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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 救いを実現する態度

2016-05-19 07:34:37 | 聖書の言葉から

 

 

 
神の施しと優しさは、いまここで
  私どもも、ルターの様に、一度でいいから「天にも昇る悦び」を味わって生きたいですね。 できることなら、毎日毎日、来る日も来る日も、「天にも昇る悦び」を味わっ...
 

 神谷美恵子さんの後も、女性です。今日は私が一番好きな女性の天才哲学者、シモーヌ・ヴェイユの言葉です(『神を待ちのぞむ』から)。

 

 

 

 

 

 救いを実現する態度は、どんな働きにも似ていない。それをあらわすギリシア語は《hupomene》で、patientia(忍耐)というその訳語はかなりまずい。これは待つことであり、いつまでもつづいて、どんな衝撃にも動揺しない注意深く、忠実で、泰然自若とした態度です。

 

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授やブルース・ペリー教授が、発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもたちのセラピーに必要なセラピストの態度にも似ていますよね(ゆっくりと徐々に発達トラウマ障害の子どもは、心理的なセラピーを受けなくっちゃ。でも、ゆっくりとね)。それは同時に、内省する態度でもあるようですね(インターメッツォ : みにくい自己にすぎなくても)。

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発達トラウマ障害≒愛着障害のセラピーは?

2016-05-19 06:24:49 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
まるで虹のようね
  何のために働くのか?  馴れ合いの反対は、「真(まこと)」の関係です。「真」は関係性の誠実さです。相手のことを利用しよう、利用するこ...
 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害には、実に様々な合併症があることが分かります。しっかりと「発達トラウマ障害≒愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さが改めて、お分かりだろうと思います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の40目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の11日目。

 

 

 

 

 

治療に対する反応 : 発達トラウマ障害の履歴があったり、症状があったりする子ども達は特に、現行の現状回復的な心理療法や薬物療法では治りずらいことが分かります。たとえば、たくさんある、トラウマに焦点付けした認知行動療法は、情緒・行動障害の重度の子ども達に推奨されますし(コーエン、マナリノ、デリンジャー、2006)、こういった課題のある子ども達に対して、強くトラウマを暴露することのない、いろんな治療法が試す、いろんな研究も行われています。

 

 

 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害には、認知行動療法や暴露療法は効きません。それはすでに、The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の中で、ヴァン・デ・コーク教授がハッキリ言っています。すでにこのブログで翻訳していますから、ご存知の方もあるでしょう(言うは易し、行うは難し「もうダメだぁ」 心が挫かれる体験ほか)。発達トラウマ障害には、心理療法、薬物療法、ボディーワークの組み合わせが効く、とヴァン・デ・コーク教授は言いますね。

 

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発達トラウマ障害の子どもは、心理的なセラピーを受けなくっちゃ。でも、ゆっくりとね

2016-05-19 02:36:20 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
神の施しと優しさは、いまここで
  私どもも、ルターの様に、一度でいいから「天にも昇る悦び」を味わって生きたいですね。 できることなら、毎日毎日、来る日も来る日も、「天にも昇る悦び」を味わっ...
 

 

 発達トラウマ障害=愛着障害の子どもとの達と関わる時には、待つことが大事ですブルース・ペリー教授が、「ゆっくりと徐々に」というのと、全く同じです。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.245の、最後のパラグラフから。今晩の部分も再録ですが、改めて訳しています。

 

 

 

 

 

 また、核となっているトラウマは、全くと言っていいほど無力で、コントロールが効かないものですから、そのトラウマから回復するためには、そのカギになる、治療的なやり取りをしなくてはなりません。繰り返し、繰り返し、発達トラウマの研究が示していることは、もしも、皆さんが、「正しいこと」を押し付けたり、相手の心構えができる前に相手の心をこじ開けようとしたり、セラピーに参加するように言ったり、あるいは、ひとりびとりの違いを大事にできなかったりすれば、その治療は、実際には重大な虐待になる、ということです。

 

 

 

 

 

 多くの教員、多くの保育所や児童養護施設などの保育士、支援員等に読んでほしいところです。

 

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ゆっくりと徐々に

2016-05-19 02:06:50 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「眼」と「顔」と「名前」
  ほんのささやかなことが、単なる些事じゃぁなくて、一生を左右する…。だけど、それだけでもない。永遠を左右することでもある…。だから、...
 

  発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、とにかく、テンデバラバラですから、集団をまとめることが難しい。そこで舞台を作るのは、本当は、とっても難しいはずですね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.338の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

  私が一緒に関わった舞台監督たちが賛成してくれていることは、味噌は、ゆっくり進めることと、徐々に関わることだ、ということです。最初の遣り甲斐は、参加者たちに部屋にい続けてもらうことでしょう。ケヴィン・コールマンという、「法廷のシェークスピア」の舞台監督は、私がインタヴュウした時に、次の様に言っています、「はじめに、私どもは、参加者の皆さんに立ちあがって部屋を歩いてもらいます。次に、私どもは場を落ち着かせます。すると、皆は当てもなく歩くことがありませんし、ほかの人に気付くようになります。しだいに、セリフ付けがあまりなくても、場が入り組んだものになります。つま先立ちで歩いたり、かかとで歩いて見たり、あるいは、後ろ歩きをしたり。すると、あなたが誰かに身体をぶつければ、金切り声を上げて倒れ込みます。30回くらい、セリフ付けをすれば、みんなは両腕を振って、部屋からいなくなります。私どもは体を温めますが、もしも、あなたが大ジャンプをすれば、皆が壁に身体をぶつけるのを見ることになりますよね…。

 

 

 

 

 ちょっと訳しづらい。具体的状況が分かりづらい。でも、演劇を始める際の、舞台監督のケヴィン・コールマンさんの配慮について、ヴァン・デ・コーク教授が訊いた話を描いているはずですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達に関わる際の味噌は、ということです。それは演劇トラウマ療法じゃなくても、特に、重たい発達トラウマ障害の子どもたちの関わりの基本は、ゆっくりと徐々に、という訳です。

 

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