エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 幸せな生き方の道すじ

2016-05-02 10:42:36 | 聖書の言葉から

 

 

 
ことばを贈る 自由でいるため 正気でいるため
  いつもながら、高橋源一郎さんは痛快ですね。今月の論壇時評もとても良いですね(朝日新聞 4.30,2015.  12版▲ 13面)。 ことばは自由...
 

 今日は、佐々木正美先生の文章から(『あなたは人生に感謝が出来ますか? エリクソンの心理学に教えられた「幸せな生き方の道すじ」』)

 

 

 

 

 

 人生を左右するほどの違いが、乳児期の過ごし方にある訳です。

 

 

 

 

 

 

 乳児期は、根源的信頼感に傾くのか、根源的不信感に傾いちゃうかの危機ですね。今のニッポンは、親が子どもの近くにいないネグレクトのために、根源的不信感の方に傾いている人の数も質も、背筋が凍るほどデッカイ、ニッポンです。

 

 

 


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あなたは、間違った親を追いかけていませんか?

2016-05-02 09:51:25 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
私どもが、アンパンマンになるために 改訂版
  口やお尻の動きと、対人関係のあり方に共通点があることを見出したのは、精神分析の大きな功績でした。 The life cycle cpmpleted 『人生...
 

 

 子どもたちの脳は、養育環境の影響を直接受けてしまいます。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.240の 下から2行目から。

 

 

 

 

 いつも暴力に晒される街で暮らすこと、経済的に不利であること、暴力を目撃したり、暴力の犠牲にあったりすることは、どの子が暴力的になるのかを図るうえで、決定な因子になります。それは、単にテレビゲームやテレビで暴力にされられること以上の因子です。経済的な不平等を少なくしたり、家庭内暴力の犠牲者たちや虐待されている子ども達を助けたりすることは、私どもが暴力や犯罪を減らしたいと願ったら、決定的に重要です。ほとんどの虐待された子ども達が、自身で虐待する人にならないけれども、幼い頃にそのような虐待された親が一人だけ、虐待やネグレクトをするとしたら、それは奇妙でしょう。しかし、そのような子ども達が喧嘩が絶えないようなところで暮らしたり、暴力を起こす様ないろんなことに囲まれていたりして、肯定的なやり取りがほとんどなければ、これはもっとひどいことになるでしょうね。

 

 

 

 

 

 虐待やネグレクトは、世代間伝達するのです。それは、愛着の形、人間関係の形が、エリクソンの言うように、本能みたいな働きをするからです。その形は、真の意味でセラピーを受けないかぎり、変わりません。

 それま、まるで、鳥の実験のように、生まれたばかりの幼鳥に、音が出て動く人形を見せたら、その人形を親と刷り込まれてしまうのに、全く同じです。

 あなたは、間違った親を追いかけていませんか?

 

 

 

 

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古典は普遍的。セラピーの役にも立つ。

2016-05-02 08:07:33 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
自由なルター
  ルターも、フロイトも、見つめられるのが苦手でした。 Young Man Luther 『青年ルター』p196の最後の行から。  ...
 

 

 アテネ市民には、兵役が課されていましたから、悲惨で残酷な場面に繰り返し出合い、トラウマにされされました。ですから、ギリシアには悲劇が生まれたといえるのかもしれませんね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第20章 Finding your voice : communal rhyhtms and theater「自ふんの声を見つけてね:共通のリズムと劇場」p.334、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ソフォクルスはアテネのペルシャ戦争で将官クラスの軍人でしたし、彼の戯曲アイアースは、トロイヤ戦争最大の英雄の一人、アイアースの自殺で終わるものですが、トラウマ・ストレスの教科書みたいに、読まれています。2008年に、劇作家で映画監督のブリヤン・ドリスはアイアースの読み物をサンディエゴの500人の海兵隊のために編集して、レセプションで度肝を抜かれました(トラウマを治療している私どものような者の多くがそうであるように、ドリスの思い付きは個人的なものでした。ドリスは大学で古典を学んだ後、恋人を嚢胞繊維症でなくしてから、慰めのためにギリシア語の古典に向ったのでした)。ドリスのプロジェクト「戦争という名の劇場」は、その最初の(訳注:個人的な)出来事から進化して、国防省から経済的支援を受けて、2,500年も昔の戯曲は、国内外で200回以上上演されました。それで、退役軍人たちの苦境を代弁し、家族と友人との対話や家族と友人の理解を育んでくれました

 

 

 

 

 

 井上ひさしさんの「父の暮らせば」を映画や舞台で見たら、それは戦争で肉親を失った人たちの体験を追体験したり、その体験で苦しんている人の気持ちを代弁することになるのでしょう。それが可能になるように、リアリティを追求したがゆえに、井上ひさしさんは、「そこまでやるの」と言うくらいに、人の話を聴き、資料を集めて読み込んでいたそうですね。

 ギリシア悲劇も、現代の戦争を体験した人のセラピーに役立つものだったようですね。

 

 

 

 

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虐待やネグレクトに合うと、バカになる?

2016-05-02 05:17:22 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
ことばを贈る 自由でいるため 正気でいるため
  いつもながら、高橋源一郎さんは痛快ですね。今月の論壇時評もとても良いですね(朝日新聞 4.30,2015.  12版▲ 13面)。 ことばは自由...
 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の31日目。

 今晩は、妥当性と信頼性の章の3日目。昨日の脳の話は難しかった。

 

 

 

 

 

 

  同様に、神経内分泌物の変化も、子どもの頃に対人間暴力によるトラウマの影響において、記録されてきました。ビィヴァンス等(2008)によれば、子どもの頃にトラウマに晒された子ども達は、日中の様々なコルチゾールの変化と関係していました。虐待されている幼い子どもは、虐待されていないお友達と比べて、コルチゾールが少ないとの報告もあります(キング等、2001; リナレス等、2008)。

 

 

 

 

 

 ウィキペディアのコルチゾールの項目によれば、コルチゾールは、ストレスに晒された時に分泌される副腎皮質ホルモンであり、血圧や血糖値を上げ、免疫機能の低下をもたらすとあります。また、子どもの頃から、虐待やネグレクトにあって、過剰なストレスに繰り返しされされた場合、海馬が委縮することが分かっているようです。記憶を司る海馬が委縮すれば、学習だけでなくて、生活にも影響が出ます。

 

 

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