ことばと詩 56 古在吉重『思想とはなにか』岩波新書、1960年 202100518
古在吉重さんは1901年東京生まれ、1990年没のマルクス主義哲学者です。
ボクは古在吉重さんの本は何冊も持っているので、少しづつ紹介していきます。
「戦争の重圧と天皇制の暴力のもとで、転向というのはむしろ「力」の結果だった。つくりだされたいわゆる転向理論、すなわち権力の屈服の合理化は、どんなにたくみな論理によってあやつられていようとも、じつは理論的思考の自発的な産物ではなかった。そこにはたらいたのは本質的には「論理の力」ではない。むしろ「力の論理」だった。
論理の力ではなくて、力の論理が支配するところ、そこにはもはや論理学の法則ではなく、力学の法則が支配する。」
(p132、「転向について 2 転向の力学」)
古在吉重さんは1901年東京生まれ、1990年没のマルクス主義哲学者です。
ボクは古在吉重さんの本は何冊も持っているので、少しづつ紹介していきます。
「戦争の重圧と天皇制の暴力のもとで、転向というのはむしろ「力」の結果だった。つくりだされたいわゆる転向理論、すなわち権力の屈服の合理化は、どんなにたくみな論理によってあやつられていようとも、じつは理論的思考の自発的な産物ではなかった。そこにはたらいたのは本質的には「論理の力」ではない。むしろ「力の論理」だった。
論理の力ではなくて、力の論理が支配するところ、そこにはもはや論理学の法則ではなく、力学の法則が支配する。」
(p132、「転向について 2 転向の力学」)