みなさんは、ロシア民謡が好きですか?
ぼくは、若い頃、浜松に帰ってきて、偶然、市民「合唱団美樹(みき)」を知って、そこで歌っていたので、ロシアの歌が好きです。
合唱団美樹で体験した最初の定期演奏会、たぶん1976年の、ファイナル曲「ロシア」は、凄い感動でしたね。
著者の山之内重美さんを知ったのは、深夜の配送の仕事上、運転しながらラジオを聞いているので、NHKラジオ深夜便で、午前4時からの放送で、聞いたのがきっかけでした。
山之内重美さんは「歌手、俳優,ロシア研究家」、つまり歌手なのに研究者、研究者なのに歌手、という、貴重な存在です。
山之内さんのこの本での一番の主張は、「ロシア民謡」と言うけど、ほとんど「民謡」ではなくて、現代の歌曲です。
この本は、「黒い瞳」「カリンカ」「すずらん」「つる」など1つひとつの曲について、ロシア語の原詩と日本語訳詞をかかげて、そのできかたや、作詞者・作曲者・歌手をていねいに解説しています。
こういう作業がていねいにされると、ロシア民謡であれ、なんであれ、なにも考えずに、心地よく歌って・・・・というわけにはいきません。
吟遊詩人ブラート・オクジャワの、ソ連体制に抑圧されながら生ききった生涯の話は、胸におちます。
まだ、もっと、考えながら歌い・・・歌いながら考えたいと思います。