エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ウソとゴマカシにまみれた脳

2016-05-01 09:09:57 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
見つめられると、困るけれど・・・
  自信に満ちたルターは、表情や姿勢も変幻自在です。 Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラフ10行目途中から。 ...
 

 今のニッポンが「厳罰主義」なのは、多くのニッポン人が、いかに心が貧しいのかを物語っている訳です。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.240の 第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私どもの生態によって、私どものまわりに見えるものの行動を私どもは真似したくなる、ということが分かります。私どもは、何を繰り返し、何を強化し、何を組み入れるのかを分かっています。私どもが何かをすればするほど、私どもの脳の中にある、その何かをするのに役立つシステムも強化されます。こうして脳が出来てくる、という事実が素晴らしいのは、私どもが毎日の繰り返しをよくよく考えることが、人を大事にすることにもなり、人を世話するとになる時ですが、こういった事実が恐ろしくなるのは、暴力のことを考える時ですし、私どもと私どもの子ども達のまわりの暴力を疑似体験することが増えていることを考える時でしょう。

 

 

 

 

 

 今朝のブルース・ペリー教授の話は、昨夜のヴァン・デ・コーク教授の話とかぶっていますね。毎日子どもたちが周りに見ていることが、自分の頭で考えて、人を慈しみ、人を大事にし、晴れ晴れと力を合わせることならば、それは、その子どももその真似をするように脳が出来てきますから、人間の脳は素晴らしい、と思えます。しかし、子ども達が毎日周りで見ていることが、人の顔色を窺い、強いものにはオベンチャラ、弱い者には、イジメとゴマカシ、自分(達)の利益のためなら、お客に平気でウソを言い、人が苦しみ、悲しい思いをしていても、ヘッチャラだとしたら、その子ども達もその真似をするように脳を使っちゃう…。恐ろしいことですね

 今のニッポンは、まぎれもなく、ウソとゴマカシに塗れた脳を作るようにできてきます。

 

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ギリシア悲劇誕生

2016-05-01 08:15:18 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
身体の動かし方が、対人関係の形を決めることに、こうして気づきました
  「原始」社会の方が、赤ちゃんに対して寛容なんですね。 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p35の第3パラグラ...
 

 セラピーは、本来礼拝です。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第20章 Finding your voice : communal rhyhtms and theater「自ふんの声を見つけてね:共通のリズムと劇場」p.334、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ギリシア(悲)劇は、戦闘に参加した退役軍人にとって、儀式的に再び体験を取り戻すものとして役立ちました。アイスキュロスが(訳注:ギリシア悲劇の傑作)オレステイアを書いた時、アテネの人たちは6つの戦場で戦争をしていました。すなわち、繰り返される悲劇が始まった時、街に戻った戦士の王アグメムノンは、自分の妻、クリテムネストラに殺されました。アグメムノンはトロイアに船出する前に、自分の娘を犠牲として捧げたからでした。兵役は、アテネ成人市民全てに課されてしましたから、聴衆は戦闘に参加してきた退役軍人と、休暇中の兵役についている軍人から成っていたことは、疑問の余地もありません。役者たち自身も、市民兵であったに違いありません

 

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授くらいのインテリになれば、ギリシア悲劇も教養の1つになるのでしょう。戦争は文字通り悲劇の連続でしょう。成人男子であれば、全員ンが戦士になる決まりでしたから、誰もが悲劇を体験していたわけでしょ。そこにギリシア悲劇が必然的に生まれる土壌があった、という訳でしょう。

 

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インターメッツォ :やまびこ学校の合い言葉 再録

2016-05-01 02:35:28 | 聖書の言葉から

 

 
「ミニ」と「大」のあいだ
  ミニと言っても、ミニスカートのことではありません。今日、アメリカの上下両院の場で、あの安倍晋三首相の演説がありました。その呼び出しに、「プライム・ミニスター・...
 

 

広島の自殺した中学生の中学校、70人以上の子どもが殺された大川小学校の、コソコソと裏で口裏合わせをする学校が、例外ではなくて、むしろ、当たり前になっている異常な状況が、ニッポンに蔓延しています民主主義教育の原点を確認したいところです。原点に戻って生きたいところですね!

 

 

 

 

 

「山びこ学校」の合い言葉

 

 おれだちはきかんしゃだ

 きかんしゃの子ども は

 いつも力を合わせていこう

 かげでこそこそしないでいこう

 いいことは進んで実行しよう

 

 おれだちはきかんしゃだ

 きかんしゃの子ども は

 仂くことがいちばんすきになろう

 なんでもなぜ? を考える人になろう

 いつでももっといい方法がないか探そう

 

 

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ニッポンの 恐るべき現状 脳が破壊されているのに、見えないばっかりに…

2016-05-01 02:11:25 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
コンプレックスが強みに代わる時
  マルティンは、いわばコンプレックスの塊です。しかし、それが無駄でなかったのですね。 Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラ...
 

 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の30日目。

 今晩から、 妥当性と信頼性の章の2日目。

 

 

 

 

 

2)発達トラウマ障害は、DSM-Ⅴのスペクトラム研究の集団妥当性を当てはめた時に、診断の妥当性があるのか?

 

     神経気質 : 発達トラウマ障害特有の神経気質が確立されて来なかったのは、この症候群がそれ自体、実験的にも、臨床的にも、疫学的にも、研究されて来なかったからです。しかしながら、生理学的、神経生物学的、脳画像的な研究によって、脳の構造のまぎれもない異常をハッキリと示してきました。同時にその研究が示したのは、発達トラウマ障害の診断基準A1とA2と一致するトラウマになるストレスやネグレクトにずっと苦しんできた子ども達に見られる、いろんなストレスに対する、機能的、生理的、神経生物学的な反応です。伊藤(1993)は、虐待されてきた子ども達は、左脳の前頭・側頭・頭長に脳波異常があると、報告しています。伊藤ら(1998)は、虐待された子ども達は、コントロール群と比べて、左脳の関係性(脳波コヒーレンス)が増すと言います。テイラー(2006)は、過酷で冷酷な子育てを経験した子ども達は、感情を観察する課題の時には、偏桃体の活動が減ることと、感情を名付ける課題に時には、偏桃体の活動と右脳の腹外側の前頭前野の強い結びつきを報告しています。カーティスとチチェッティ(2007)は、真面な養育をされて来なかった、レジリエンスに欠けると分類された子ども達が、真面なよう養育をされて来なくても、レジリエンスがある子ども達と比べて、左脳の活動が減ることと、真面な子育てをされている子ども達に比べると、左脳の頭長の活動がへることが、報告しています。脳波の左右の対称性に欠けることは、感情がコントロール出来ないことと関係していました。

 

 

 

 

 脳が発達する乳幼児期に、虐待されたり、親が子どもと一緒にいる時間が短かったりすれば、脳がまともに育たない。子ども達の脳が破壊されている。驚くべきことなのか、「やっぱりねぇ」ということなのか? むかしから、「三つ子の魂、百まで」と言い習わされてきました。それを「三歳児神話」と呼び、否定されていたこともありましたね。でも、それは、時の政権の、子育て支援が無策であることを、支援するという、皮肉な結果になりました。

 今晩、ヴァン・デ・コーク教授が明らかなしてくれたように、真面な子育てが出来ないと、それがたとえ、貧困な子育て政策の犠牲であっても、子どもの脳が破壊されてしまい、二度と完全には修復されないとしたら…。そういうことが、日本でも、銀座の大通りを、大手を振って、驀進しているのが、悲しいかな、日本の現状です。それは、小学校にいけば、すぐに分かります。高校に行ったら、空恐ろしくなります

 

 

 

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