新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

科博は楽しい♪ でも、やかましい(その4)

2010-11-04 06:12:25 | 美術館・博物館・アート

科博は楽しい♪ でも、やかましい(その3)」のつづきです。

(その3)で、救難飛行艇US-2を輸出しようという動きがあることを書きました。

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US-2より先に、官民が一緒になって現実のビジネスとして海外への売り込みを図っているのが、こちら。

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三菱重工のMRJMitsubishi Regional Jetです。
Regional Jet(リージョナル・ジェット)とは何ぞや?
Wikipediaによれば、

リージョナルジェット (Regional jet, RJ) とは、短距離輸送用ターボファンエンジン搭載航空機を指し、地域間輸送用旅客機と訳されることもある。

とな。まぁ、Regional=「地域の、地方の、局地的な」ですから、「地域間輸送用旅客機」で間違いはないのでしょうけれど、遊覧飛行じゃない限り、もともと、旅客機は地域間の輸送を担うものではなかろうか、と…

まぁ、そんな無粋な突っ込みは放っておいて、宣伝用ビデオでもご覧くださいませ。

性能はともかくも、販売面では失敗に近かったと言われるYS-11の轍を踏むことなく、日本の輸出産業の一角を担う商品になれるのでしょうか? ちょっと心配しています。

   

飛べ! 100年の夢 空と宇宙展」の展示のうち、飛行機関連のご紹介の最後は、低騒音STOL実験機「飛鳥」です。

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この模型を見て、「おぉ、STOLってのがあったなぁ…」と一瞬だけ感慨に浸った後、「最近、さっぱり見たり聞いたりしなくなったけれど、どうなったんだ?」と…

模型横の説明を読むと、

「飛鳥」は、航空宇宙技術研究所(現JAXA)が川崎C-1輸送機を改造・試作した、低騒音ファンジェットエンジン短距離離着陸(STOL)飛行実験機です。昭和60年に初飛行し平成元年まで97回、約167時間の飛行実験を行いました。<中略>…などの最新技術を採用、飛行実証実験などが行われ、わが国の航空技術開発に多くの蓄積をもたらしました。また昭和46年から開発が行われた国産のFJR710型ファンジェットエンジンが4基搭載され、実機による実用試験が行われたことは、後に日本も加わり国際共同開発されたV2500エンジンにも活かされています

とな。「事業仕分け」されたら、さんざん突っ込まれそうな、テンションの低い説明ですな

Wikipediaの記載によると、

研究成果を踏まえて量産化との期待もあったが、地方空港にも長い滑走路が整備されるようになったため、国策としてSTOL旅客機の開発の必然性が薄れたことや、STOL機は、開発技術力はあったとしても、個別機体開発ごとに多額の費用が掛かることが判明したため、実用化は見送られた(在来機は着陸時機首を下げると高度が下がり速度が上がるがSTOLは機首を下げると高度速度とも上る、高揚力時の揚心の後方移動など、特性が異なりSCASやFBWなど電子的補正が必要で開発費が掛かる)。ちなみにアメリカ空軍においても、同様のSTOL輸送機としてYC-14・YC-15が競争試作されているが、いずれも高コストを理由に不採用に終わっている。
プロジェクト終了後、「飛鳥」は岐阜県各務原市の「かかみがはら航空宇宙科学博物館」に展示されている。

だそうで、STOLは国際的にもお払い箱になってしまったようです。

まぁ、見切りをつけることは大変に大事なことだと思います。開発に携わった人たちは残念でしょうけれど、得られたデータや経験を若い技術者さんたちに繋いでいただきたいと思います。

   

ということで、「科博は楽しい♪ でも、やかましい」の飛行機編はこれでお終い。
次回からは宇宙編(「はやぶさ」を除く)を始めます。そしてそのあとは国立科学博物館常設展、、、、いったいいつまで続くんだ? まだシリーズ・タイトルの意味も明らかにされていないときたもんだ…。
もうしばらくお付き合いくださいな

つづき:2010/11/05 科博は楽しい♪ でも、やかましい(その5)

コメント
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