雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森(第3) 10 萩原遼『ソウルとピョンヤン』文春文庫、1998年

2020年11月30日 11時45分26秒 | 本と映像の森
本と映像の森(第3) 10 萩原遼『ソウルとピョンヤン』文春文庫、1998年


 北朝鮮の首都ピョンヤンと韓国の首都ソウルのリアルリポート。萩原遼さんは日本共産党の「赤旗」記者として1972年の5月から1973年の4月まで1年間、平壌に赴任して記者として過ごした。


 そして15年経って今度はソウルオリンピックを赤旗記者として経験した。第1部は韓国レポート、第2部は北朝鮮レポートなのだが、明らかに萩原さんの主要な論点は北朝鮮のほうにあると思う。


 なぜなら80年代後半の韓国は日本と等質の社会であって、すでに1972年から1973年の北朝鮮が異質の社会だと感じた。


 ひとことでいうと「笑いのない社会」。


 萩原さんは自分の体験で北朝鮮の異常な収容所社会を裏付けていく。


 たとえば見学対象のいつわり。帰国日本人の運命。外国人への執拗な監視。


 北朝鮮史の大きな分岐点になったのが1967年の朝鮮労働党の中央委員会総会であるとの指摘。これいご多数の党幹部が粛正された。


 その前までが「地上の楽園」であるかの認識は誤っていると思う。絶対権力と悲劇は最初から準備されていたのだ。


 また萩原遼には触れる機会があると思う。


     ☆


 以下は2017年に書いた「新・本と映像の森 63 萩原遼『朝鮮戦争 ー金日成とマッカーサーの陰謀ー』文春文庫、1997」年
 
 「新・本と映像の森 63 萩原遼『朝鮮戦争 ー金日成とマッカーサーの陰謀ー』文春文庫、1997年
2017年05月04日 22時47分23秒 | 本と映像の森




 375ページ、定価本体543円、1993年文芸春秋刊行


 著者は元「赤旗」平壌特派員。萩原さんは、ワシントンにあるアメリカ国立公文書館にある朝鮮戦争時のアメリカ軍奪取文書160万ページを3年かけて読破した。


 その文書分析という歴史学の常道から導き出した、朝鮮戦争の始まりの真実と、朝鮮民主主義人民共和国の創立の頃の謎に迫る。


 朝鮮戦争は1949年から金日成とスターリン・毛沢東らによって準備され、その軍事的中枢は、国共内乱で活躍した中共軍の朝鮮系部隊3万人だった。


 そして、朝鮮北部に1945年からできたのは、ソ連軍の占領下で東欧でできたような「収容所国家」だった。


 それが歴史の事実だったことを、資料分析をつうじて語ってくれるドキュメント。


 萩原さんは、1945年以前、金日成の通訳をしていた朝鮮人にもインタビューして、金日成の当時のリアルな姿を描いている。


 真実かどうかは、皆さんが自分で読んで、自分の頭で判断して欲しい。


 ボクは、これが真実に近いのではないかと思う。」



雨宮日記 2020年11月29日(日) エンゲルス生誕200年

2020年11月29日 19時24分08秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月29日(日) エンゲルス生誕200年


 きのうはマルクス主義の創始者の1人、フリードリッヒ・エンゲルスが誕生した1820年11月28日から、ちょうど200年目。


 エンゲルスは間違っているという議論、エンゲルスの解釈はマルクスとは違うという解釈について、一人ひとりが自分でよく研究して判断をくだすことが大事だと思う。


 たとえ不破哲三さんの学説だとしても「鵜呑み」にしないことがマルクス主義の根本だと思う。



雨宮日記 2020年11月28日(土) 原発金曜行動のビデオを創る

2020年11月28日 20時43分59秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月28日(土) 原発金曜行動のビデオを創る


11月13日の第400回原発金曜行動のビデオを創る。「ピース浜松 市民の平和ブログ サイトB」にアップする。

 「2020年11月13日 第400回 浜岡原発の再稼働を許さない 金曜アクション@浜松 さよなら原発の夕べ」。


 浜岡原発に反対して400回!すごいですね。自分でやってるわけじゃないけど、その大変さはわかります。約15分。


 来年は停止から10年になります。停止10年の中古原発を再稼働させようとしているのが信じられない。中古原発ではなく大古原発ですか。


 太古の原発ですね。


 11月もあとわずか。だいぶ本とファイルの整理がすすんだ。整理だけ。



ことばと詩 43 アニメ「ターンAガンダム」よりティアラ・ソレルのことば 20201127

2020年11月27日 18時05分56秒 | ことばと詩
ことばと詩 43 アニメ「ターンAガンダム」よりティアラ・ソレルのことば 20201127


 「ターンAガンダムガンダム」は「モビールスーツ」の「戦闘物語」とは異質ですが、だからボクは好きです。


 「武力を使って人を幸せにしようとすることでは
  それは黒歴史を作った人々と
  同じになってしまいます」



雨宮家の物 58 星☆? 20201126

2020年11月26日 15時42分32秒 | 本と映像の森
雨宮家の物 58 星☆? 20201126


 星? ☆?


 則子さんが作った☆、星。元はトイレットペーパーの紙芯らしい。どうやってつくるかは、ボクはよく知らない。

 


 トイレットペーパーの紙芯をハサミでいくつかに切断して、接着剤でくっつけて、そとの6つの星をまずつくって、それから中の小さな12の星をはめていくらしい。


 職場で教わってきたらしい。


 こういうことをやれるくらい、余裕ができてきたということかな。



雨宮日記 2020年11月25日(水)の2 ショパンのCD

2020年11月25日 18時31分09秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月25日(水)の2 ショパンのCD


 パソコンのDVDを見るボックスでCDも聞けることがわかったので、最近、1階のパソコンの近くの本棚に音楽CD100枚以上を集積したので、左手ですぐ手の届くところにある。


 いまは昼閒は、ショパンのピアノ協奏曲2曲の1枚と、ショパンのピアノソナタ2曲の1枚を交互に聞いている。


 マーラーもいいかも知れない。


 夜はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番か第3番を聞いて寝る。



雨宮日記 2020年11月25日(水) 三島由紀夫さん没後50年

2020年11月25日 14時49分17秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2020年11月25日(水) 三島由紀夫さん没後50年


 今日は小説家の三島由紀夫さんが亡くなって50年目の命日です。50年前の今日、旧防衛庁(当時)に三島由紀夫さんが殴り込んで、切腹自死した日です。


 当時、わが家で共産党の「赤旗日曜版」を購読し始めたころで、普通の商業新聞とはひと味違う、その論調に感心した記憶がある。


 いま「三島由紀夫さん」と書いたが、べつに「三島由紀夫さん」を尊敬しているわけでは全然ない。それどころか敵そのものと思っている。


 でもボクは、自分以外の他人はすべて「さん」づけで呼ぶのを習慣にしているので。「則子さん」「ウサギの豆子さん」。それが個人を尊重するエチケット、敵もリスペクトするマナーだと思っている。


 いつか納得のいく「三島由紀夫さん論」を書きたい。ぼくの読んだ三島由紀夫さん論では、橋本治さんのものが一番かな。でも不満だ。





本と映像の森(第3) 9 吾峠呼世晴『鬼滅の刃(1~6)』集英社、2016~2017年

2020年11月24日 18時00分15秒 | 本と映像の森
本と映像の森(第3) 9 吾峠呼世晴『鬼滅の刃(1~6)』集英社、2016~2017年


著者名は「ごとうげこよはる」、マンガの名は「きめつのやいば」。


 友達からまず1巻から6巻を借りて読みました。まだまだあります。


 家族を殺され、生き残った妹を鬼にされた主人公炭治郎が主人公となにかに書いてあったけど、まず妹と炭治郎の2人が主人公で、どっちかということではないと思う。


 もちろん炭治郎は全身で努力してるけど、それを1つ1つの戦闘で支えているのは妹だ。これ、どうなるか。


 第2に「主人公集団」というべき「鬼滅」集団と「鬼」集団が対比的に描かれる。わるくいえばバラバラで意見いろいろに見える「鬼滅」集団は首領に絶対的な忠誠組織である「鬼」集団と対比される。


 このことがどういう意味をもつかは、こんごの巻をつうじて描かれるのかも。


 5巻「地獄へ」で、炭治郎はいう。


「だけど
 鬼であることに苦しみ
 自らの行いを
 悔いている者を
 踏みつけにはしない」


「鬼は
 人間だったんだから
 俺と同じ
 人間だったんだから」


「足をどけてください
 醜い化け物なんかじゃない
 鬼は虚しい生き物だ
 悲しい生き物だ」





雨宮日記 2020年11月23日(月) 「勤労感謝の日」

2020年11月23日 15時50分19秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月23日(月) 「勤労感謝の日」


「勤労感謝の日」、むかしは「新嘗祭」(にいなめさい)の日だった。民俗学の本を読まないといけないけど。


 「ウィキペディア」が「日本では古くから、天皇が新穀などの収穫物を神々に供えて感謝し、自らも食する「新嘗祭」(にいなめさい)という祭事が行われてきた。」と書いているのは日本の民俗の矮小化だと思う。


なお「ウィキペディア」によれば、国会で「衆参合同委員会における「勤労感謝の日」案は参議院議員の羽仁五郎の動議による」と書いてある。





 2日続けて朝、起きる前の夢を覚えていた。きのうは、歯がポッカリ入れ歯みたいに取れちゃったところでビックリして目が覚めた。


 今日は、なんかみんなで鳥を見に行ったバスの帰り、バスのなかでボクが歌を歌ったところで目が覚めた。


 「どん底の歌」だったと思う。なんか目が覚めて、おかしかった。


   ☆


 昨日は「小雪」。「しょうせつ」であって「こゆき」ではない。「太陽黄経が240度」の日を言う。



過去現在未来のメモノート 92 帝国主義国とは 20201122

2020年11月22日 09時10分00秒 | 過去現在のメモノート
過去現在未来のメモノート 92 帝国主義国とは 20201122


 「先進資本主義国」「発達した資本主義国」「独占資本主義国」=「帝国主義国」ではない。


 レーニンさんが『帝国主義論』を書いた時代とは違う。


 2020年現在の帝国主義国はどこか。


 ボクの考えでは、アメリカ、ロシア、中国(チャイナ)、ヨーロッパというところか。


 イギリス・フランス・ドイツなどはまとめて「ヨーロッパ帝国主義」としたほうがいいと思う。


 インドは入れていいかどうか、もっと研究しよう。インドは軍の海外展開がまだないというところかな。アメリカ、ロシア、中国(チャイナ)、ヨーロッパはある。


 軍が海外展開するけど、「アメリカに従属した日本」は「帝国主義国」の範囲に入れていいかどうか迷っている。


 むしろオーストラリア(豪州)などと同じような「アメリカ帝国主義の領域内の従属国」に入れた方がいいのではないでしょうか。


 それから「帝国主義国」=「独裁国」ではない。概念が違う。これは重なってもいいけど。


 「虐殺国」は、また違う概念。たとえばポルポトのカンボジア、スターリンのソ連、毛沢東の中国などがそうだ。これはブレジネフのソ連やその後の中国がそうだと言っているわけではない。


 以上、「帝国主義国」、「独裁国」、「虐殺国」は違った概念で区別するべきものだと思う。











雨宮日記 2020年11月21日(土) オンライン日本平和大会

2020年11月22日 09時06分21秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月21日(土) オンライン日本平和大会


午前中、浜松市平和委員会主催で「オンライン日本平和大会を見る会」をやった。あまり集まりすぎると困るのだけど、9人が集まった。まあ会場にちょうどいいくらいかなあ。


 ボクはそれを観客の動きも含めてリアルに録画した。


 午後は則子さんは原水協の街頭署名へ。ボクは家で午後の日本平和大会特別集会「敵基地攻撃問題」の録画の見張り。半田さんの詳しい話はよかった。途中が抜けて後半では長崎の冨塚さん、御殿場の渡辺希一さんがよかった。


 まだ何回も見直さないといけない。



過去現在未来のメモノート 91 『資本論 第3部より』 「逃げられるものは逃げよ」か「生き延びることができるものは、生き延びよ」か

2020年11月21日 07時47分25秒 | 過去現在のメモノート

過去現在未来のメモノート 91 『資本論 第3部より』 「逃げられるものは逃げよ」か「生き延びることができるものは、生き延びよ」か


 『資本論』学習会で「第3部」「第5篇 利子生み資本」「第25章 信用と架空資本」に、こういう叙述があった。


 ボクが使っている新日本出版社上製版で「Ⅲa」の712ページ、原書で428ページです。まだ新版では、ここまで出ていません。


 1847年恐慌について述べている箇所です。


 「崩落の頂点では、どのように全般的な“逃げられるものは逃げよ”が展開されるかについて、同じ報告書のなかで……」


 訳注では「17-18世紀のフランスの詩人、文芸評論家ニコラ・ポワローデブレオの『書簡詩』、第6の167、14世紀のフランスの詩人ウスタシ・デシャン『教訓劇散歩』、第38などの句。「逃げろ」「退却せよ」などという命令として用いられる」(p713)


 これを読んだ瞬間、ボクはどっかで読んだようなフレーズだと思った。そして、あっ、内田樹(たつる)さんだと思った。


 内田さんは娘をひとりで育てて、その娘さんの18才での旅立ちに書いた文章の記憶があった。


 家へ帰ってから探してみると、内田樹『「おじさん」的思考』(角川文庫、平成23年)の156ページ「るんちゃんの旅立ち」にあった。


 「sauve qui peut(ソーヴ・キ・プと読むのだよ)」
 これは船が沈没したり、最前線が崩壊したりしたときに、最後に指揮官が兵士たちに告げる言葉である。
 「生き延びることができるものは、生き延びよ」
 集団として生き延びることが困難な局面では、ひとりひとりが自分の才覚で、難局を生き延びる他ない。これからはそういう時代だと私は思う。」


 ボクは内田さんの訳のほうが、やはり今の時代にあっていると感じる。


 「生き延びることができるものは、生き延びよ」


 「逃げる」と「生き延びる」では人間の重みが違う。まさしく21世紀はそういう時代だと思う。



本と映像の森(第3) 8 立花隆『解読「地獄の黙示録」』文春文庫、2004年

2020年11月20日 10時58分48秒 | 本と映像の森
本と映像の森(第3) 8 立花隆『解読「地獄の黙示録」』文春文庫、2004年


 文藝春秋社、189ページ、定価本体486円、原書2002年3月文藝春秋社。


 評論家立花隆さんが監督フランシス・コッポラさんの映画『地獄の黙示録』について書いた3つの評論を掲載しています。


 誰でも読むべきものと思ったので、ここに書くのですが、まだ内容は不確定です。なんせボクはこの映画それ自体を見ていないので。また見て何か考えに変化があれば書きます。


 映画はベトナム戦争でベトナムに介入したアメリカ軍のカーツ太佐がカンボジアで独立し砦を築いて立てこもる。政府の命令を受けたウィラード大尉たちが反乱を鎮圧しに行く。


 このはなしにコンラッドの小説「闇の奧」やエリオットの詩「荒地」をはじめ、フレイザーの「金枝篇」に出てくる王殺しや聖杯の伝説がからんで展開する(と思う)。


 ベトナム戦争の偽善や悪がまざまざと描写され、アメリカの精神や病気が描写されるのですが、もちろん解決されたりはしません。


 立花隆さんは言います。


 「しかし、戦争目的のための殺戮という、目的の公益性(もちろんアメリカ人にとっての)は、手段(無差別殺戮)を浄化しなかったのである。だから、カーツは自分がやっていることをすべて憎むようになり、誰かに殺されたいと願うようになったのである。」(p177)
 
 「戦争の本質は人を殺すことである。戦争で勝つために最も重要なことは、人を殺すことをためらわないことである。カーツ大佐の一見特異な性格は、この本質をつきつめて行動することからきている。
 映画を見終わってから、カーツはビンラディンにそっくりだなと思った。そのあとたまたま筑紫哲也さんに会ったのでその話をしたら、いやー、ぼくもそう思ったよと言っていた。
 カーツに似ているのは、ビンラディンだけではない。・・・・・・(以下略)」(p186)


 最終的に撮影したフィルムは約440時間。完成した作品は2時間33分。


 編集の最後まで最終シーンをどうするかは決まらなかった。戦争は終わっていなのだから映画が終わるはずもないのだと言えないこともない。


 だから監督フランシス・コッポラさんがラストシーンに苦労したのだと思う。



雨宮日記 2020年11月19日(木) 新型コロナウイルス第3波

2020年11月19日 14時54分21秒 | 雨宮日誌


雨宮日記 2020年11月19日(木) 新型コロナウイルス第3波


 日本では新型コロナウイルスの患者が1日で2203人にたっした。


 静岡県内の感染者の累計は1000人を突破した。浜松市では計9例のクラスター(感染者集団)が発生し、累計で410人を超えた。


 まさに第3波と思う。


 菅首相が「専門家から飲食を通じた感染のリスクが指摘されており、飲食の際でも会話のときにはマスクを着用する『静かなマスク会食』をぜひ、お願いしたい。私も今日から徹底したい」と述べた。


 菅首相は、何が何でも、どっかで「会食」したいんですね。まさか自宅は「会食」とは言わんだろう。


菅首相は「会食のさいのご注意」を述べている場合じゃ無いと思う。1国の首相は国の対策をしなければならないと思う。



雨宮日記 2020年11月18日(水) 「ジェンダー問題」を深めたい

2020年11月18日 17時40分48秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 2020年11月18日(水) 「ジェンダー問題」を深めたい


 最近、「ジェンダー問題」を深めたいと、本を何冊か買い求めた。


 このまえ書いた太田啓子『これからの男の子たちへ』は、その最初。


 自分的には、むかしやっていた「女性史サークル」の続きの感じかな。つまり自分の「男性学」を深めたいということ。





 昼閒は暖かい。夜は寒い。もうじき12月。来年の準備もしないといけない時期。