R 04.08.25 復 員 NO.3627
昭和20年戦争が終わって、母方の叔父Hがフイリピンから復員してきまし
た。 本人が名を名乗らなければ誰だか解らないほどにやせ細り、栄養失調
の状態で、頭髪・眉毛・まつげまでトウモロコシのひげのような色に変色し
ていました。 蛇・カエル・ネズミを食べて生き延びたという。
本人は言わなかったけれど、おそらくは同胞の死肉も食ったことでしょう。
戦後酒をのむと軍歌を歌ったり、殺した人の人数を誇らしく言う馬鹿がいま
したが、叔父は死ぬまで戦争のことを一言も言わなかった。
おそらくは口に出せないほどの阿鼻叫喚の世界を体験したのでしょう。
戦争はいけません。 いけませんと言ってるだけではいけないのかもしれな
いけれど、とにかく今できることは「戦争はいけない」ということぐらいで
す。