acc-j茨城 山岳会日記

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二子山・スーパーたこやん

2025年01月02日 19時47分08秒 | 山行速報(アルパイン)

2024/12/19 二子山・スーパーたこやん

2021年拓かれた二子山のマルチピッチ「スーパーたこやん」
今は亡き国際山岳ガイド篠原達郎さんが橋尾歌子さんとともに拓いたルート
関東近郊という気軽さもあって「いつかは」と考えていた

yukさんとは碧岩西稜に息合わせに行ったけど、クライミングというにはちょっと物足りない側面もあった
また、お互いに取付いたことのないこのルートなら、互いに楽しめるというものだ

関東平野部でも雪の予報に躊躇はしたものの、南向きの岩場なら何とかなるだろうと望みを繋いで二子山に向かう
途中、雪のちらつく場面もあったが山行をためらうほどの降りではなかった
それでもさすがに二子山の駐車場は数センチの積雪があり、まずは取付きまで様子を見に行く

幸い、岩場自体を覆うほどの積雪とはなっておらず何とかなりそう
1ピッチ登れば、陽光を想うがままに浴びられそうだった
足場の悪い斜面で装備を付けて、sakから取付く

1P:リード
手がかり足掛かりは多く、凹凸の多い岩はフリクションが申し分ない
むしろ凍えた指が、エッジの効いた手がかりに食い込み痛いので軍手をはめていく
フェイスの後、バンドから目前の岩を左右どちらからでも回り込める

おそらくは右のクラックを手掛かりにスラブを上がるのだろうと思ったのだが、手指の感覚が怪しくなっていたこともあって左から岩壁を一段上がり、右に立派な支点を見出す



2P:フォロー
正面の凹状をクラック伝いに登っていく
下部に支点はないので、キャメの2~4番があるといい
上部で岩を乗越すあたりがオモシロい
立ち木でビレイ

3P:リード
歩きピッチ
念のため、ビレイをしてもらいロープを延ばす
岩場手前の立ち木でビレイ

4P:フォロー
容易だが、岩は脆く浮きも多いので要注意
正面に立派な岩塔が見える
立ち木でビレイ

5P:リード
岩塔の肩に乗るところが核心といわれるピッチ
左右どちらからも登られているらしい

左は左頭上の岩が突き出ていて少し被っているように感じる
溝に指2~3本入るホールドで体を上げられそうだったが、次の一手に確信が持てず、右へと転進
右は少し傾斜は寝ていて細かいホールドを繋げば抜けられる
しかし、岩の剥がれた跡が真新しく不確定要素も強い

支点のボルトは幾分左よりに設置されているので、この登路は左を指し示しているのかもしれない
ルート開拓者の意志はどのようなものであったかと思慮する


開拓者の一人、篠原達郎さんとは2度お会いしたことがあった
はじめは、吉田海岸、魔王
二度目は越後・金山沢鉱山道

いずれも偶然お会いしたのだが、大変気さくな方だった
ルートの情報交換を同じ山屋目線で応じてくれ、親近感を抱いたものだ
それだけに事故の報せは大変ショックだった

この目の前にあるボルトも、篠原さんの手によって打たれたものかもしれない
だとするならば、その高さや位置には意味がある
それを感じ、読み取りながらボルトにヌンチャクをかける

結局、sakは右から、yukさんは左から抜けた
このあたりは体躯によっても感じ方は違うのだろう
手にかけた手がかりが意図するものかどうかは別としても、先人への敬意をもってとりつきたい

そして最後の岩塔は正面の手がかりを見出せず、左側壁を行く
岩塔上から少し下ったところの立ち木でビレイ
実質の登攀はここで終わり

6P:フォロー
簡単な岩場から歩き
山頂手前にボルトの終了点もあるが、その先の山頂まで歩いてボディビレイで終了



東岳からは全方向的な景観と、西岳のトンガリが特異
二子山東岳はだいぶ前に一度来ているのだが、山頂の景色に全くの覚えがない
後になって紐解いてみれば、「ガスで全く展望が得られなかった」とあった

おそらくまた来ることになるだろう
そんな予感を感じながら、装備を片付ける

今への道程
一つの出会いで未来は変わる
新たな選択は何処に向かうのか
そうして今は創られていく

下山は股峠へ
径に雪が残っていて「下山核心」となったのはこの後の出来事だ


sak



 



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