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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 透明な力

2016-05-03 09:08:06 | 聖書の言葉から

 

 

 
新しい葡萄酒を、古い革袋に入れるなかれ
  ルターは、選考帝に命を守られても、選考帝に媚を売るような真似はしませんでした。 Young Man Luther 『青年ルター』p197の第2パラグラフか...
 

 

 今朝は、宮澤賢治の詩から(「稲作挿話」『宮澤賢治詩集』より)

 

 

 

 

 雲からも風からも

 透明な力が

 そのこどもに

 うつれ

 

 

 

 

 

 長い詩の最後におかれた、宮澤賢治の祈りです。

 透明な力の実力を確信していた詩人の祈りです。

 

 

 

 


 

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神は細部に宿りたもう

2016-05-03 08:22:13 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
素直になりたい エバーグリーンで生きたい
   天国を体験する遊び   再び立ち上がる力  驚きと価値を認められることが一体になる! ...
 

 

 子どもたちの脳は、養育環境の影響を直接受けてしまいます。虐待やネグレクトに晒され続けたら、それが当たり前の脳に変質してしまって、一生涯その影響を受けてしまいます

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.241の 第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 アメリカ精神医学界(APA)は、子どもは平均して、16,000回の殺人と、20,000回の暴力の刺激に、18歳になるまでにテレビだけで晒されると推定しています。でもね、どれくらいの暴力的なテレビゲームに子ども達が晒されて、それが子ども達にどれくらいの影響があるか、まだ研究されていないんですね。私どもの本性にある「あの、より善き天子様」を強調する社会を作りたかったら、そのような暴力に子どもを晒すことを制限することが大事でしょう。拙著を通してこれまで見てきたことは、ささいな影響や決定が、長い間に、いかに大問題に発展するか、ということでしたね。結果として、ささいなことでも長期に亘る否定的な影響を変えていることが、結局は、大きな効果をもたらすんでしたね。

 

 

 

 

 

 小さなことが、とても大事、ということです。神は細部に宿りたもう。カトリックでは、「小さなことの聖化」とも言いますね。カトリックの人たちが、いかに毎日を大事にして、暮らしを立ててきたかを、私どもプロテスタントも学ぶべきでしょう。

 小さなことが、子どもにとっては、ほとんど決定的に重要です。毎日繰り返されてしまうからです。でも、小さいことですから、大事件や大災害程には、目立ちませんし、メディアも取り上げませんでしょ。すると、忙しい毎日を、自動運転で暮らしていく中で、小さなことは無視され、無意識のうちに行われてしまいます。それが虐待でもネグレクトでも、その自覚もなく、無意識のうちに、毎日行ってしまう背景になるのです。怖いでしょ。

 ですから、いつでも大事なのが、自覚であり、気付きであり、意識・良心なんです。

 

 

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朗読会が、セラピーにも、礼拝にもなる不思議

2016-05-03 03:29:12 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
新しい葡萄酒を、古い革袋に入れるなかれ
  ルターは、選考帝に命を守られても、選考帝に媚を売るような真似はしませんでした。 Young Man Luther 『青年ルター』p197の第2パラグラフか...
 

 

 ギリシア悲劇の代表作「アイアース」のリメイク版が、2,500年後のアメリカで、戦争で傷ついた退役軍人が癒されるのに、とっても役立った、というのは、古典の普遍的な力と言うべきでしょう。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第20章 Finding your voice : communal rhyhtms and theater「自ふんの声を見つけてね:共通のリズムと劇場」p.334、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 「戦争という名の劇場」の上演は、市役所に引き継がれ、議論形式になりました。私もマサチューセッツ州のケンブリッジ大学で、「アイアース」の朗読会に参加しました。それは、新聞社が過去3年間に戦闘に参加した退役軍人の自殺率が27%上昇したと、公表したすぐ後の事でしたね。訳40人の人は、ベトナム帰還兵、軍人の妻たち、イラクやアフガンの兵役から最近除隊になった男女ですが、マイクの後ろにズラッと並びました。その多くが、「アイアース」の戯曲のセリフを引用して、自分が何日も眠れない日を過ごしてきたこと、薬物依存症になったこと、家族から見放されたことを語りました。その雰囲気たるや、ビリビリと心に響く程電撃的でしたね。その朗読会が終わった後には、聴衆たちはロビーでごった返しまして、ある者は、お互いに抱き合ったり、泣いたりするすれば、また別の者たちは、深い議論をしました。

 

 

 

 

 

 「アイアース」の朗読会が、いかにカタルシスに満ちたものかが、分かりますでしょ。普段は語れない心の深みにある思い、悲しみが語られ、分かち合い、慰めあわれます。他方、深い議論が行われて、深い感情と結びついた話し合いが行われます。これは真の意味で、セラピーであると同時に礼拝です。

 

 

 

 

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発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、人付き合いが下手で、感情がコントロール出来ない

2016-05-03 01:21:45 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
リアルに物が見える時
  アンパンマンには、必ず慈しみ深いお母さんがいます。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p36の8行目途中から...
 

 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の32日目。

 今晩は、妥当性と信頼性の章の4日目。

 

 

 

 

 

 

 様々な研究が、虐待やネグレクトにあっている子ども達に生じる生物的な変化に対応する、対人関係の症状について研究してきました。マリー・クローズら(2008)によれば、虐待やネグレクトを経験すると、コルチゾールの日中変動が鈍化しても、子どもたちの攻撃性が弱まりません。チチェッティとロゴシュ(2007)によれば、朝にコルチゾールが低いと、虐待やネグレクトを受けている子ども達は、レジリエンスが弱くなり、感情のコントロールが出来ないことが増える、とされます。ハートとガナーとチチェッティ(1995)によれば、虐待やネグレクトを受けた子ども達は、コルチゾール反応が鈍いことが分かりました。コルチゾール反応が鈍いと、対人関係が上手く出来なくなる場合がおおいのでした。チチェッティとロゴシュ(2001)によれば、虐待やネグレクトを受けた子ども達で、抑制タイプになったり、抑制タイプと脱抑制タイプが一緒にあったりする場合、虐待やネグレクトを受けていない子ども達に比べて、コルチゾールが多量に分泌されます

 

 

 

 

 

 虐待やネグレクトは、ヒドイ経験ですから、ストレスホルモンである、副腎皮質ホルモンでもあるコルチゾールが、赤ちゃんの時から多量に分泌され続けることになります。そうすると、様々な生物学的な変化があり、脳が上手く成長しないようですね。すると、攻撃性が強まる、対人関係が上手にできない、感情がコントロール出来ないなど、人として非常に強いハンディを背負い込むことになります

 

 

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