等を乾かした。

その間昼寝もしたが、

「今寝たら夜寝れないからダメだ」

と言ったHiromiが、

10秒後にはイビキかいてるんだからねえ・・・

 昼寝の後入浴したが、

終わって車に戻り色々処理していると、

「あっ、腕時計がない!」

どこで落としたのか、

まるで記憶がない。

それでとりあえず「レコードの湯」のフロントに行ってみると、

「これですかぁ?」

と言って女性が差し出してくれたG-SHOCK。

よかったぁ~

「レコードの湯」の駐車場から、

この翌日登る予定の「取拂山」が見えていた。

そしてその夜、

「昼寝したら夜寝れない」、

と言っていたHiromiだったが、

夕食後歯を磨いたら、

18時には大きな寝息をたてていた。

なんぼでも眠れるやつだぁ・・・

 

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2022.10.8 『天狗山』(三石・203m)  雨とあきらめて・・・

 金曜日の夕方、

新冠町の「レコードの湯」で汗を流し、

天気予報をチェックすると、

「夜雨が降り出す」、

とのことだったので、

新冠から新日高町三石に移動した。

そして三石西端で車中泊をしていると、

予報通り夜中に雨が降りだした。

その雨は朝になっても降りやまず、

予報では午前中いっばい降り続ける、

とのことだったので、

あきらめて雨具着用で登ることにした。

しかし雨の中で長い距離は歩きたくないので、

西端地区から林道を利用して登れそうな、

「天狗山」に登ってみようと、

林道入り口を駐車地としてスタート。

いきなり雑草が路面を覆う廃道の林道だった。

この辺りはどうも景色が良くない。

なんだか汚れてきたない感じがする。

 忠実に林道を辿っていくと、

背後に見える空が、

三石の南で青くなり出した。

もっと南の山を目指したなら、

この時点で雨は上がっていた。

思い切って北に移動すればよかったかな、

とも思ったが、

こんな雨模様だからこそ、

登る気になる山もある。

 林道の途中で送電線の下をくぐったが、

ここの送電線下もまた、

きれいに草刈りされていた。

 140で林道を離れて藪に入った。

けれど針葉樹林の中に藪はなかった。

そしてそれを抜けると、

一面笹に覆われた、

古い作業道跡に出た。

作業道は尾根筋に沿って伸びていたので、

これを歩いて前方のピークに向かった。

ここがピークかな?

と思ったが、

目指す三角点ピークは、

その奥にあった。

二等三角点「天狗山」

そばの立ち木に、

凝った私製標識が付けられていた。

我々が登ったルートに、

踏み跡はなかったが、

ピークの逆側には、

はっきりとした踏み跡がついていた。

それで地形図で確認すると、

我々が利用した林道の、

1本三石漁港寄りの、

破線林道を利用したものであろう、

と判明した。

この破線林道を利用すれば、

ピークまでの距離が更に短くなる。

なるほどなあ。

良い勉強になった。

 下山も同ルートを下った。

そして駐車地に着くも、

相変わらず雨は降りやまず、

この後青空が見える方へと移動した。

思えば三石は、

我が女房の生まれ故郷なのよねえ・・・

 

 

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2022.10.7 『賀張山』(がばりやま・487m)  末端から2.4kmの美しい尾根歩き

 

 先週末はHiromiが金曜日休みで、

4休となったので、

金曜の朝出て新冠町に向かった。

4連休中新冠町の、

三角点ピークを登り歩く予定とした。

まずは美宇地区から、

『賀張山』に登る。

この山にはこの辺りを走るたびに、

登ってみようと思うも、

麓にサラブレッドの放牧場があるため、

長い間ためらってきた。

そこで今回はようやく、

重い腰を上げることにした。

但し、己の遊びのために、

牧場に迷惑や心配はかけられないので、

牧場を外れた位置から、

尾根に取り付くことにした。

 「厚別川」に架かる「茶良瀬橋」を渡り、

海方向に走ると、

右手の放牧場がやがて切れる。

すると「オシダシ橋」の標識が現れる。

そこから尾根に取り付く。

ラッキーなことに、

取り付き点そばの、

「厚別川」河岸に駐車スペースがあった。

 9時10分、駐車地からすぐ尾根の末端に取り付いた。

っと、その前にゴミの投棄を目にした。

どこにでもこういうことを平気でする、

大変愚かな輩がいる。

尾根に取り付くと、

いきなりナイフリッジの細尾根で、

しょっぱなから緊張させられた。

それをクリアすると、

急登が始まる。

尾根筋ははっきりしているが、

とにかく急登の連続で、

一気に体温が上がり、

 Hiromiはすぐにアウターを脱いだ。

 200で一旦斜度が落ち、

ホッとするも、

長くは続かずまた急登となる。

そして左手は常に崖状地形で、

深く着れ落ちている。

決して気を抜くことはできない。

辛い急登に耐えて、

10時10分、明瞭なピークに立った。

これが地形図上の「421m標高点」だ。

ここがこのルートの、

ほぼ中間点となる。

ここまでの前半は急登の連続で、

ここからの後半は、

アップダウンが続く。

まず「421m標高点」から、

100m下った。

そして次なる小ピークへ。

その先はまた下り、

次なる明確なピークへ。

それが目指すピークと思いたかったが、

そこに立つと東に、

ようやく『賀張山』の頂上部が目にできた。

また下って、

いよいよ最後の登りだ。

遠く先を行く裕美が、

あった!でかい!」

と叫んだ。

「そうだ、一等だからなあ」

11時ちょうど、一等三角点「賀張山」

久しぶりに目にする、

18cm角の標石はやはり大きい。

このピークは、

ヤマッパーが大勢押し寄せているイメージだったが、

意外にも踏み跡すら見られない。

また最近人が訪れた痕跡もない。

そんな三角点ピークにホッとした。

 簡単な昼食を摂り、

下山を開始。

下山は登路のルートを忠実にたどる。

判別しにくい枝尾根が合流する部分に付けた、

ピンテを確実に回収しながらの下降だ。

そして尾根の末端に下り、

12時40分、目の前の駐車地へ。

まだ時間が早かったが、

予想以上に堪える山だったので、

もう一座に登る予定を中止し、

翌日以降予定した山への、

アプローチ状況を確認することにした。

その後新冠町「レコードの湯」で汗を流し、

疲れた下半身の筋肉を癒した。

 

 

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2022.8.12 『勢奴蘂』(せぬしべ・267m)  どこまでも続く笹の原

 先日の木曜日にHiromiが、

関東旅行から帰宅。

翌金曜日から同行することになったが、

「喉が痛い」と言い出し、

コロナウィルスに感染した可能性が出てきた。

それで金曜の朝、

抗原検査キットを購入して、

自ら検査を試みた。

それで陽性反応が出たなら、

単独で出かけることにして、

検査結果が出るのを待った。

そして陰性との結果を受けて、

Hiromiを迎えに行った。

 今回は門別辺りで三角点を求めることにした。

平取町のコンビニに着いて、

ちょうど昼頃だったので、

コンビニ弁当で昼食を済ませた。

 道々「門別~平取線」を走り、

「義経峠」を下って、

門別町広富地区に入った。

そして「広富スキー場」の、

少し先で左手の林道へ。

すぐに「日高門別川」に架かる「サヌシベ橋」を渡った。

「日高門別川」は、

前日から朝方にかけての大雨で、

小さな流れが濁流となっていた。

 狭い林道を入っていくと、

すぐに最終人家が見え、

その前を過ぎて間もなく、

林道脇を駐車地とした。

 12時40分、すぐ藪に入って尾根を目指す。

一面笹の海なので、

枝尾根が派生する部分に、

ピンテを付けて進む。

最初の取り付きから、

尾根筋を見極めてのるまでが、

下山時気を付けなければならないが、

あとは忠実に尾根上を進む。

アップダウンを繰り返していくうちに、

突然古い作業道に出た。

しかし、長続きはせず、

また尾根筋に戻って歩を進める。

1ヵ所、左手がスッパリと着れ落ちたところがあり、

単独で入山して、

こんなところで滑落したら、

全く見つけてはもらえないだろうな、

とHiromiと話して下を覗き込んだ。

 目指すピークのひとつ手前のピークで、

枝尾根を進んでしまった。

すぐに「おかしいな」と感じ、

引き返して正規の尾根に乗りかえて、

13時50分、三等三角点「勢奴蘂」。

標石回りがやけにきれいで、

スッキリしていた。

 下山は登路のルートを、

そのままたどった。

暑くてアップダウンが堪える。

ピンテを回収しながら、

順調に下ったが、

登り始めてちょっと気になった辺りで、

少々まごついてしまった。

登るときにはたいした斜度とは思わなかったのに、

下山時上から見るとかなり斜度があり、

「ここを登った」という感覚がなかったためだ。

完全に記憶違い。

そこにも自らのピンテが付けられていた。

 15時15分、駐車地。

往復4kmに満たないルートのわりには、

なんか疲れたなぁ~

最寄りの「平取温泉」に走って、

ゆっくり汗を流した。

私が住むところは暑いが、

ここも暑くて、

夜になっても外気温が25℃を下回らない。

そのためエンジンを切れず、

寝るまでアイドリングを続けた。

そんな状態では車中泊を続けられないので、

3泊の予定を中断し、

翌日一旦帰宅することにした。

そのような心配をよそに、

夕食後に即就寝。

そして朝まで眠り続けるHiromiであった。

 

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2022.7.8 『王幸納』(おさつない・309m)  義経峠よりアプローチ

 

 今週も先週に続き、

月~木曜日の4日間出勤だった。

週5日の出勤にはならぬよう、

引き続き願う次第。

 

しかしここに来て、

新型コロナウィルスによる感染が拡大傾向にあり、

観光地も先行きを警戒しているようで、

注文のキャンセルが出始めているという。

従って週5日の出勤にはならないと思われる。

 今週末はHiromiと別行動の予定なので、

昨日の朝一泊の予定で、

平取町に向かって出発した。

そして平取町で、

「沙流川」を渡る「新平取大橋」を渡り、

道々80号線に入った。

それをしばらく走ると、

左手に「義経峠」の標柱が現れた。

この地がなぜ「義経」にゆかりがあるのかはわからないが、

どうもあちこちで「義経」に、

無理やり関りをもとうとしているようで、

それを調べる気にもなれない。

 「義経峠」は平取町と日高町の境界線上にあり、

それぞれの町名板が、

背中合わせに立てられている。

境界線の少し日高町側に、

ちょうど1台停められる駐車スペースがあった。

これはラッキーだった。

 準備を整え10時ちょうど、

「義経峠」の駐車地をスタート。

すぐに峠の頂上より藪に入った。

「王幸納」へのルートは、

境界線上の尾根筋を行く。

登り始めてすぐ、

木に赤いペイントが塗られているものがあった。

そしてその後もまた同じものが現れた。

境界線を示す目印なのだろうか?

ただ、その後赤いペイントを目にすることはなかった。

 笹は濃くなったり薄くなったりだが、

濃い部分で足元の見えない枯れ枝に足を取られた。

そしてつんのめって、

目の前の立ち木に衝突した。

この時左手にカメラ、

右手に三脚を持っていたので、

手の平を開くことができず、

カメラを握ったまま、

左手小指を立ち木に強打して身体をとめた。

小指に強い痛みが走り、

見ると出血していた。

しかし痛みをこらえて動かすと、

かすかだが動くのでホッとした。

危なく小指を骨折するところだった。

 笹が濃いところでは、

その笹に水分が溜っており、

膝から下を濡らす。

不快だが一貫して笹の丈が低いので助かる。

 尾根筋はほぼ明瞭だが、

幅が広いところや、

枝尾根が多く現れるので、

要所にピンテを付けて進む。

そして300で細尾根に上がると、

緑豊かな枝の隙間から、

平取町方面が見えた。

誠に緑いっぱいの山域だ。

 尾根筋は極端に細いところや、

緑美しい笹原などが現れて、

なかなか変化に富んで面白い。

美しい笹原では、

南東方向の樹木が切れて、

展望を楽しむことができた。

また、後半はシカ道がはっきりして、

まるで登山道を歩いているようだった。

 最後は細尾根を越えて笹原を詰め、

11時40分、ニ等三角点「王幸納」

人が訪れた痕跡は見当たらず、

知らずに地面からわずかに頭を出した、

標石の上に立っており、

足の裏のそれを見つけて驚いた。

 簡単な昼食を摂り下山開始。

下山はピンテを回収しながら、

忠実に境界線上を戻る。

紛らわしい枝尾根の分岐では、

「やはりここにピンテは必要だった」、

と思わせるところがあるものだ。

そんなところがはっきり二カ所あった。

まあ、間違って枝尾根に入っても、

すぐに気付きはするのだが、

無駄に時間は使いたくない。

 13時ちょうど、駐車地。

うん、なかなか面白い尾根歩きだった。

 

 

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2020.10.9 『エチナンゲップ山』(702m)  林道から尾根通しでピークへ

 先週末も木曜日から休みの上、

週末はHiromiが「女子会登山」を予定していたことから、

木曜の午前中に用事を済ませ、

その午後平取方面に向かった。

そして貫気別から里平に抜けて、

里平川に沿って伸びる林道の入り口で車中泊。

翌朝起きると外気温が6℃。

夜中に寒かったわけだ。

おかげでついつい、

ダラダラと過ごしてしまった。

金曜の朝車で林道に入った。

尾根の取り付き点まで車で行くつもりだった。

ところが数百メートル進んだ地点に、

ピンテが張られて通行止め。

すぐ引き返し、

林道入り口に車を止めて、

8時15分、徒歩で再スタート。

『エチナンゲップ山』に登るには、

通常西の比宇川に沿って伸びる林道から、

沢伝いに尾根を目指すようだ。

しかしこの辺りの植生を考えると、

わざわざ沢を利用する必要はなく、

尾根伝いで登れるだろうというのが私の結論で、

用意した地形図には、

尾根筋からピークに至るルートを、

あらかじめ赤線で引いておいた。

 林道は先程のピンテを越えると間もなく、

森林管理署のゲートが現れ、

きっちり施錠されていた。

結局車ではここまでしか入れなかったのだ。

ゲートを過ぎるとすぐに「りびら橋」を渡った。

この橋は竣工が昭和37年と表記されていた。

私が小学校3年の時にできたことを知ると、

その歴史に感慨深いものがこみ上げる。

林道は常に高い位置で、

里平川を深い谷底に見て進む。

そして林道入り口から約2km歩き、

8時50分、西の尾根に取り付いた。

予想通り藪は薄いどころか、

ほとんど何もない。

広い尾根は傾斜がきつく、

両手を着いて登る場面もあった。

足元も崩れやすく、

四苦八苦して登り、

Co.500でようやく傾斜が落ちて「ホッ・・・」。

その後は古い作業道が縦横に現れるものの、

笹が密生しており、

尾根上を歩くのと変わらない。

広い尾根は下山で方向を失いやすいので、

ところどころにピンテをつけていく。

10時10分、地形図上の「632mP」。

その後尾根は細くなり明瞭だ。

この細尾根を歩いていると、

進行方向でヒグマが吠えた。

距離は遠い。

この日は他にも何度か、

ヒグマが吠えるのを耳にしたが、

いずれも強く吠えるのではなく、

アクビのような気持ち良さそうな吠え声だった。

ヒグマもこの日の素晴らしい晴天を、

人間と同じく楽しんでいるのだろうか?

 尾根筋はやがて東に向かう。

ここが要注意だった。

一旦うっかり東に向かいかけて、

「おかしい」と感じて戻った。

樹木で周りの風景が見えないため、

一旦下降する南向きの、

広尾根を見過ごしたのだ。

ここで一旦50m下降する。

そして270mの登り返しだ。

これがきつい!

急登の連続で決して休ませてはくれない。

最後は四つ足で登ったようなものだ。

ピッケルが欲しかった。

11時15分、『エチナンゲップ山』。

狭い頂上はピラミダルな山容を思わせる。

木の間越しに遠く『イドンナップ岳』が見え、

近くには『ピウ岳』、『リビラ山』などが見える。

久しぶりにインスタントラーメンを食べて下山。

登路と同じルートを辿り、

ところどころにくくりつけたピンテを回収して行く。

ゴミは残置してはいけない、

などと偉そうなことを言うつもりはない。

ただ単にもったいないから。

高齢者としてたいした稼ぎがあるわけではないので、

物は大事に使う。

リサイクルでまた別の山で使用する。

13時10分、林道の尾根取り付き点。

13時40分、駐車地。

きつかったけどおもしろかったねえ!

どこでも歩けるこの辺りはいいねえ。

かたずけを済ませて、

平取温泉へ向かった。

 

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2020.8.14 『椴山』(とどやま・718m)~『ポキヤップ山』(761m)  盆休山旅⑤ー③

 14日(金)の朝は新冠川の河畔で目覚めた。

ここは広くて景色の良い車中泊地だった。

この日の予定は『椴山』~『ポキヤップ山』の縦走。

『ポキヤップ山』はずいぶん前から、

一度登ってみようと思いながら、

ズルズルとこの日まで時が流れてしまった。

 『ポキヤップ山』に登るには、

通常「ポキヤップ沢」を利用して、

急斜面を登るものと推測する。

しかし『ポキヤップ山』の北隣りには、

二等三角点を有する『椴山』が連なっているので、

二山を縦走することにした。

 6時05分、岩清水林道を少し上がった地点の、

ちょうど一台分が置ける駐車地をスタートした。

   

岩清水林道は二ヶ所に鎖のゲートがあるものの、 

二ヶ所とも開放されていた。

 しばらく「ポキヤップ沢」に沿って登る林道だが、

標高220mで沢から離れ、

林道としては珍しく斜度を増して、

よいペースで高度を上げていく。

辺りは緑が美しく、

まるで高い屋根のトンネルを、

ゆっくりくぐり抜けているような場面も。

そして林道は終点を迎える。

実はこの終点は地形図上で示された地点よりも、

更に奥まで伸びていた。

従って最初の目標である、

地形図上の「593m」標高点までの時間が短縮された。

7時10分、「593mP」。

ここから広い尾根を『椴山』に向かう。

帰路で広い風景の中での、

下降尾根選定に注意を要するにところだ。 

尾根上は丈の低い笹やシダ類植物に覆われているが、

歩きにくいことはなく、

足下に隠された倒木や小枝に気を付けながら進む。

そして急登を経て、

7時50分、二等三角点「椴山」

木々の間から東にガスに覆われた『リビラ山』が見える。

このピークに人が訪れることは無さそうで、

その痕跡がまるで見られなかった。

三角点の標石周りをきれいにし、

『ポキヤップ山』に向かった。

稜線上を一旦70mほど下る。

笹原の美しい稜線歩きだ。

そして両山の最低標高まで下りきった後は、

約100mの登り返しとなる。

細尾根となり片側がすっぱりと切れ落ちた部分もあり、

気を抜けない登行が続く。

またこの登りでは、

はっきりした踏み跡が見られるようになり、

やはり「ポキヤップ沢」から、

直接『ポキヤップ山』を目指す人が多いと思われる。

急登が続き、最後は鋭角なピークに這い上がり、

8時30分『ポキヤップ山』

三角点のない狭いピークだ。

この日二個めの初登バウムは、

バウムクーヘンではなくパイまんじゅう。

長年の思いが叶った山頂に感動。

日高山脈のほとんどがガスの中に隠されていたが、

岩清水の新冠川が見えていた。

 下山はショートカットして、

「ポキヤップ沢」に下ってもよいのだが、

渓相がわからないので、

Hiromi を危険にさらすわけにはいかず、

またHiromi のルートファインディングトレもあるので、

 

登路のルートを忠実に下ることにした。

 9時20分、再び『椴山』。

ここから広尾根となるので、

ルートファインディングが難しくなる。

そんな下りでは前を歩くHiromiが、

二ヶ所で違う方向に下り出して修正。

更に林道に下る手前の「593mP」付近では、

私も少々まごついた。

その後林道に下ってからは淡々と下るも、

やはり斜度のある林道を再認識。

10時45分、駐車地。

昼頃から雨が降りだす予報だったので、

ガスにも包まれずよかったと安堵した。

 かたずけを終えて岩清水まで戻り、

天候をチェックすると、このあとは全道的に雨模様となり、

翌日まで長引くとのことだったので、

とりあえず栗山町まで戻ることにした。

そこには車ごと雨を避けられる場所があるので・・・

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2020.8.13 『保井山』(ほいやま・719m) 盆休山旅⑤ー②

 13日(木)の朝は新冠町里平地区の、

里平川に沿って伸びる林道脇で目覚めた。

前夜は遅くまで外気温が25℃を下回らず、

車のエアコンを切ることができなかった。

そして就寝時に網戸にした窓を、

前後全開にして寝た。

それで朝までなんとか涼しく休むことができたしだいだ。

しかし陽が昇ると一気に気温が上がる。

 ここまでの林道に入る登山者のほとんどが、

その先の『エチナンゲップ山』を目指すものと思われる。

しかし私には考えるところがあり、

マイナーな『保井山』を目指すことにした。

7時30分、駐車地のすぐ奥にある、

「里平越林道」のゲートをスタートした。

するとすぐ路面にシマヘビが現れ、

既にかなり気温が上がっていることを思わせる。

「里平越林道」は景観が美しい。

下部は大きくジグを切るように、

高度を上げていくのだが、 

周辺の天をつくようにまっすぐに伸びた、

針葉樹林が素晴らしい。

多くは植林されたトドマツのようだ。

うっとりするほど美しい景観の中を歩くのは楽しい。

暑いので汗が吹き出さぬよう、

極力ゆっくり歩く。

このゆっくり歩くことが、

早歩きが身体に染み付いてしまったHiromi には、

大変難しいのだが、

この日はさすがに暑く鈍足歩行が叶った。

 大きく蛇行を続けた林道は、

Co.400で直線的になった。

その後Co.500で林道を離れ、

尾根に取り付く予定だったが、

その前に古い作業道跡が現れたので、

それを利用して尾根に取りついた。

尾根は予想通り背丈の低い笹に覆われており、 

どこでも自由に歩ける。

この尾根ははじめかなりの斜度があり、

きつい登行を強いられたが、

やがて傾斜が緩くなり、

美しい緑の中をゆったりと登る。

前日の『須留久雲山』(するくうんやま)同様、

この山も本当に緑が美しい。

そんな美しい光景を楽しみながら登り、

9時15分、三等三角点「保井山」

樹木が多く展望は利かないが、

そのピークから尾根を伝って、

『リビラ山』までのルートがイメージできた。

今回この山に登ったのは、

これが最大の目的だつた。

次回気温が低くなった頃挑みたい。

 下山は登路をそのまま引き返した。

ピーク付近ではかなり涼しかったが、

高度を下げるほどまた暑くなり、

汗をふきふき下る。

そして最後にまた針葉樹林の素晴らしい風景を楽しみ、

10時35分、駐車地。

このあと新冠町に下り、昼食を摂ってゆっくり昼寝、

と同時に濡れた登山靴やザックを乾かした。

そして「レコードの湯」で汗を流し、

再び山に向かって車を走らせた。

移動した先は新冠町岩清水。

「岩清水林道」入口の新冠川河畔で車中泊とした。

水量の多い新冠川のそばでは、

涼しく過ごすことができた。

 

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2019.9.14 『横山中岳』(724m)  中日高未踏の低山へ

 いやいやいや、どうなってるの、週末の雨模様!

これで7週連続で不安定な週末だ。 

9月に入れば天候が安定するだろうと、

耐えがたきを耐え、

忍びがたきを忍んできたというのに・・・

天候が安定しているのはウィークデーだけ。

せっかくの三連休はどうしようかと頭を悩ませたが、

とりあえず十勝連峰に向かおうと、土曜の朝家を出た。

ところがHiromi を迎えに行く途中で見るその方向は、

ひどく黒い雲に覆われていた。

Hiromi を拾っても尚十勝連峰に向かったが、

空は南東が青空。

それで栗沢から方向転換!

新ひだか町を目指した。

そこには未踏の『横山中岳』があったからだ。

登山口までは地形図で見ただけだったが、

まあなんとかなるだろう。

静内まで走るとそれらしい山が見えたので、

道路地図とカーナビを見ながら登山口へ。

登山口手前の林道脇に駐車し、

9時30分、スタート。

駐車地点から頂上が見えている。

なんだか手が届きそうな近さだ。

ところが・・・

 

 スタートしてしばらくは牧草地脇の作業道を歩く。

しかしこの作業道は草が伸び放題で、

もう使われていないようだ。

そしてその突き当たりが登山口となっていた。

9時40分。

そこから一歩足を踏み入れると、

いいじゃないのぉ、

きれいな登山道が続いている。

薄く背丈の低い笹の中に小道が伸びる。

しかしそれは長くは続かず、

腰上の高さの笹に埋もれてしまう。

その中に倒木ありで、

しばらく不快な登行を強いられた。

ただそれを過ぎるとまた心地よい登山道となり、

その後は頂上まで同じく低い笹に覆われた風景が続いた。

この緑に包まれた風景が美しい。

その美しさは穂別の『坊主山』に似ている。

そしてCo.450 で急登となった。

一気に270mの標高を稼ぐ。

これがなかなかきつい。

山というのは下から見上げてやさしいと感じても、

いざそこに足を踏み入れてみると、

それなりのアルバイトを強いてくれるものだ。

ヒーコラ言いながらHiromi の後に続き、 

10時45分、『横山中岳』。

ここで前述の通り地形図しか見ていなかったので、

勝手に北と南隣りの「北横山」、

「南横山」に縦走路ができているものだろうと決めつけていた自分にガックリ。

(業務連絡:シケぇ、バウムクーヘン買ってくの忘れたので、ヨウカンにしたさぁ)

縦走路はなかった。

そしてその頂上で冷たい風が強くなったので、

記念撮影をして下山開始。

下りは登山道が笹に隠れて見えないところが多く、

ゆっくりゆっくり。

そして11時55分、駐車地。

あとかたずけを済ませ、

その後の天気予報をチェックすると、

そこに留まっていたなら確実に雨に当たることになるので、

穂別まで戻ることにした。

まだ時間が早かったので、

ゆっくり走りながら積雪期に登る山を物色しながら・・・

 

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