北海道の山野でとことん遊ぶ!!
I am Amigo!
2019.8.31 『富士形山』(638m) また廃道だ!
週末の雨予報が遂に5週連続となった。
であれば、またそんなときにしか狙わない山に挑んでみることにした。
増毛山地の南端に位置する『富士形山』に初めて登ったのは、
もうかれこれ20年近く前になる。
私がデジカメを持ち歩くようになって19年。
そのデジカメを手にして間もなくこの山に登ったことを覚えている。
積雪期でスキーを使用して登った。
その後数回登ったがいずれも積雪期で、
そのたびに「いつか無積雪期の林道を歩いてみたい」と思ってきた。
金曜の夕方Hiromi を拾って、
新十津川町吉野へ移動して車中泊。
翌日の雨予報に気を許して、
午前0時までゆっくり酒を楽しんだ。
そして土曜の朝目覚めたのが、
なんと7時だったのだが、
それでも眠気がひどく、
結局起きたのは8時だった。
吉野地区と南幌加のそば畑を結ぶ林道の、
ルウク林道分岐まで車で入り、
そこから9時30分、徒歩でスタートした。
林道はよく整備されており、実に歩きやすい。
歩き出して間もなく伐採地が現れた。
うっそうとした樹林帯の中で、
突然現れる広い景色にはホッとさせられる。
林道はゆっくりゆっくり高度を上げていく。
そして西向きの進路が北方向に変わってしばらく進むと、
10時55分、予定の分岐に達した。
ここまで4.5km。
ところがここからの林道が藪の中。
ここも廃道だ。
しかし、雨具を着用すれば藪を漕いで進める。
でも無理!
暑すぎる。
その時点で汗ダラダラだ。
今年既にダニに2回咬まれ、
ウルシにもかぶれてひどい目にあってきたHiromi は、
とっくに「止めよモード」!
リタイアを決めた。
今度は雨具を着用しても涼しい時期に挑んでみよう。
暑い中を下っていると、
雨がポツポツと降りだしたと思ったら、
一気に土砂降り!
あっと言う間に全身ずぶ濡れ。
ただ我々の場合は軽装だから・・・
12時05分、駐車地。
おかげで時間ができたので、
今年2月に92歳で亡くなられた、
高校時代の恩師の奥さんを訪ねることにした。
トイレットペーパーとティッシュを買ってね。
ひとりで買い物に出かけてトイレットペーパーやティッシュを買い込むと、
他には何も持てなくなってしまう。
だから時々それらを届けている。
奥さんは今年10月の誕生日を迎えると、82歳になられる。
2月から独り暮らしとなり、
心配してきたが、思ったより元気そうで何より。
いつものようにしゃべりまくる奥さんの話しを聞き、
亡くなられた先生の遺品を一部頂いておいとました。
2019.5.18 『丸山』(当別・500m) 登山道はないが林道が・・・
『丸山』は増毛山地の南端に位置する、
その名の通りまぁるい山だ。
この山に初めて登ったのが昨年のGWだった。
はっきりしない天候の中、
つまらない山と決めつけていたのを思い切って登ってみると、
これがまたなかなかよい山で驚いた。
そんな山を地形図で眺めると、
発達した林道が頂上そばを通っている。
それでいつかその林道を歩いて登ってみようと思っていた。
11時10分、駐車地をスタート。
林道のゲート付近には駐車できないと思い、
少し浜益寄りの地点に駐車スペースを見つけた。
11時20分、林道ゲート。
車両進入禁止の鎖が二重に張られている。
「絶対に通さないぞ!」という意志が伝わってくる。
そしてそこには意外にも「入林ポスト」が設置されていた。
こんな山に入山する人がいるのかと、
首をかしげたくなるような入林ポスト。
林道に足を踏み入れるとよく整備されており、
快適に歩を進められる。
ただ傾斜が結構きつく、年寄りの私にはつらい。
そんなことにはおかまいなしの猛牛が、
私を置いてガンガン登って行く。
人とは比較にならない汗っかきだから、
大汗かいて不快になるっていうのによ!
駐車地での気温が26℃だったから、
暑くて暑くて私も汗が滴る。
CO.370で分岐となり左手の登り方面に入る。
暑さと傾斜に耐えながら登って行くと、
樹木が薄くなり、背後に『別狩岳』(北)が姿を現した。
そして更に歩を進めると、
12時20分、地形図通り広くてどこがピークかわからないが、
HiromiのGPSにより頂上であろう位置が判明した。
30mほど先の深い笹薮の中だ。
それを眺めるだけで十分。
その笹をかき分けて三角点を求める気なぞ毛頭ない。
その後は戻るのではなく、林道をそのまま進む。
地形図によると林道は、
丸山の緩やかな斜面を一旦東に進み、
ターンして西に戻ることになっている。
それを確認するべく歩く。
たとえ林道歩きオンリーでも、
初めて見る風景は楽しい。
そして再びCO.370の分岐で登路の林道と合流。
13時35分、林道ゲート。
13時45分、駐車地。
なかなか面白かった。
この辺りにはこの日入った林道を頂上方面ではなく、
更に北に向かって進むと、
遠く『察来山』方面まで続いていることがわかった。
今度そんな長い林道歩きをしてみたいものだ。
この日は『丸山』の前の『浜益岳』敗退では林道を往復16km歩き、
『丸山』では10kmを歩いた。
林道ばかりを26km歩くといささか脚に疲労を感じ、
滝川に車を走らせ、温泉で汗を流して「ホッ・・・」
2019.5.18 『浜益岳』(1,254m) 雪がねえよ~っ!!
いやあ、雪が消えていくぅ~
金曜の終業後、Hiromi を迎えに行き、浜益に向かった。
直前までは表大雪に向かう予定でいたが、
天気予報が微妙に変化しだしたので変更した。
まだ若干明るさが残る時刻、浜益の幌に到着。
辺りの様子を見ると、雪なぞ全く残っておらず、
不安がつのり始めた。
土曜の朝4時50分、
幌川に沿って東に伸びる林道ゲートをスタート。
この日の予定は、林道を「しょかんべつ橋」まで進み、
そこから『浜益岳』~『群別岳』~『幌天狗』周り、
林道に下るというもの。
しかし残雪の状況から、第二、第三安を用意していた。
ところが、そのどれもがかなわなかった。
6時10分、「しょかんべつ橋」。
全く雪がない。
この橋まで歩くと、雪渓が現れるであろうと期待していたが・・・
または、進む先に雪が残っていなくとも、
南側の『幌天狗』北斜面にはびっしり残っているであろうから、
最悪その北斜面を登って『幌天狗』に立とうと思っていた。
なのにその北斜面下部にも雪はなし。
そこで最後の望みに賭けて林道を進んだ。
幌川を渡ると林道はどんどん高度を上げていく。
それがやがて『浜益岳』から、
西の海岸に向かって伸びる尾根をまたいだ辺りで、
広い雪渓が現れるのではないかと期待を込めた。
7時ちょうど、西尾根上。
そこは開削された広い植林地となっており、
期待の雪はやはりなし。
植林地が尾根上を『浜益岳』方面に向かって広がっていたので、
更に進んでみるも、
最後は背丈を遥かに超える笹の海にさえぎられた。
7時15分、標高562m。
ここをこの日の最高到達点としてリタイア。
林道ゲートから8.2kmの 地点だった。
とうとう積雪を利用して登ることをあきらめざるを得ない時期がきた。
そんな寂しさを胸に、Hiromi と淡々と林道を戻り、
9時15分、林道ゲート。
まだ時間が早いので、国道451号線を滝川方面に走り、
『(当別)丸山』に登ることにした。
2019.4.21 『625m峰』~『604m峰』~『613m峰』 増毛山地の南端を歩く
週一しか休めない4月もとうとう最後の週となった。
先週と同じように土曜の仕事上がりを少し早めて帰宅し、
休みで待っていたHiromiを乗せて、
また浜益に向かった。
先週登り歩いた浜益の山々を、
北の増毛山地側から改めて眺めてみたいと、
先週帰宅してすぐこれを計画した。
地形図を見ると国道451号線の北側に、
浜益川の支流に添うように走る林道がある。
これを利用して3つのピークを周遊することにした。
土曜の午後6時半、
林道ゲートに着いてもまだ明るい。
日が長いというのは本当に気持ちがいい。
日曜の朝は早く起きられず、
7時05分、林道ゲートをスタートした。
なんかねえ、月曜から土曜まで働き続けると疲れる。
そんなことを言うと、
常に日曜日しか休めない方々のヒンシュクを買いそうだが、
私も64歳、グチらせてえ・・・
この林道は疎林の中に続き明るい。
そして500mほど歩くと浜益川の支流が現れ、
しばらくその左岸を歩くことになった。
目指すルートは右岸にあるので、
渡渉のチャンスを伺ったが、
この沢はそこそこの水量があって、
なかなか渡渉箇所が見つからない。
私一人ならどこでも走って渡ってしまうので問題ないのだが、
Hiromiにはそれができず、
絶対にゆっくり流れに足を浸して渡ることになるので、
必ず靴中に水を入れてしまう。
それがわかっているから渡渉が難しくなる。
しかし、地形図には表れない上流部まで歩を進めると、
水量が少なくなりなんとか渡渉を終えて右岸に上がった。
そしてすぐにでも目の前の斜面に取り付きたいのだが、
雪が融けて笹が立ち上がった部分が多く、
なかなか取り付く地点を見つけられない。
それでしばらく小沢を登り、
日陰になった部分で斜面に取り付いた。
急な斜面は長く続かず、木がまばらな樹林帯に入った。
ゆっくりゆっくり登って行くと、
やがて背後の視界が一気に開けた。
素晴らしい!
天気は雲一つない快晴だ。
8時50分、『625m峰』。
広い頂上は細い白樺の疎林の中にあった。
ここから稜線を西に進むと『知来岳』に至り、
更に進むと『奥徳富岳』~『群別岳』~『幌天狗』へと誘ってくれる。
それを今回は東に進路を取る。
一旦下って登り返して小ピークに立つが、ここはCO.600。
このピークからは樺戸山地の眺めがいい。
この後また一旦下降し、
広い大地をゆっくり登って行く。
そして9時40分、『604m峰』。
この頂上は先ほどの『625m峰』より更に広く、
どこがピークなのかわかりにくい。
しかし、ここに来てようやく増毛山地の核心部が姿を現した。
純白のその峰々は、そこに身を置くのも良いが、
こうして遠くから眺めるのも素晴らしい。
いつも人があふれていそうなその核心部には、
トンと足が向かなくなってしまった。
『604m峰』からはまた一旦下って、
10時ちょうど、『613m峰』。
ここに立つと国道451号線以南の浜益山塊が、
まるごと目に飛び込んでくる。
ただ、先週登った『幌内山』~『円錐峰』は、
北の『別狩岳』に遮られてその姿を見ることはできなかった。
しかし天気はいいし、
誰もいない二人じめの絶景に、
Hiromiともども大満足!
そしてここからの下山がまた素晴らしい。
純白の増毛山地を眺めながら下る。
極端に斜度がきつい斜面を避け、
ほどほどの部分を登山靴で滑る。
これがまた楽しい。
Hiromiはスキーが苦手だが黙って見ていると、
こういう場面では結構滑って降りるんだよねえ、転ばずに。
そんな楽しい下りは速い。
スタスタ、スイスイ下って登路に利用した沢へ。
今度は最初から左岸に下りたので、
そのまま左岸沿いに下って途中で昼食。
そして11時35分、駐車地。
以前からこの林道の奥に興味があったので、
今回の山行では大きな成果が得られて満足。
この後札幌に向かって車を走らせた。
実はねえ、大きい声じゃ言えないんだけどねえ、
この山行で私のザックの中には現金で400万円が入っていたのよ。
現ナマだぜ!
それは1月に発注したハイエースの支払いのために用意した現金だ。
そのハイエースがいよいよ29日、納車となる。
それをこのあとディーラーへ支払いに行ったのよ。
そこでHiromiと話したんだが、
現金400万円をザックに入れて山登りをした俺って、
ギネスもんじゃないか?
この後札幌トヨペット北支店にて無事支払いを済ませ、「ホッ・・・」。
そして附則だが、このトヨペットの営業担当が気の利いた男で、
私とはフィーリングが合う。
そこでHiromiが同営業から、
「ハリアー」を買うことに決めた。
その話しはまた今度・・・
この日も最後は「サイゼリヤ」で締めくくり!
なんだか盛り沢山な一日だったと、
Hiromiと二人笑って過ごした。
2019.04.14 『幌内山』(649m)~『664m峰』~『円錐峰』(690m) 素晴らしき浜益の山!
今回の週末は土日を通して素晴らしい晴天に恵まれた。
しかし土曜日は私もHiromiも仕事で、
虚しさを噛み殺して出勤した。
そしてその夕方早くに退勤したHiromiの車を我が家の庭に置いて、
浜益に向けて出発した。
私も1時間早く退勤したので、
石狩市浜益区実田の旧釣りぼり跡地には、
まだ薄明るいうちに着くことができた。
だんだん日が長くなってきて、
大変ありがたいと思う。
増毛山地の南端を『黄金山』として、
国道451号線を挟んで南側には見事な山塊がある。
しかし、私はそこに足を踏み入れたことがなかった。
あるのは南と北に位置する『別狩岳』のみ。
理由はどうも人がたくさんいそうな気がして、
ということだけだ。
ガイドブックにも載っているらしいこの山塊だ。
ただ、増毛山地の『知来岳』や『奥徳富岳』から眺めるこの山塊は、
素晴らしい眺めで、興味が耐えることはなかった。
それで二度旧釣りぼりまで様子を見に行ったことがあった。
そんな『幌内山』に今シーズンは登ってみようと、
一ヶ月ほど前に計画して出かけた。
ところが途中から季節はずれの大雪となり、
ノンストップで新十津川町を回って馬追丘陵に向かったしだいだ。
『幌内山』へのルートを得るために地形図を開くと、
大きく二つのルートが考えられる。
一つは旧釣りぼりの駐車地より2kmほど逆川に添う林道を進んだところから、
東側の広い尾根に取り付き、
「553mP」を目指して登り、
尾根の頭を伝って一旦下ったあと、
再び同高度の「553mP」に立って『幌内山』に登るもの。
もう一つは林道を更に進み、
はっきりした東からの支流が流れ込む地点を越えたところから、
東の尾根に取り付いて、
尾根が導いてくれるままに高度を上げて頂上に至るもの。
一ヶ月前の計画は第一の案だった。
しかし今回は『幌内山』に立ったあと、
『円錐峰』まで足を伸ばすこととしたため、
『幌内山』に速く登れるであろうルートを選択した。
日曜の朝5時55分、駐車地をスタートした。
前夜飲みすぎたようで、頭がクラクラする。
64歳にもなって、バカなことやってらんないっちゅうのによ!
林道は逆川の右岸に沿って進む。
もうツボ足でOKと決め込んでスタートしたが、
ちょっと早かったかなあ・・・
6時45分、尾根取り付き点。
林道歩きでは前日歩いた男性ひとりの足跡しか見られなかったが、
尾根に取り付くと古いトレースが浮かび上がっていた。
やはり登る人は多いようだ。
尾根は急でどんどん高度を上げて行く。
私は飲み過ぎのせいか、
なんだか調子悪くてHiromiにはなされる。
途中から『幌内山』頂上が見え出す。
そして突然樹林を抜けて視界が開ける。
背後には純白の増毛山地が美しい。
8時30分、『幌内山』。
素晴らしい景観に圧倒される。
登ってよかったと思える瞬間だ。
しばし景色を楽しんだあとは、
次なる目標を目指してスタートする。
稜線を南に向かって歩くと、
一旦深く下降して次なる『649m峰』を目指して登り返す。
この『649m峰』はなかなか存在感のある山なので、
表題にもそれをはっきりし記した。
9時05分、『649m峰』。
鋭角のいい山だ。
このピークはこの後も我々の背後に存在感をアピールし続けることになる。
前日の登山者の足跡がこのピークまで続いていたが、
ここから引き返していた。
『649m峰』からは一旦90mほど下る。
そして目の前にそびえる「654mP」だが、
これはピークを回避して北側の斜面をトラバース。
そして稜線に戻ると、目の前に『円錐峰』がその姿を現した。
それを目にしてHiromiがポツリと口にした。
「あそこまで行けるかなあ・・・」。
しかしこのじいさんは中断する気なぞ全くなし!
せっかく得られたチャンスに加え、
上々の天候を見逃すわけにはいかない。
Hiromiに体力的なことを確認すると、
「なんも全然!」。
だったら弱音を吐くなや~
っと、ここで前方にヒグマの足跡が現れた。
たった今そこを歩いたもの。
また我々の鈴の音に驚いて沢筋に下ったものと思われる。
しかしこの足跡が大きい!
私の登山靴は29cmだか、それより大きい。
目指す『円錐峰』を左手に見て「590mP」への登りだ。
これがまた斜度あってきつい。
その苦行に耐え、
10時ちょうど、「590mP」。
このピークを西端まで進んで、
いよいよ『円錐峰』への細尾根に入る。
これがブッシュあらわで面倒だ。
私はグイグイ進めるが、
乱暴な言葉をつかっていてもHiromiは一応女性なので、
腕力が乏しくなかなかブッシュを押しやっては進めない。
それでもそんな箇所は短いのですぐに抜け、
最後の登りにつく。
相変わらず素晴らしい晴天の中を黙々と登り、
10時50分、『円錐峰』。
素晴らしい眺めに感動!
今まで手をつけずに来たことを後悔した。
とても600mクラスの低山が集合した雰囲気ではない。
心から納得した頂上に別れを告げて下山開始。
また細尾根を登り返して再び、
11時25分、「590mP」。
ここで昼食とした。
そしてその後は往路を戻るのではなく、
沢を下ることにした。
北の風景に目を凝らすと、地形図には表現されていない林道が見て取れる。
その林道を目指してショートカットする。
逆川の支流を下る。
沢は既に開けているところもあるので、
巻いて登る箇所もあり、なかなか時間がかかったが、
進んできたルートを何度も登り返しながら戻るよりははるかに速い。
13時10分、「さかさがわにごうばし」付近で林道に当てた。
ここからの林道歩きが長くてねえ。
足元の雪が腐ってズブズブ。
そんな中を3kmほど歩いて朝の尾根取り付き地点。
そして更に3kmほど歩いて、
14時45分、駐車地。
HiromiのGPSによると、歩行距離は19.7km。
久々のログトレイルであった。
それから急ぎ帰宅して、仕上げはもちろん「サイゼリヤ」!
週一しかない休みをとことん楽しめたことに感謝!
更に、人の多さを懸念して近付かなかったこの山域に、
この日は終日人が入らなかった・・・
2018.9.30 『暑寒別岳』(1,491m) 遅い紅葉がようやく始まった!
先週末は土曜の夕方家を出てHiromiを迎えに行き、
北へ向かった。
その時点で天気予報を最終チェック。
家を出る前にパソコンでチェックした予報では、
翌日曜日が稚内まで行かない限り雨からは逃れられない状況だった。
ところが携帯の予報では、
増毛辺りから北側が晴れとなっていた。
いったい何を信じてよいものか・・・
こんなときは良い方に解釈し、
『暑寒別岳』の箸別登山口に向かった。
そして登山口近くの牧草地で車中泊。
ここまで運転を頑張ると、
翌朝ゆっくり寝ていられる。
日曜の朝6時55分、
箸別コースの登山口をスタートした。
曇り空ではあるが高曇りなので、
登山口に入る前に『暑寒別岳』の頂上が見えていた。
回を重ねて登ってきた『暑寒別岳』には、
この箸別から登ることが一番多い。
毎年登っているような気がする。
また、このルートには昔から合目標識がきっちり立てられている。
各合目の間隔は、
距離ではなく標高差で定められているようだ。
頂上までの標高差が約1,000mであるから、
各合目の間の標高差は約200mと言うことになろう。
従って、傾斜の緩い2合目までが、
やたらと長く感ずる。
片道が9kmの行程のうち、
2合目までで4kmほどをを歩いてしまうのではなかろうか。
そんなことを考えながら、スタスタ歩いて、
7時25分、1合目。
1合目を過ぎてしばらく歩くと、
突然前方が開けて遥か先に『暑寒別岳』の頂上部が目に飛び込んでくる。
美しい姿だが、すごい距離感を感ずる瞬間でもある。
その後また樹林帯に入って視界は閉ざされる。
そしてただ黙々と歩を進めることになるのだが、
遅まきながら草木の紅葉が始まっており、
何とも言えない美しさがなごませてくれる。
更に足元には無数のドングリが、
まるで敷き詰められたかのように散らばっている。
そんなドングリをいったいいくつ踏みつけただろう?
などと考えながら歩き、
8時30分、5合目。
ここから先は、
登山道が沢形につけられているので、
ゴロゴロした石に足を取られて、
歩きにくいったらありゃしない。
ただ、今回はここを歩いてきた中で最も水が少ない。
いや、水がなにもない。
常にわずかばかりではあるが、
水が流れており靴を濡らす場面だ。
9時ちょうど、7合目。
ここから先は遮るもののない世界が広がる。
私はここからの風景が好きで、
箸別から登ることが多い。
8合目を過ぎて9合目に向かう頃になると、
前方にガスがかかりだした。
強い東風に吹かれて、
次々と山肌にまとわりつき、
せっかくの山岳風景を遮ってしまう。
しかし、当初は雨の予報だったのだから、
これでも上出来だ、と言い聞かせて進む。
9時45分、『暑寒別岳』。
ガスに包まれて何も見えない上、
強く冷たい風が吹き付けてくるので長居はせず、
頂上を少しはずしたところまで戻って、
早めのラーメンタイムとした。
そんな頂上も下山を開始すると、
時折ガスが晴れてしっかりとその姿を見せてくれた。
8合目を過ぎて、「もう今日は誰も登ってこないだろう」、
と思っていると、えっ!?
前方から小学生がやってきた!
ひぇ~っ!!
先を行くHiromiは後方のママと話し、
後から行く私は子供達と話した。
子供たちは6年生の兄と、1年生の弟。
そしてその弟が言うには、
この3人の他に父親と2年生の長女が一緒だったのだが、
二人は2合目でリタイアして引き返したとのこと。
いやあ、その後も二人の息子を連れて登ってきたママはえらい!
子ども3人を生んだだけでもすごいことなのに、
こうして木の杖をつきながらも、
頑張って子どもたちと素晴らしい思い出を作る。
いい母さんだぁ~
でもまだ若い、うちの娘と同じくらい、30代後半だろう。
それからはHiromiと二人、
素晴らしいものを見せてもらった思いで、軽やかに下った。
しかし、登路で随分踏みつけてしまったドングリを、
そのまま見過ごすことができず、
大切な鼻の穴にグリグリッ!
「はだどあだがつまって苦しい」
辺りは草木の紅葉!
私は思う、大雪山や十勝連峰と言った高山の紅葉は非常に派手できらびやか。
それはそれで素晴らしいのだが、
低山の柔らかく優して控えめな草木の紅葉が、
何とも言えぬ心地よさを与えてくれると。
そんな紅葉を楽しみながらテクテク歩いて、
12時35分、登山口。
この日の箸別コースは、
我々の他に男性の単独行者と、
例の親子連れだけだった。
相変わらず静かな山旅を楽しませてくれた箸別コースに感謝!
2018.5.6 『浜益御殿』(1,039m)~『浜益岳』(1,258m) 奇跡の天候回復!
GW最終日、6日の早朝目覚めると、
空は曇っているものの、
意外に高曇りで、これは活けるかな?
前夜の遅くまで降り続いた雨のあとだけに、
湿った空気が漂い、朝起きて辺りがガスに包まれていたなら、
即時他の山域へ移動することにしていた。
ただ、Hiromiには確認した。
このまま登ってもガスで何も見えないかもしれないぞ、と。
しばし考えたHiromiが出した結論は、
「何も見えなくても、初めての山だから登ってみたい」。
GO!
私としてはここから向かう『浜益御殿』、『雄冬山』、
『浜益岳』には回を重ねて登ってきた。
しかし、インターネットの普及とともに、登山人口がうなぎ上りとなり、
だんだん足が遠のいてしまった。
この日のスタート地点からの入山は6~7年ぶりになる。
20年近く前は誰にも出会うことがなかった山域だ。
車で走行可能な林道の終点まで車で入った。
かつてそこまで入ったことはない。
それだけ融雪が進んでおり、大きく蛇行する林道のショートカットもできない。
5時40分、ドロドロの駐車地をスタート。
スタート直前に単独行の男性がやってきた。
まだ雪が残る林道を進む。
大きくジグを切る形で進む林道が、やけに長く感じる。
そして目指す『浜益御殿』が前方に視認できる地点で、
東に登りゆく広い尾根にのる。
暖気で融けかかった雪面に大勢で歩いたトレースが残っているので、
初心者でも慎重にそれをたどると迷うことはないだろう。
この尾根がだらだらと長いのだが、樹木が密生している状態ではないので、
前方の見通しが割と効き、そんなに苦にはならない。
辛抱ずよく登って行くと、やがて視界が一気に開け、
『浜益御殿』の頂上から続く尾根の森林限界点に達する。
ここからは青い日本海を背に登ることになる。
前夜まで降り続いた雨が、この高さでは雪を降らせたようで、
純白の化粧直しをして出迎えてくれた。
天候は晴れ!
正に奇跡だ。
予報でもせいぜい曇り程度。
やはり普段の行いがいいと、こういうふうになるのよねえ~
7時50分、『浜益御殿』。
この頂から見る『雄冬山』が美しい。
今回はかなり融雪が進み、ハイマツが広く露出しているものの、
それでも美しい姿を見せてくれた。
この『雄冬山』もHiromiにとっては未踏なのだが、
あえて『浜益岳』に向かうことにした。
正直なところ、私のスタミナ切れだ。
当初は『浜益岳』に登ったあと、
『雄冬山』へ縦走して『浜益御殿』に戻るつもりだったがカット。
この三山は日帰りで2度回ったことがあるが、私も衰えたものだ。
また、この日は昼くらいから雨模様との予報通り、
ゆっくり下り坂の空模様も確認できたので、
無理せずGWの山旅を締めくくることにした。
『浜益岳』へのきつい急登をHiromiのあとから遅れて着いて行き、
9時05分、『浜益岳』。
南の空が暗くなり、天候の下り坂を知らせてくれるも、
いまだ景色はよく、素晴らしい山岳風景を楽しめる。
そんな中Hiromiが東の山並みを指差し、
「あれって暑寒?」→ 正解!
今度は南の一座を指差し、
「じゃあ、あれは黄金山?」 → 「こらーっ!!」
このバカ弟子が指差したその先には、
北の鋭鋒『群別岳』が、その凛とした姿を誇っていたのだ。
このなんともとぼけた天然がHiromiの魅力でもあり、
いつまでたってもモノにならない愛弟子が、
めんこいじいさんなんだわなあ・・・
しかし、Hiromiは以前『群別岳』に登っているのも事実! (その時の記録)
スタミナ切れの私は『浜益岳』でアミノ酸のサプリメントを服用。
世の中いい時代になったもので、これは即効性がある。
おかげで『浜益岳』を下り、『浜益御殿』への登り返しが楽になった。
そして、そういうものに頼らざるを得ない時が来たことを、
改めて認識した次第だ。
歳だなあ・・・
10時10分、再び『浜益御殿』。
ここで長い昼食タイムをとった。
いつもはインスタントラーメンの汁をほとんど捨てるのだが、
この時は無意識のうちに全て飲みきった。
Hiromiもまた同様に飲みきったとのこと。
二人して塩分を欲していたのだ。
昼食後はだんだん暗くなる空の下を、
淡々、黙々と下り、
12時ちょうど、駐車地。
ドロドロの駐車地での片付けは嫌なので、
そのままただちに移動し、前夜車中泊した地点まで戻って後片付け。
と、ポツポツ降りだした。
天気予報の通りだ。
いやあ、下山してからの雨で助かった。
そして二人して運が良かったことにホッとした。
後片付けを終えてから帰途に着いたが、
雨足が強くなり、午前中の晴れ模様が信じられない有様だ。
我が家に帰宅して「サイゼリヤ」へ。
二人でGWの反省会だが、GW後半は雨の心配をしたものの、
一貫して不平の言い様がない山旅を楽しめたことに感謝!
いいゴールデンウィークだったわぁ・・・
2018.5.5 『丸山』(当別・500m) なかなかいい山じゃないかぁ~
GW後半の5日朝、
ゆっくり9時に来てもらい、Hiromiと家を出た。
天気予報が雨模様を伝えていたので、
「どうでもいいや」的な感じで、
また当別町青山奥に向かった。
当別丸山の存在は、
随分古くから知っていたが、
これまで未踏のままだった。
その標高とひじょうに緩やかな山体から、
わざわざ登りに行く山ではなく
何かのきっかけを待っていた気がする。
それがこんな悪天予報の休日に訪れた。
10時50分、
道々滝川~浜益線の青山分岐から1kmほど
滝川寄りにある林道入り口の駐車帯をスタート。
天候は小雨。
車の中で雨が止むのを待っていたが、
止むことはなく、
小降りになったところであきらめて外に出た。
林道をしばらく登っていくと、
針葉樹の植林地に出た。
しかし、周りが針葉樹林帯で遠くを見通せない。
そこで『丸山』であろう方向に歩を進めてみた。
するとすぐに遠く『丸山』の頂上部が見えた。
予想より遠い印象だ。
山と言うのは離れた地から眺めるより、
その中に入ってしまうと、
随分奥行きが深いと感ずることが多々ある。
その姿を視認してしまえばこっちのもの。
持ち前の野性的勘を働かせ、
尾根筋を北進する。
ところどころで雪が融けきり、
笹藪漕ぎとなる場面が。
また、藪漕ぎに耐えきれず、
ツルツルねんどの崖上地形を下ることも。
そんな下降を終えると、
頂上に向かって最後の登りが待っていた。
残雪をつなぎながら、
快調に歩を進める。
そして背後には素晴らしい景色が広がっていく。
しばしうっとりと見とれるほどの、
迫力ある景色だ。
この山からそんな景色を堪能できるとは・・・
全く期待していなかった展開に、二人して感動!
急斜面から、美しい白樺の緩斜面に入ると頂上は近い。
空からは相変わらず小さな雨粒が落ち続けるも、
もはや気にならない。
12時20分、『丸山』。
そこにはやはり絶景が広がっていた。
もっと早く登らなかったことを後悔したしだいだ。
短時間登山と決めて水も食料も持たずに登ったので、
直ちに下山開始。
下山は雪が融けきったところでの時間ロスを考慮し、
登路の足跡を忠実に辿った。
そして13時15分、駐車地。
下山後浜益温泉へ汗を流しに行ったが、
これがまた混んでひどい。
洗い場の争奪戦だ。
温泉から出るとHiromiも同じことを言い、
二人してもう浜益温泉はやめようという結論に達した。
その後も雨が止むことはなく・・・
しかし浜益まで行ったなら、
増毛山地の一座でも狙いたいもの、
とりわけHiromiが未踏の『浜益御殿』に登らせようという気になった。
それで石狩市浜益区幌から、
旧幌中学校の前を通り。
林道奥まで入って車中泊。
しかし雨は止むことがなく、
そこまで行ったことを後悔しながら酒を飲んだ。
2018.5.4 『別狩岳』(726m) 北はまだ100%雪上歩行!
私のゴールデンウィーク後半は、人並みに4連休。
その初日である3日、
それまで週一しか休みがないために、
諸々溜まっていた家庭内の仕事を女房と一緒にかたずけ、
昨日(4日)の朝Hiromiとともに二泊の予定で出かけた。
GW後半の天気予報は一貫して雨模様。
この日もいつ雨が降り出すかわからない予報だった。
しかし出発時は快晴!
いったいどうなっているのかと、
首をひねりながら車を走らせる。
当初は当別町の青山ダムから西の稜線に上がり、
稜線伝いで北の『別狩岳』を往復するつもりだった。
しかし現地に行って山肌を見ると、
予想より融雪が進んでおり、
藪こぎを強いられることを嫌って変更。
道々滝川~浜益線に回り、
五番川沿いに入山することにした。
『別狩岳』は互いを南北に視認できる距離で二山存在する。
南の『別狩岳』(666m)は回を重ねて、
毎年のように登ってきた。
それに対し、北の『別狩岳』には昨年の同時期に、
初めて単独で登った。
昨年は雪がなくて苦労させられたが、
今年は100%雪上歩行で助かった。
この山になかなか登れなかった理由だが、
適当な駐車スペースを確保できないためだった。
五番川近くの道々は除雪車が跳ね上げた雪による壁が出来ていて、
とてもとてもそこに駐車する気にはなれない。
ただ、この時期になると1台分のスペースは確保できた。
7時55分、駐車地をスタート。
しばらくは林道を進む。
雪が締まっておりツボ足だ。
林道を進んでいくと五番川に架かる橋が現れる。
この橋を渡ると左岸沿いに林道が伸びており、
ついついそれに従って進みたくなる。
しかし、決してこの橋を渡ってはいけない。
渡ってしまうと水量の多い川を渡渉しない限り、
もう右岸に戻れなくなってしまう。
右岸は崖状地形が直接川に落ち込む箇所が有り、
進行しにくいが、
辛抱しながらなんとか踏ん張って進む。
そして川が西から大きく北へ向きを変えるころになると、
正面の広い尾根の突端に至る。
ここで装備をピッケル、アイゼンに変えて急な尾根を登っていく。
雪面は腐りかけているところもあるが、
概ねよく締まっており、登りやすい。
急登に耐えながら辛抱強く登りつめて、
9時55分、「628mP」。
このピークは地形図にも表記がある。
そこでピッケル、アイゼンをデポし、
ストックに変えて広い尾根をのびのびと歩く。
そして間もなく前方左手に目指す『別狩岳』頂上部が姿を現す。
背後には『神居尻山』をはじめとする樺戸山地だが、
ガスに覆われてその姿は見えない。
また、前方右手は増毛山地なのだが、
これも真っ黒いガスの中だ。
『別狩岳』だけが頂上まですっきり見て取れる。
なんと絶妙なチョイス!
周りをすっきり見通せる尾根を楽しく歩いて、
10時30分、『別狩岳』。
南の『別狩岳』がよく見える。
そして両山を結ぶ稜線も確認できる。
次は青山ダムから往復してみよう。
風のないところまで少し戻って早めの昼食。
その後ピッケル、アイゼンを回収して、
ツボ足で急斜面を滑りながら下った。
途中で雨に降られたものの、時期に上がり、
12時50分、駐車地。
天候を期待していなかった割にはいい思いができたことに大満足!
2018.4.22 『徳富岳』(929m) また鈴に助けられた!
相変わらず仕事が忙しく、かなり疲労が蓄積しているが、
週一のチャンスを活かすべく、
土曜の終業後Hiromiと新十津川町に向かった。
『徳富岳』は増毛山地の東端に位置するなかなか存在感のある山だ。
その『徳富岳』の存在を知ったのは遥か昔で、
私が中学2年の時だった。
小学生時代を栗山町で過ごし、
中学1年のとき父親の転勤で滝川市へ転校した。
その滝川市で市立明苑中学校に転入した。
そして1年の時には気付かなかったこの山が、
2年生になって教室が2階になったことで遠望が利き、
その廊下から残雪に輝く『徳富岳』の姿を目にし、
感動と同時に「いつかあそこに登ってみたい」という夢が膨らんだ。
しかしなんの術もないまま長い時が経ち、
初めてその頂に立ったのはそれから30数年を経てのことだった。
それも簡単には行かず、2度の偵察行を経ての初登だった。
その後回を重ねて登り、今回が7度目になる。
ただ、今回同行したHiromiもこの山は3度目だ。
日曜の朝6時、
新十津川町南幌加の「徳富ダム」に続く町道の駐車スペースをスタート。
ここからまず広い田園を北に進路をとって進む。
正面右手には『富士形山』(638m)がドーンと鎮座している。
田園を歩ききると林道が現れる。
この林道は『富士形山』方面に一旦下り、
山腹を縫って我々が進む方向に向かうのだが、
ここは当然ショートカットでルークシュベツ川
いに進む。
そんな川に沿って歩いいていると、
突然ヒグマの大きな足跡に遭遇した。
しかも今つけられたばかりの足跡だ。
我々とは反対の川上からやってきて突然Uターンをし、
我々と同じく川上に向かっている。
これは我々の鈴の音を耳にし、急に体を翻したに違いない。
私は過去にも同様の経験が何度もある。
積雪期に前方から向かってきたヒグマの足跡が、
突然戻って行ったり90度に曲って行ったりと。
今回も先を行くHiromiが鈴をつけていなかったなら、
沢の水音に気配を消されて突然出くわしたヒグマに、
命を奪われていたかもしれない。
「備えあれば憂いなし」の実例である。
その後しばらくこちらがヒグマの後を追うようなことになってしまった。
それでより我々の存在を強調すべく、
ホイッスルを機械的に吹き鳴らして進んだ。
そして間もなくヒグマの足跡は沢沿いから山肌を登っていった。
しかしこの後この他に6頭、計7頭のヒグマの足跡に遭遇した。
長い山歴の中で一日に7頭もの痕跡を見たのは初めてだ。
ヒグマの影の濃い山域だと再認識した次第だ。
ルークシュベツ川も源頭近くになると林道と合流し、
ここからはしばらく林道を歩くことになる。
もうスノーシューも必要なくなり、
ツボ足で歩ける良い季節となった。
Hiromiは快調に歩を進め、
スピードの遅い私の後ろを歩くのが歯がゆそうで、度々前に出て行く。
私は疲れている。
この日はスタート直後からふくらはぎに違和感を感じ、
ストレッチで念入りに伸ばしたものの、
どうも肉離れを起こしそうな感触だった。
林道ははCO.500で西側(左手)に作業道が出合う。
そしてこれに入る。
以前はこの作業道を忠実に進んで稜線に上がり、
それをたどって『徳富岳』を目指した。
しかし最近は作業道に入るとすぐにまた進行方向をほぼ北に捉え、
ワッカウエンベツ川の支流の沢床を目指して樹林帯を下る。
そし沢床に下りきって一気に稜線まで登る。
この登りがきつい。
急登の連続だ。
それもHiromiは黙々と登っていく。
まるで「私の体力を見よ!」と誇示しているようだ。
私は遅れまいと着いていくのがやっと。
この急登に耐えるとようやく稜線上だ。
稜線に上がると、あとは淡々と緩斜面を登る。
そして9時20分、南峰(914m)。
この山は二つのピークから成っている。
本峰(頂上929m)は南峰の700mほど北にあり、
頂上の面積が広く展望が良くない。
それでこの日は私の疲労も含め、「南峰」を最終地とした。
頂上は薄曇りで無風。
いつもながら見慣れた風景ではあるが、
増毛山地の美しい山並みが見事だ。
まだ到着時刻が早く、私の手製卵サンドで満たされた我々に空腹感はなく、
そのまま下山することにした。
こういう天候に恵まれると、
先週の一日だけ集中的に雨という忌まわしい不運も忘れてしまいそうだ。
下山と言ってもまた一旦沢床まで下り、
登り返さなければならないので、
けっこう時間がかかる。
私の疲れきった身体は、
ふくらはぎの違和感が痛みに変わり、
脚の付け根まで痛み出した。
それに引き換えHiromiの元気なこと。
常に数十メートル先を歩き、
時折気遣うように振り返る。
あ~あ、なさけねえ~っ!
12時25分、駐車地。
久しぶりに長い距離を歩き、ヘロヘロになった。
しかしこんなことも克服していかなくては先には進めない。
そんな意味ではよい山行であった。
そしてHiromiも大満足。
帰宅していつもの「サイゼリヤ」で かんぱ~い!
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