ひ と こ と NO.237
ビギナーマジシャンにひとこと申し上げたい。
私たちはどうしてコンテストなどに出演する人のように、マジックが上手になれないのでしょうか?
習い方(クラブ)がよくないのでしょうか? 指導者が適切ではいのでしょうか? 自分達に才能がないのでしょうか? もっとお金を掛けるべきなんでしょうか?
山本五十六という人は、人を育てる(働かせる)要諦は、
やって見せ 言って聞かせて させて見て 褒めてやらねば
人は育たぬ(うごかぬ) と言っています。
私たち(特に永年クラブに在席している会員)は5~10年という、ずいぶん長い間ある先生の指導を受けてきました。
先生の指導方針は、まさに山本五十六に名言に近い形のものでした。
演技をやって見せてくれました。 そして、演じ方の要諦を言って聞かせてくれました。 みなさんやって見なさいと進めてくれました。
そこまではよかった。
でも、私たち会員はそんなにうまく演技ができませんでした。
それはそうでしょう、年齢もかなり重ねてますし・物覚え・運動神経ともに、かなりくたびれているのですから、仕方がありません。
クラブ会員の中には「演技はしたくない」「見るのが楽しみで入会してるんです」と言って、演技をするよう強く勧められたのに嫌気をさして退会した人、出来そうもないマジックグッズを半強制的に買わされて経済的について行けない、という人も何人もいました。
そして、その先生の一番の欠点は五十六の言う「ほめる」ということをしないで反対にけなすばかりで、会員はやれと言われてやってみると、必ずけなされるものですから、意気消沈してやる気をなくし、どんどん退会して行きました。
やらない・ほめてもれえない・・・ではなにごとも上手になることはできません。
どこのクラブの会員さんもやってみるという点では、なかなか期待通りに行っていないようですが、でも、少し積極的にやればいいのにと思います。
また、他のクラブ会員さんの演技に対しては惜しみない拍手を送って頂きたいと思います。
そして、お互いに忌憚のない意見を出し合って、相互の演技力の切磋琢磨を期すべきではないかと思います。
従来のマジックでは「たね」を教えるな・・・と指導されましたが、互いに教え合い教えられれば、マイナスになることはありません。
そういうことができれば、もっと上達するのではないかと思います。
上杉鷹山という人がこんなことを言ってます。
「為せば成る 為さねばならぬ なにごとも」
(やったらできるんや やらんからできないんや どんなことでもやで)
「為せぬは 人のなさぬなりけり」
(やれないのは あんたが やらんからや)
もう少し意訳しますと、
出来ないのは やらないからであり やろうという信念と努力が足りないからだ・・・でしょうか?
なにごとも理屈通り・理想通りには行ませんが、ちょっと気持ちを前向きに
積極的にもつだけで、結果はおのずと変わって来るのではないかなと思いま
す。
練習を重ねる・人の演技をよく見る・関連のビデオを見る・不思議を創造し
て、創作マジックに挑戦する。
そういうことが上達への道筋ではないでしょうか。