雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

戦争と平和 4 「不特定秘密法」になる対象は「別表」にあります、その1

2013年12月14日 21時09分40秒 | 戦争と平和

戦争と平和 4 「不特定秘密法」になる対象は「別表」にあります、その1

  「別表」は4つの項目に分かれています。

   1、防衛に関する事項

   2、外交に関する事項

   3、特定有害活動の防止に関する事項

   4、テロリズムの防止に関する事項

 このうち、今日は「1、防衛に関する事項」を如何にコピーします。

 たとえば、「ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。チ及びリにおいて同じ。)の種類又は数量」、あるいは「チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法」と規定しています。

 つまり「武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量」「仕様又は性能または使用方法」が「特定秘密」になりうるということです。

 たとえば「種類又は数量」さらに「仕様または性能または使用方法」ですから、たとえば「中日新聞」の浜松支局の地元記者さんが「わが国の平和と安全が如何に守られるか」熱心に取材して「浜松基地には、こういう種類の航空機が何機あって、それらがわが国の平和と安全を守ってくれている」と自衛隊に好意的な記事を書くと、「特定秘密保護法案違反」になりうる(「なる」と断定はしません)わけです。

 ぼくが自分のブログで「今日、何時何分に、何が何機飛んでいた」と目撃情報を書くと、それは「武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量」を暴露したことになるんですね。

 ボクは平和マニアですが、浜松基地にいつもと違う軍用機が飛んでくると「飛行機マニア」の皆さんが、アッと言う間にやってきて、巨大な望遠レンズを三脚につけて待ち構えています。

 これも、ほぼ確実に「不特定秘密法案」の餌食になると思います。飛行機マニアのみなさん、違いますか?条文をよく読んで、軍隊については中立あるいは賛成の立場でも自分が引っかからないか、よく考慮してもらいたいです。

 なお「特定秘密法」は、その本人が「戦争反対」か「戦争賛成」か「戦争中立」か、は一切、考慮していませんし、調べてもいません。条文には何も書いていませんから。

    ☆

 「別表(第三条、第五条-第九条関係)

一 防衛に関する事項

イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究

ロ 防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報

ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力 

ニ 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究

ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。チ及びリにおいて同じ。)の種類又は数量

ヘ 防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法

ト 防衛の用に供する暗号

チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法

リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法

ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(へに掲げるものを除く。)」

 以上。

 


戦争と平和 3 「「不特定秘密法」を読む 3 何が「秘密」か」

2013年12月12日 20時50分37秒 | 戦争と平和

戦争と平和 3 「「不特定秘密法」を読む 3 何が「秘密」か」

 「第2章 特定秘密の指定等」の「第3条(特定秘密の指定)」は、こうなっています。

 「 2 行政機関の長は、前項の規定による指定(附則第四条を除き、以下単に「指定」という。)をしたときは、政令で定めるところにより指定に関する記録を作成するとともに、当該指定に係る特定秘密の範囲を明らかにするため、特定秘密である情報について、次の各号のいずれかに掲げる措置を講ずるものとする。

 一 政令で定めるところにより、特定秘密である情報を記録する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下この号において同じ。)若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示(電磁的記録にあっては、当該表示の記録を含む。)をすること。

 二 特定秘密である情報の性質上前号に掲げる措置によることが困難である場合において、政令で定めるところにより、当該情報が前項の規定の適用を受ける旨を当該情報を取り扱う者に通知すること。

 3 行政機関の長は、特定秘密である情報について前項第二号に掲げる措置を講じた場合において、当該情報について同項第一号に掲げる措置を講ずることができることとなったときは、直ちに当該措置を講ずるものとする 」

 つまり「政令で定めるところにより、特定秘密である情報を記録する文書、図画、電磁的記録若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示をすること」です。

 どういうことかというと、行政機関の長が指定した「特定秘密」であると、わかるように、すべての「文書、図画、電磁的記録若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示をすること」です。

 文書・図画・電磁的記録(つまりパソコン内のファイル)は分かりますが「物件」とは何でしょうか。

 物件とは誰かの所有する物質・物体ですから、つまり、たとえば、浜松基地のAWACSとか飛行機とか、建物のことでしょうね。

 つまり、浜松基地のT4練習機やAWACSの機体や、浜松基地の施設、あるいは、浜岡原発の建屋に「これは特定秘密である」と表示しなさいと、法律で規定しているということでしょうか。

 ちがいますか?


戦争と平和 2 「「不特定秘密法案」を読む2 「安全保障」なる用語について」

2013年12月10日 20時12分27秒 | 戦争と平和

戦争と平和 2 「「不特定秘密法案」を読む2 「安全保障」なる用語について」

 この「不特定秘密法案」の第1条に、原案とは違う修正で、原案の「我が国の安全保障に関する情報」から、修正「安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ)」となりました。

 これまでの「安全保障」の概念から見ると、やはり、まず「日米安保条約」を見るべきでしょう。

 以下は原文の引用です。

 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約

 日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、

 また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、

  国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、

 両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、

 両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、

 相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、

 よつて、次のとおり協定する。

 第一条
 
  締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。」

 日米安保条約は「軍事同盟」であることはあたりまえですが、ここには「「国の存立に関わる外部からの侵略等」のような「等」というだらしない曖昧概念は出てきません。

 非常に重視すべきは、2012年6月20日に成立した「原子力規制委員会設置法」の第1条「目的」には「(原子力の利用は)わが国の安全保障に資することを目的とする」と いう文章が入ってことです。

 そして、同法には、付則で「原子力の憲法」と呼ばれる原子力基本法を改正し、原子力基本法第2条「基本方針」に、同じく「安全保障」という文言が加えられました。

 つまり、日米安保条約=原子力基本法=不特定秘密法、の3つが串刺しで、同じ「安全保障」という概念でくくられたわけです。

 日米軍事同盟=日米原子力帝国=日米による国民抑圧体制、という連携=体制が法的に成立した瞬間、といえるのではないでしょうか。

 もちろん、「本当の安全保障」「国民の安全保障」とは、かけはなれた「国民に危険をもたらす体制」ですが。

 

 


戦争と平和 1 「不特定秘密を国民の眼から隠匿する法」を読む 1

2013年12月09日 21時21分26秒 | 戦争と平和

戦争と平和 1 「不特定秘密を国民の眼から隠匿する法」を読む 1

 12月6日深夜に成立した「特定秘密保護法」、正確に言うなら「不特定秘密保護法」または「不特定秘密を国民の眼から隠匿する法」を読んでいきます。

 まず「第1章 総則 第1条」です。

 法案は次の通りでしたが、ここで3行目の安全保障に ( )して、定義が入りました。「(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ)」です。

 「第一章 総則

 (目的) 第一条  この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。」

 ですから成立した法は、次のようになります。 

 「第一章 総則 (目的) 第一条  この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。」

 安全保障の定義で「国の存立に関わる外部からの侵略等」と言ってますが「等」とは何でしょうか。なぜ「国の存立に関わる外部からの侵略」と断定できないのでしょうか。

 これは、明らかに「外部からの侵略」以外のものを「等」と言っていると思います。つまり、外部からではない、「内部」の呼応者を想定しているとしか思えません。

 つまり、この法案は「外部からの侵略」に呼応する、内部の「国民」を標的にしていると思います。

 明日からも、この異常法を読んでいきます。明日は「安全保障」について考えます。