「科博は楽しい♪ でも、やかましい(その7)」のつづき、国立科学博物館(科博)探訪記の最終回です。
科博では企画展「あしたのごはんのために -田んぼから見える遺伝的多様性-」が開催中です(2011年1月16日まで)。
展示概要を公式HPから転載しますと、
約1万年前以降、私たち人類は「農耕」を手に世界各地へ拡散し、生態系に大きな影響を与えてきました。人類史において、農耕活動は破綻と再生を繰り返し、それは文明の崩壊と再生とも密接に関係しています。この企画展では、私たちにとってなじみの深い「田んぼ」を舞台に、「遺伝的多様性」という視点から将来の食と農耕のあり方を考えます。
というもの。
主食となる穀物の栽培の歴史がコンパクトにまとめられていました。
この中で衝撃的だったのが、これ。
黒い幕の上に点々と並んでいるのは4000粒の「イネ」。明治初期に日本で作付けされていたという4000種のイネを表しています。
そして、現在、日本で栽培されているイネは、たったの86種(作付面積500ha以上に限る)。赤く囲われている粒数に該当します。
主に経済性の観点から淘汰されて、ここまで作付けされるイネの種類が減ったのでしょう。
やはりおいしくて高く売れる米を作りたいという農家の気持ちは当然です。
ところが、おいしいし、冷害に強いし、強風にも倒れないなんて万能なイネはありません。また、特定の遺伝子を持つイネにだけ害を及ぼす病気がはやったら、大凶作
が起こってしまいます。
この辺りは、農家だけの問題ではなく、食糧安保を担う政府も、そして、消費者にとっても大きな問題だと思いました。
企画展「あしたのごはんのために -田んぼから見える遺伝的多様性-」は、追加料金なしで見られますので、科博に行く機会がありましたら、是非ご覧になることをお薦めします。
日本における歴史的アイドル犬の剥製が展示されていました。
下の白い犬から反時計回りに、ハチ(秋田犬)、ジロ(カラフト犬)、カイくんです。
って、現役アイドル犬の「カイくん」は北海道犬だし、ご存命でしたねぇ。
この黒い犬は、カイはカイでも「甲斐犬」(「飼い犬」ではない)です。
科博の日本館(旧本館)は、1930(昭和5)年に完成したもので、文部大臣官房建築課の設計による建物。上から見たら飛行機の形だというのは何度も書きましたが、内部もかなりステキです。
ここはどこ
科学の殿堂だよ ってな感じ…。
いやぁ~、よござんす
まだ行きますよぉ~ どうだぁっ
「建物好き」の私には、タ・マ・リ・マ・セ・ン
科博にやってきて、この日本館のホールを観ないとかなりMOTTAINAIです。これは断言
取り乱してしまいました 失礼いたしました。m(_ _)m
で、(その7)で
私が科博で一番好きな展示をご紹介する予定ですので、お楽しみに
と書きました。
その「私が科博で一番好きな展示」とは、こちら
おっと、後ろ姿でした。
こんどは正面から。
この写真を見ると、かわいいって感じですが、実際は「かわいい」なんて言ったら相手に失礼なくらい、デカイ、デカイ
森の中で突然、こんなヒグマに出くわしたら、声も出ずに腰を抜かしそうな気がします。
私の経験上、この科博のヒグマ以上に衝撃的だったのは、北大植物園の中にある北海道大学博物館本館で観たヒグマの剥製でした。
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北大博物館に展示されているヒグマの、なんとデカイこと
しかも、このヒグマは、「明治11年12月5日夜、丘珠村で炭焼小屋を襲い、3人を殺し、1人に重傷を負わせた人食い熊」なんだそうな。
ひやぁ~ です、まったく…。
詳しくはこちら(札幌市白石区の公式HPにあるPDF)をご覧くださいませ。
以上をもちまして、「科博は楽しい♪ でも、やかましい」シリーズ、全巻の終わりであります。
延々とお付き合いいただきましてありがとうございました。
書いている私自身、こんなに長くなるとは思ってもみませんでした。
それほど、予想外に楽しい科博ですので、上野へお出かけの際には、時間に余裕があることを確認の上、科博を見学してみてください。
【追記】私が科博に行った先月30日(土)は台風が接近中という「行楽」には最悪に近いコンディションでしたが、一昨日の土曜日は一転して好天
好天に誘われるように、2週連続で上野に出かけたもので、「科博は楽しい♪ でも、やかましい(その1)」に載せた1週間前の閑散とした上野の写真(11:50頃撮影)と、好天の一昨日の上野の写真(10:50頃)の写真を比較してみました。
続いて科博の特別展入口。
天気の善し悪しで、公園で働く人たちの商売に相当影響することが伺えますなぁ。
(2010/11/09 07:39)