「古墳に興奮!(その4)」のつづきです。
今、世界中に論争を巻き起こしているニュースといえば、こちらではないでしょうか?
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空港の全身透視スキャナーです。着ているものを透視して、危ないものを隠し持っていないかを調べるのだとか。
かなりくっきりと体型が判るようです。
このニュースを見て思ったのは、造られてから1500年以上も経ち、木が生い茂って、ただの小高い丘にしか見えない古墳をスキャンすれば、くっきりした墳丘が見えるものだろうかということ。
例えば、国立歴史民俗博物館(訪問記はこちら)の展示のようにネ。
と、ネットを彷徨ってみたところ、実際に古墳をスキャンする実験が行われたのだそうですよ。
それは、奈良県立橿原考古学研究所(橿考研)とアジア航測㈱が共同で実施した「古墳測量における航空レーザー計測の適用に関する研究」というもの。
橿考研が今年6~7月にその成果を一般向けに披露した展示「新時代を迎えた大型古墳測量」のリーフレット(クリックするとPDFが開きます)から引用しますと、
航空レーザ計測とは、ヘリコプターなど小型の航空機に搭載したレーザ計測システムから発射されるレーザ光により、地表面を立体的に高密度かつ高精度で計測する技術です。レーザ光は樹木の葉の隙間から地盤に到達して地形を計測するため、現地に立ち入ることなく、安全かつ迅速に作業を遂行することができます。レーザ計測システムにより収集した点群データは、樹木等を除去するフィルタリング処理をおこない、地盤だけのデータとなります。この点群データを赤色立体地図に加工することで、初めて地形形状がより判読し易い画像となります。レーザ計測データは、等高線図や断面図、任意の視点からの鳥瞰図の作成や樹高の測定が容易なことから、現地への立ち入り困難な古墳の計測に最適な手段です。
どんな風になるのかを、アジア航測のサイトの写真(奈良市にあるコナベ古墳)で見てみましょう。
すごいです
宮内庁が意固地になって天皇陵やコナベ古墳のような「陵墓参考地=被葬者を確定できないものの皇族の墓所の可能性が考えられるもの」の学術調査を拒んでも、研究者は頭を絞って研究を続けていくものなのですなぁ。たいしたものです。
さて、私がさきたま古墳公園で見た最後の古墳は、全長53mの小さな前方後円墳でした。
駐車場のすぐ隣りにある古墳で、表示がなければ見落とすのは確実です。
傍らには、「古墳に登らないこと」の杭が打たれていますが、柵があるわけでもなく、きっと近所の子どもたちや昔の子どもたちは遊び場にしていることでしょう。
反対側に廻ってみると、
ふもとが駐車場(おそらく住民用)になってる…
どこまでが古墳で、どこから駐車場なのかも判りません。
う~む、これでいいのか? と考えつつ、古墳の見学を終えました。
次回はさきたま史跡の博物館をご紹介します。